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ケース5 誕生秘話は惨劇へ【解決編】
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このタイミングを逃してしまえば、千早が入り込む余地がなくなってしまうかもしれない。しかしながらタイミングが悪いというか、コトリの登場が早すぎた。本当のことを元自治会長さんに話して、千早の同行も許してもらうしかないだろう。今は様子を見るしかない。
「それじゃあ、私はこれで。また何か困ったことがあったら、いつでも訪ねて来てね。今日はずっと家にいるだろうから」
元自治会長に繋いでくれたところで、案内してくれた女性はお役御免。お節介な部分もあったが、ここまでしてもらったのはありがたい。
「ご協力ありがとうございました。また、お話を伺う時があるかもしれません。その時は、よろしくお願いします」
形式的ではあるが女性に礼を言う。コトリは場をごまかすためか敬礼の真似事をした。実はこの敬礼というポーズ。よほどのことがない限り、警察官はもちろん、刑事もやらない。ドラマなどのせいで、刑事同士の挨拶にさえ敬礼が使われているが、実際のところ敬礼なんてものは、何かしらの式典に出たりしない限り、やるものではないのだ。まぁ、それでごまかせているようだから問題ないのだが。
女性が退散し、そして玄関へと上がり込んだ斑目。ふとスマートフォンに通知が入る。
――私のことはお気になさらずに。また不明な点があったらメールしますから。
きっと千早はコトリの暴走を止めたことだろう。しかしながら、こうしてコトリが堂々と登場したわけだ。必死な千早が止めようとしているビジョンが見えた。
「玄関先ではなんですので、中へどうぞ。お上がりください」
斑目の素性などを、電話口で女性が話してくれていたおかげか、話がスムーズに進むし、かなり信頼されているようだ。コトリという不審人物が混じっていても、中に通してくれるのだからよほどのものだ。
「話は聞かせてもらいましたけど――現役の刑事さんということでよろしいですか?」
その質問。明らかにコトリのほうへと投げかけられていた。それに対して、コトリは敬礼をして「はっ! そうでありますわ」と妙な言葉遣い。せっかくこうして中まで通してもらったのだ。余計なことをして不信感を抱かせたくない。
「お茶を淹れますから、そちらにお掛けになって、少しお待ちください」
そう言ってソファーのほうへと視線をやる元自治会長。
「あぁ、お構いなく」
斑目と社交辞令的なやり取りをすると、元自治会長は別の部屋へと姿を消した。
「お言葉に甘えて座って待っていましょう。普段はここまで歩かないから疲れましたわ」
「それじゃあ、私はこれで。また何か困ったことがあったら、いつでも訪ねて来てね。今日はずっと家にいるだろうから」
元自治会長に繋いでくれたところで、案内してくれた女性はお役御免。お節介な部分もあったが、ここまでしてもらったのはありがたい。
「ご協力ありがとうございました。また、お話を伺う時があるかもしれません。その時は、よろしくお願いします」
形式的ではあるが女性に礼を言う。コトリは場をごまかすためか敬礼の真似事をした。実はこの敬礼というポーズ。よほどのことがない限り、警察官はもちろん、刑事もやらない。ドラマなどのせいで、刑事同士の挨拶にさえ敬礼が使われているが、実際のところ敬礼なんてものは、何かしらの式典に出たりしない限り、やるものではないのだ。まぁ、それでごまかせているようだから問題ないのだが。
女性が退散し、そして玄関へと上がり込んだ斑目。ふとスマートフォンに通知が入る。
――私のことはお気になさらずに。また不明な点があったらメールしますから。
きっと千早はコトリの暴走を止めたことだろう。しかしながら、こうしてコトリが堂々と登場したわけだ。必死な千早が止めようとしているビジョンが見えた。
「玄関先ではなんですので、中へどうぞ。お上がりください」
斑目の素性などを、電話口で女性が話してくれていたおかげか、話がスムーズに進むし、かなり信頼されているようだ。コトリという不審人物が混じっていても、中に通してくれるのだからよほどのものだ。
「話は聞かせてもらいましたけど――現役の刑事さんということでよろしいですか?」
その質問。明らかにコトリのほうへと投げかけられていた。それに対して、コトリは敬礼をして「はっ! そうでありますわ」と妙な言葉遣い。せっかくこうして中まで通してもらったのだ。余計なことをして不信感を抱かせたくない。
「お茶を淹れますから、そちらにお掛けになって、少しお待ちください」
そう言ってソファーのほうへと視線をやる元自治会長。
「あぁ、お構いなく」
斑目と社交辞令的なやり取りをすると、元自治会長は別の部屋へと姿を消した。
「お言葉に甘えて座って待っていましょう。普段はここまで歩かないから疲れましたわ」
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