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ケース2 干しかんぴょう殺人事件【解決編】
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「縄状に編んだ干しかんぴょうをバスタオルの穴に通して、その先をノズルホルダーに結びつけますわ。もう片方も同じようにホルダーに結びつけ、それらの邪魔にならないように、被害者の首に巻かれていたタオルを固定する」
実際のところ、シャワーホルダーに固定する際には、もう少し簡単に解けないような工夫がされていたのかもしれない。なぜなら、一里之の考え通りのことが起きていたのだとすれば、縄状に編まれた干しかんぴょうは、被害者の体重を支えねばならないのだから。
「この状況で、気を失った被害者を立たせますわ。もちろん、首にはタオルを巻いた状態で、なおかつバスタオルの端を踏むように立たせる」
この辺りは実践ができないがゆえに想像になってしまうが、被害者の足で下部を固定されたバスタオルは、上部に通された干しかんぴょうの縄によってホルダーに固定され、被害者自身を包むような形になる。被害者の体はバスタオルに支えられる形になり、もちろん首には巻かれたタオルも、被害者の首を絞めるにはいたらない。
「この状況でシャワーから水を出したまま現場を立ち去る。むろん、シャワー中の事故に偽装するためには、お湯を出したまま現場を立ち去ったのかもしれませんわね」
実際に遺体がその場にあるわけではないが、ありありと当時の現場が想像できた。すなわち、犯人は干しかんぴょうをバスタオルに通し、それを簡易的なハンモックのようにして、被害者の体を支えたのだ。
「後は説明するまでもありませんわね。お湯をかけ続けられた干しかんぴょうは、いずれ水で戻された状態になりますわ。かんぴょうなる食べ物は、干されている状態だと固くて食べられたものではないらしいですが、水で戻すと柔らかくなるそうですわね。つまり、柔らかくなってしまった干しかんぴょうは――」
「被害者の重さに耐えきれなくなって切れてしまった。そして、かんぴょうが切れてしまったことにより、それまで被害者の体を支えていたバスタオルが外れてしまう」
間髪入れずに冥が言うと、コトリは満足げに頷いた。
「そして、それまで気を失っていた被害者は、固定されたタオルによって首を吊る――こうすれば、日中に家を訪れた方にも犯行は可能ですわ」
現場に残っていた干しかんぴょう。現場に散らばっていたのは、おそらく干しかんぴょうをロープの代わりに使ったことを悟られないためだろう。それにしても、干しかんぴょうひとつで、人が死ぬ時限装置を作れるなんて。
実際のところ、シャワーホルダーに固定する際には、もう少し簡単に解けないような工夫がされていたのかもしれない。なぜなら、一里之の考え通りのことが起きていたのだとすれば、縄状に編まれた干しかんぴょうは、被害者の体重を支えねばならないのだから。
「この状況で、気を失った被害者を立たせますわ。もちろん、首にはタオルを巻いた状態で、なおかつバスタオルの端を踏むように立たせる」
この辺りは実践ができないがゆえに想像になってしまうが、被害者の足で下部を固定されたバスタオルは、上部に通された干しかんぴょうの縄によってホルダーに固定され、被害者自身を包むような形になる。被害者の体はバスタオルに支えられる形になり、もちろん首には巻かれたタオルも、被害者の首を絞めるにはいたらない。
「この状況でシャワーから水を出したまま現場を立ち去る。むろん、シャワー中の事故に偽装するためには、お湯を出したまま現場を立ち去ったのかもしれませんわね」
実際に遺体がその場にあるわけではないが、ありありと当時の現場が想像できた。すなわち、犯人は干しかんぴょうをバスタオルに通し、それを簡易的なハンモックのようにして、被害者の体を支えたのだ。
「後は説明するまでもありませんわね。お湯をかけ続けられた干しかんぴょうは、いずれ水で戻された状態になりますわ。かんぴょうなる食べ物は、干されている状態だと固くて食べられたものではないらしいですが、水で戻すと柔らかくなるそうですわね。つまり、柔らかくなってしまった干しかんぴょうは――」
「被害者の重さに耐えきれなくなって切れてしまった。そして、かんぴょうが切れてしまったことにより、それまで被害者の体を支えていたバスタオルが外れてしまう」
間髪入れずに冥が言うと、コトリは満足げに頷いた。
「そして、それまで気を失っていた被害者は、固定されたタオルによって首を吊る――こうすれば、日中に家を訪れた方にも犯行は可能ですわ」
現場に残っていた干しかんぴょう。現場に散らばっていたのは、おそらく干しかんぴょうをロープの代わりに使ったことを悟られないためだろう。それにしても、干しかんぴょうひとつで、人が死ぬ時限装置を作れるなんて。
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