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#2 ぼくとわたしと禁断の数字【プロローグ】
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分かっていても、誰が説明なぞしてやるか――。姫乙の言葉の後に訪れた静寂には、そのような殺伐としたニュアンスが含まれていたような気がした。
「アベンジャーにはご褒美というシステムがある。そして、ご褒美は――【糾弾ホームルーム】の結果によって与えられるってことでしょう? つまり、アベンジャーが直接手を下さなくても、ご褒美という名のペナルティーで、間接的に僕達を殺すことはできるってこと」
沈黙を破り、ぽつりと呟き落としたのは伊勢崎だった。姫乙が満足そうな笑みを浮かべる。
「その通りでぇぇぇす。この【糾弾ホームルーム】において、諸君らがアベンジャーの正体を暴けなかった場合はぁ、アベンジャーにご褒美が進呈されますぅ。前回の場合はぁ、クラスメイト全員の餓死と爆発でしたねぇ。つーまーりー、どんな条件下であったとしてもぉ、制限時間内にアベンジャーの正体を暴けなければぁ、諸君らにとってのペナルティーを発生させることは可能なのです」
そう言い放った後の姫乙の顔が、あまりにも無表情で寒気を感じた。無茶苦茶な言い分ではあるが、このクラスにおいてのルールブックは姫乙のようなものだ。きっと通用するのであろう。ふと、友華のほうを見ると、きっと幼馴染を失ったショックから立ち直れないでいるのだろう。姫乙を必死に睨んでいた。
「しかし、前回アベンジャーの正体を暴くことができたのは――こう言っては妙な話だが、7人の仲間が殺される事件が起きたからではないだろうか? その事件の情報があったからこそ、安藤と大槻が犯人を突き止めることができたのであって、何も情報がない状態では……」
「根津君、その点に関しては問題ありませぇぇぇぇん。ようは【糾弾ホームルーム】内でアベンジャーの正体が分かるようになっていればいいだけのこと。前回も言いましたがぁ、私はアベンジャーの正体が分からない【糾弾ホームルーム】など開きませぇぇぇん。必ずや、アベンジャーの正体に迫れる環境をお約束しますよぉ」
根津の発言を遮って力説する姫乙。事件は起きていない。誰も死んでもいないし、誰も殺してはいない。こんな状況でも【糾弾ホームルーム】を開くことはできるし、その結果によりアベンジャーにご褒美を与え、間接的にクラスに対してペナルティーを与えることができる。ただし【糾弾ホームルーム】を開く以上、必ずアベンジャーにたどり着ける環境が約束される。あれこれと質問したくなる気持ちは分かるのだが、今はとりあえず姫乙の言い分を全て聞いたほうがいいような気がした。話を途中で止めてしまっているからこそ、要領を得ないのかもしれないし。
「アベンジャーにはご褒美というシステムがある。そして、ご褒美は――【糾弾ホームルーム】の結果によって与えられるってことでしょう? つまり、アベンジャーが直接手を下さなくても、ご褒美という名のペナルティーで、間接的に僕達を殺すことはできるってこと」
沈黙を破り、ぽつりと呟き落としたのは伊勢崎だった。姫乙が満足そうな笑みを浮かべる。
「その通りでぇぇぇす。この【糾弾ホームルーム】において、諸君らがアベンジャーの正体を暴けなかった場合はぁ、アベンジャーにご褒美が進呈されますぅ。前回の場合はぁ、クラスメイト全員の餓死と爆発でしたねぇ。つーまーりー、どんな条件下であったとしてもぉ、制限時間内にアベンジャーの正体を暴けなければぁ、諸君らにとってのペナルティーを発生させることは可能なのです」
そう言い放った後の姫乙の顔が、あまりにも無表情で寒気を感じた。無茶苦茶な言い分ではあるが、このクラスにおいてのルールブックは姫乙のようなものだ。きっと通用するのであろう。ふと、友華のほうを見ると、きっと幼馴染を失ったショックから立ち直れないでいるのだろう。姫乙を必死に睨んでいた。
「しかし、前回アベンジャーの正体を暴くことができたのは――こう言っては妙な話だが、7人の仲間が殺される事件が起きたからではないだろうか? その事件の情報があったからこそ、安藤と大槻が犯人を突き止めることができたのであって、何も情報がない状態では……」
「根津君、その点に関しては問題ありませぇぇぇぇん。ようは【糾弾ホームルーム】内でアベンジャーの正体が分かるようになっていればいいだけのこと。前回も言いましたがぁ、私はアベンジャーの正体が分からない【糾弾ホームルーム】など開きませぇぇぇん。必ずや、アベンジャーの正体に迫れる環境をお約束しますよぉ」
根津の発言を遮って力説する姫乙。事件は起きていない。誰も死んでもいないし、誰も殺してはいない。こんな状況でも【糾弾ホームルーム】を開くことはできるし、その結果によりアベンジャーにご褒美を与え、間接的にクラスに対してペナルティーを与えることができる。ただし【糾弾ホームルーム】を開く以上、必ずアベンジャーにたどり着ける環境が約束される。あれこれと質問したくなる気持ちは分かるのだが、今はとりあえず姫乙の言い分を全て聞いたほうがいいような気がした。話を途中で止めてしまっているからこそ、要領を得ないのかもしれないし。
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