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#1 毒殺における最低限の憶測【糾弾ホームルーム篇】
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「さんせーい。ぶっちゃけぇ、真綾達【糾弾ホームルーム】って初めてじゃん? だから、あれこれルールを決めるより、言いたいことを言い合う形にしたほうがいいと思うんだよねぇ。時間も1時間しかねぇし、まだ真綾も死にたくねぇし。とりあえず片っ端から意見ある人が発言するようにしたほうがいいと思う」
主にカーストが上位の人間によって【糾弾ホームルーム】の進め方が定められていく。そのやり方が正しいのかどうなのか。そもそも委員長と副委員長に進行と書記をやってもらうのが正しいのか。すべてが初めてであるため、完全に手探りだ。
果たして、どんな形にまとまっていくのだろうか。それとも、途中で破綻して、まとまることもせずに制限時間を迎えてしまうのか――。先が全く見通せない。リハーサルのない一発本番ではあるが、しかし結果を出せなければ……死ぬ。
小宮山と友華が壇上に立ち、芽衣の提案通りに友華がチョークを手にした。委員長の小宮山がホームルームを取り仕切り、書記は副委員長の友華が務める。即席で決まったことではあるが、スタンダードなやり方だとは思う。
クラスメイトの視線は小宮山に集まっていた。それは小宮山本人も分かっているのか、周囲を不安そうに教室を見渡すと、咳払いをしてから口を開いた。
「え、えっと――。それではホームルームを始めます」
いざ教壇に立ったら、カメラが向けられていることに気付いたか。頑張って声を張ろうとした気持ちは充分に分かるのだが、緊張してしまったのだろう。小宮山の声が盛大に裏返った。なんとも締まりのないスタートである。
「おい、委員長。早速だがよぉ、俺は誰がアベンジャーなのか心当たりがあるんだ――」
そう言って、机の上に足を乗せたのは本田だった。明らかに周囲を威嚇するような格好であるが、このホームルームの意義を理解しているのだろうか。
「は、はい。本田君。意見をどうぞ」
案の定、小宮山が気圧されような感じになり、やや及び腰の姿勢で本田のことを指した。
「この毒が入ってた牛乳ってのは、アベンジャーが大日本帝国政府――ようは姫乙に用意させたわけだろ? もちろん、牛乳を配ってもらった俺達は、自分に配られた牛乳しか手にする機会がなかった。でもよ、一人だけ全員の牛乳に手を触れられた人物がいたよな? 昼安藤――てめぇだよ」
主にカーストが上位の人間によって【糾弾ホームルーム】の進め方が定められていく。そのやり方が正しいのかどうなのか。そもそも委員長と副委員長に進行と書記をやってもらうのが正しいのか。すべてが初めてであるため、完全に手探りだ。
果たして、どんな形にまとまっていくのだろうか。それとも、途中で破綻して、まとまることもせずに制限時間を迎えてしまうのか――。先が全く見通せない。リハーサルのない一発本番ではあるが、しかし結果を出せなければ……死ぬ。
小宮山と友華が壇上に立ち、芽衣の提案通りに友華がチョークを手にした。委員長の小宮山がホームルームを取り仕切り、書記は副委員長の友華が務める。即席で決まったことではあるが、スタンダードなやり方だとは思う。
クラスメイトの視線は小宮山に集まっていた。それは小宮山本人も分かっているのか、周囲を不安そうに教室を見渡すと、咳払いをしてから口を開いた。
「え、えっと――。それではホームルームを始めます」
いざ教壇に立ったら、カメラが向けられていることに気付いたか。頑張って声を張ろうとした気持ちは充分に分かるのだが、緊張してしまったのだろう。小宮山の声が盛大に裏返った。なんとも締まりのないスタートである。
「おい、委員長。早速だがよぉ、俺は誰がアベンジャーなのか心当たりがあるんだ――」
そう言って、机の上に足を乗せたのは本田だった。明らかに周囲を威嚇するような格好であるが、このホームルームの意義を理解しているのだろうか。
「は、はい。本田君。意見をどうぞ」
案の定、小宮山が気圧されような感じになり、やや及び腰の姿勢で本田のことを指した。
「この毒が入ってた牛乳ってのは、アベンジャーが大日本帝国政府――ようは姫乙に用意させたわけだろ? もちろん、牛乳を配ってもらった俺達は、自分に配られた牛乳しか手にする機会がなかった。でもよ、一人だけ全員の牛乳に手を触れられた人物がいたよな? 昼安藤――てめぇだよ」
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