糾弾ホームルーム! ―ぼくたち、わたしたちの主張―

鬼霧宗作

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#1 毒殺における最低限の憶測【糾弾ホームルーム篇】

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 友華は、友人である舞友と友希との3人で、ケーキバイキングがどうとやら――などという他愛もない話で盛り上がっていたのだ。しかし、舞友と友希はアコニチンの犠牲になり死んでしまった。いつも見慣れていたはずの仲良し3人組は、実に理不尽な理由で1人になってしまったのだった。

「委員長、副委員長。お願いできるか?」

 根津の言葉を受け、小宮山が何かを決意したかのように立ち上がった。そして、友華の元へと向かう。

「無理そうなら僕だけでやる。でも、小巻澤さんがいてくれたら心強い」

 友華が泣き腫らした目で小宮山のことを見上げる。大丈夫だ――強く頷いた小宮山は、きっとそんなニュアンスを含ませていたに違いない。友華がこくりと頷き返して立ち上がった。とりあえず、委員長と副委員長に司会をしてもらい、ホームルームを進める流れになりそうだ。悪くはない流れである。

 姫乙は空気を読んだのか、教室の隅っこへと移動する。懐中時計からは目を離さなずに、ぽつりと漏らした。

「委員長と副委員長が前に出るんだから、管理委員会もろもろは邪魔でしょう? 全員、教室の後ろで見てなさいよぉ」

 銃を抱えて立っていた管理委員会の兵隊達は、姫乙の一言で教室の後ろへと移動する。テレビクルーも基本的に教室の後ろから動かないから、いよいよ本格的に授業参観みたいになってきた。

 兵隊達と入れ違いになって、小宮山と友華が教壇に上がった。それを待っていたかのごとく手を挙げたのは、姫乙お気に入りの芽衣だった。芽衣には申し訳ないが、隠れ巨乳というプロフィールが雑念のように頭をよぎる。

「委員長は司会の進行――みんなから議題をあげてもらって、それの議論を進行して欲しい。副委員長は黒板を使って書記を」

 少し前までなら、彼女の声など滅多に聞くことができなかったのだが、昨日からはやけに喋るような印象がある。普段からクールだとは思っていたが、しかし芽衣の声は思っていた以上に可愛らしく、また透き通るように綺麗だった。

「うむ、そうするのが良かろうな。最終的にたどり着かねばならんのは、――なのだが、とりあえず意見のある人が積極的に手を挙げていく方式をとったほうが良いと思う。どうだろうか?」

 根津が芽衣の意見に同意を示し、さらなる提案をクラスに向かってする。そこに同意するはギャルグループのボスである 真下真綾ましたまあやだ。
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