45 / 468
#1 毒殺における最低限の憶測【糾弾ホームルーム篇】
8
しおりを挟む
友華は、友人である舞友と友希との3人で、ケーキバイキングがどうとやら――などという他愛もない話で盛り上がっていたのだ。しかし、舞友と友希はアコニチンの犠牲になり死んでしまった。いつも見慣れていたはずの仲良し3人組は、実に理不尽な理由で1人になってしまったのだった。
「委員長、副委員長。お願いできるか?」
根津の言葉を受け、小宮山が何かを決意したかのように立ち上がった。そして、友華の元へと向かう。
「無理そうなら僕だけでやる。でも、小巻澤さんがいてくれたら心強い」
友華が泣き腫らした目で小宮山のことを見上げる。大丈夫だ――強く頷いた小宮山は、きっとそんなニュアンスを含ませていたに違いない。友華がこくりと頷き返して立ち上がった。とりあえず、委員長と副委員長に司会をしてもらい、ホームルームを進める流れになりそうだ。悪くはない流れである。
姫乙は空気を読んだのか、教室の隅っこへと移動する。懐中時計からは目を離さなずに、ぽつりと漏らした。
「委員長と副委員長が前に出るんだから、管理委員会もろもろは邪魔でしょう? 全員、教室の後ろで見てなさいよぉ」
銃を抱えて立っていた管理委員会の兵隊達は、姫乙の一言で教室の後ろへと移動する。テレビクルーも基本的に教室の後ろから動かないから、いよいよ本格的に授業参観みたいになってきた。
兵隊達と入れ違いになって、小宮山と友華が教壇に上がった。それを待っていたかのごとく手を挙げたのは、姫乙お気に入りの芽衣だった。芽衣には申し訳ないが、隠れ巨乳というプロフィールが雑念のように頭をよぎる。
「委員長は司会の進行――みんなから議題をあげてもらって、それの議論を進行して欲しい。副委員長は黒板を使って書記を」
少し前までなら、彼女の声など滅多に聞くことができなかったのだが、昨日からはやけに喋るような印象がある。普段からクールだとは思っていたが、しかし芽衣の声は思っていた以上に可愛らしく、また透き通るように綺麗だった。
「うむ、そうするのが良かろうな。最終的にたどり着かねばならんのは、7人もの仲間を殺したアベンジャーは誰なのか――なのだが、とりあえず意見のある人が積極的に手を挙げていく方式をとったほうが良いと思う。どうだろうか?」
根津が芽衣の意見に同意を示し、さらなる提案をクラスに向かってする。そこに同意するはギャルグループのボスである 真下真綾だ。
「委員長、副委員長。お願いできるか?」
根津の言葉を受け、小宮山が何かを決意したかのように立ち上がった。そして、友華の元へと向かう。
「無理そうなら僕だけでやる。でも、小巻澤さんがいてくれたら心強い」
友華が泣き腫らした目で小宮山のことを見上げる。大丈夫だ――強く頷いた小宮山は、きっとそんなニュアンスを含ませていたに違いない。友華がこくりと頷き返して立ち上がった。とりあえず、委員長と副委員長に司会をしてもらい、ホームルームを進める流れになりそうだ。悪くはない流れである。
姫乙は空気を読んだのか、教室の隅っこへと移動する。懐中時計からは目を離さなずに、ぽつりと漏らした。
「委員長と副委員長が前に出るんだから、管理委員会もろもろは邪魔でしょう? 全員、教室の後ろで見てなさいよぉ」
銃を抱えて立っていた管理委員会の兵隊達は、姫乙の一言で教室の後ろへと移動する。テレビクルーも基本的に教室の後ろから動かないから、いよいよ本格的に授業参観みたいになってきた。
兵隊達と入れ違いになって、小宮山と友華が教壇に上がった。それを待っていたかのごとく手を挙げたのは、姫乙お気に入りの芽衣だった。芽衣には申し訳ないが、隠れ巨乳というプロフィールが雑念のように頭をよぎる。
「委員長は司会の進行――みんなから議題をあげてもらって、それの議論を進行して欲しい。副委員長は黒板を使って書記を」
少し前までなら、彼女の声など滅多に聞くことができなかったのだが、昨日からはやけに喋るような印象がある。普段からクールだとは思っていたが、しかし芽衣の声は思っていた以上に可愛らしく、また透き通るように綺麗だった。
「うむ、そうするのが良かろうな。最終的にたどり着かねばならんのは、7人もの仲間を殺したアベンジャーは誰なのか――なのだが、とりあえず意見のある人が積極的に手を挙げていく方式をとったほうが良いと思う。どうだろうか?」
根津が芽衣の意見に同意を示し、さらなる提案をクラスに向かってする。そこに同意するはギャルグループのボスである 真下真綾だ。
0
お気に入りに追加
84
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】知られてはいけない
ひなこ
ホラー
中学一年の女子・遠野莉々亜(とおの・りりあ)は、黒い封筒を開けたせいで仮想空間の学校へ閉じ込められる。
他にも中一から中三の男女十五人が同じように誘拐されて、現実世界に帰る一人になるために戦わなければならない。
登録させられた「あなたの大切なものは?」を、互いにバトルで当てあって相手の票を集めるデスゲーム。
勝ち残りと友情を天秤にかけて、ゲームは進んでいく。
一つ年上の男子・加川準(かがわ・じゅん)は敵か味方か?莉々亜は果たして、元の世界へ帰ることができるのか?
心理戦が飛び交う、四日間の戦いの物語。
(第二回きずな文学賞で奨励賞受賞)

終焉の教室
シロタカズキ
ホラー
30人の高校生が突如として閉じ込められた教室。
そこに響く無機質なアナウンス――「生き残りをかけたデスゲームを開始します」。
提示された“課題”をクリアしなければ、容赦なく“退場”となる。
最初の課題は「クラスメイトの中から裏切り者を見つけ出せ」。
しかし、誰もが疑心暗鬼に陥る中、タイムリミットが突如として加速。
そして、一人目の犠牲者が決まった――。
果たして、このデスゲームの真の目的は?
誰が裏切り者で、誰が生き残るのか?
友情と疑念、策略と裏切りが交錯する極限の心理戦が今、幕を開ける。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
―異質― 邂逅の編/日本国の〝隊〟、その異世界を巡る叙事詩――《第一部完結》
EPIC
SF
日本国の混成1個中隊、そして超常的存在。異世界へ――
とある別の歴史を歩んだ世界。
その世界の日本には、日本軍とも自衛隊とも似て非なる、〝日本国隊〟という名の有事組織が存在した。
第二次世界大戦以降も幾度もの戦いを潜り抜けて来た〝日本国隊〟は、異質な未知の世界を新たな戦いの場とする事になる――
日本国陸隊の有事官、――〝制刻 自由(ぜいこく じゆう)〟。
歪で醜く禍々しい容姿と、常識外れの身体能力、そしてスタンスを持つ、隊員として非常に異質な存在である彼。
そんな隊員である制刻は、陸隊の行う大規模な演習に参加中であったが、その最中に取った一時的な休眠の途中で、不可解な空間へと導かれる。そして、そこで会った作業服と白衣姿の謎の人物からこう告げられた。
「異なる世界から我々の世界に、殴り込みを掛けようとしている奴らがいる。先手を打ちその世界に踏み込み、この企みを潰せ」――と。
そして再び目を覚ました時、制刻は――そして制刻の所属する普通科小隊を始めとする、各職種混成の約一個中隊は。剣と魔法が力の象徴とされ、モンスターが跋扈する未知の世界へと降り立っていた――。
制刻を始めとする異質な隊員等。
そして問題部隊、〝第54普通科連隊〟を始めとする各部隊。
元居た世界の常識が通用しないその異世界を、それを越える常識外れな存在が、掻き乱し始める。
〇案内と注意
1) このお話には、オリジナル及び架空設定を多数含みます。
2) 部隊規模(始めは中隊規模)での転移物となります。
3) チャプター3くらいまでは単一事件をいくつか描き、チャプター4くらいから単一事件を混ぜつつ、一つの大筋にだんだん乗っていく流れになっています。
4) 主人公を始めとする一部隊員キャラクターが、超常的な行動を取ります。ぶっ飛んでます。かなりなんでも有りです。
5) 小説家になろう、カクヨムにてすでに投稿済のものになりますが、そちらより一話当たり分量を多くして話数を減らす整理のし直しを行っています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる