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それぞれの週末【終】
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幹事の芽衣は分かるが、香純も先に会場入りしているのだろうか。まぁ、あの【糾弾ホームルーム】の時も、安藤の知らないところで繋がっていた二人だ。香純が芽衣の手伝いをしていてもおかしくはない。
小雪を筆頭に一同が動き出した。まだ全員が揃ったわけではないが、まさか同窓会をする時に、ここまで人数が減ってしまうなんて、2年4組にクラス分けされた際、誰が予測できただろうか。
ホテルの案内に従って、会場のほうに向かって歩く。これだけの人数であるから、そんなに広い場所は取っていないだろう――そんなことを考えながら、小雪について行く。
「おーい、みんな。こっち!」
ふと、エレベーターを降りると同時に声をかけられた。長い廊下の奥のほうに長テーブルが置いてあり、そこに座る人物が手を振っている。声の調子から察して、芽衣ではないらしい。となると、残るは一人だけ。香純であろう。
案の定、近くまで向かってみると、やや派手めな化粧が健在の香純だった。当時に比べれば大人しめにはなったが、真綾の変貌ぶりに比べれば、まだ充分当時の面影というものが残っていた。
「はい、事前に連絡しておいたけど、先に会費を徴収するから」
そう言って気丈に笑う香純であるが、思い返すと【糾弾ホームルーム】で文字通り体を張り、芽衣と手を組んで暗躍をしていた香純こそが一番の功労者である。その辺のことは誰もあえて聞きはしていないし、今さらになって掘り返すつもりもない。
「――良くも悪くも何も変わってねぇな」
本田が懐から財布を取り出しつつ言うと、香純は悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「ウチも結婚すれば落ち着くかもしれないけどねぇ」
クラスの女子の間では、ほんの少しだけ浮いていたような香純ではあるが、やはりクラスの人数が減ったことと、それがゆえに生まれた絆のおかげで、かなりクラスに打ち解けたような気がする。
カースト制度。クラスメイト同士に生じる確執――【糾弾ホームルーム】に感謝する気はさらさらないが、困難があったからこそ、それらを全て取っ払うことができたことは間違いではない。
「まぁ、結婚っていえば聞こえはいいけどさ、やっぱり赤の他人同士が一緒になるわけだから、色々と大変だったりするけどね」
真綾が本田の顔を見上げ、本田は「ま、色々とな――」と苦笑いを浮かべる。どれだけ仲が良さそうに見えても、やはり夫婦間にしか分からない衝突はあるのだろう。
小雪を筆頭に一同が動き出した。まだ全員が揃ったわけではないが、まさか同窓会をする時に、ここまで人数が減ってしまうなんて、2年4組にクラス分けされた際、誰が予測できただろうか。
ホテルの案内に従って、会場のほうに向かって歩く。これだけの人数であるから、そんなに広い場所は取っていないだろう――そんなことを考えながら、小雪について行く。
「おーい、みんな。こっち!」
ふと、エレベーターを降りると同時に声をかけられた。長い廊下の奥のほうに長テーブルが置いてあり、そこに座る人物が手を振っている。声の調子から察して、芽衣ではないらしい。となると、残るは一人だけ。香純であろう。
案の定、近くまで向かってみると、やや派手めな化粧が健在の香純だった。当時に比べれば大人しめにはなったが、真綾の変貌ぶりに比べれば、まだ充分当時の面影というものが残っていた。
「はい、事前に連絡しておいたけど、先に会費を徴収するから」
そう言って気丈に笑う香純であるが、思い返すと【糾弾ホームルーム】で文字通り体を張り、芽衣と手を組んで暗躍をしていた香純こそが一番の功労者である。その辺のことは誰もあえて聞きはしていないし、今さらになって掘り返すつもりもない。
「――良くも悪くも何も変わってねぇな」
本田が懐から財布を取り出しつつ言うと、香純は悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「ウチも結婚すれば落ち着くかもしれないけどねぇ」
クラスの女子の間では、ほんの少しだけ浮いていたような香純ではあるが、やはりクラスの人数が減ったことと、それがゆえに生まれた絆のおかげで、かなりクラスに打ち解けたような気がする。
カースト制度。クラスメイト同士に生じる確執――【糾弾ホームルーム】に感謝する気はさらさらないが、困難があったからこそ、それらを全て取っ払うことができたことは間違いではない。
「まぁ、結婚っていえば聞こえはいいけどさ、やっぱり赤の他人同士が一緒になるわけだから、色々と大変だったりするけどね」
真綾が本田の顔を見上げ、本田は「ま、色々とな――」と苦笑いを浮かべる。どれだけ仲が良さそうに見えても、やはり夫婦間にしか分からない衝突はあるのだろう。
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