糾弾ホームルーム! ―ぼくたち、わたしたちの主張―

鬼霧宗作

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#4 放課後殺人ショー【エピローグ】

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「さてぇ、データをご覧いただいても分かるようにぃ、いじめによる自殺者が激減したのですぅ。しかもぉ、学校側が把握するいじめの認知件数は、前年と比べものになりません。なぜぇ、こんなことが起きたのでしょうか? ここにいる大臣クラスのみなさまならばぁ、説明など不要ですよねぇ?」

 姫乙はあえて皮肉っぽく言ってやった。普段から革命省の存在をお荷物だとか言ってる文部科学省大臣様なんて、姫乙と目を合わせようともしない。

「あの【糾弾ホームルーム】か――」

 聡明で教育の頂点に立つ文部科学省大臣様――ではなく、他の大臣が口を開く。姫乙は大きく頷いた。

「えぇ、それと復讐法が成立したという事実でしょうね。人を傷つける側の人間はねぇ、まさか自分が傷つけられるとは思っていないのですぅ。だから、いじめの対象とするのは、人間関係的にも力的にも、弱い者なんです。自分が傷つけられる恐れのない相手を、寄ってたかっていじめるのですよぉ。ねぇ、文部科学省大臣――いじめの根絶は、昔からの課題でしたよねぇ。そして、どれだけのことをしても、いじめはなくならなかった。現に、こうして今でもいじめはありますから」

 これだけの人数がいる中で、文部科学省を吊るし上げる。これだって、もしかすると立派ないじめなのかもしれなかった。

「人間ってのは極端なものでして、自分に危害が及ぶようなことは好んでやりません。自分がいじめていた相手に復讐法が適用されてしまえば、殺されてしまうかもしれないわけですからね。それに加えて私は【糾弾ホームルーム】というショーを全国民の前で行った」

「むざむざと生徒に欺かれ、君が恥をかいたやつだよね?」

 ここぞとばかりに文部科学省大臣様が反論してくる。しかし姫乙は首を横に振り、苦笑いを浮かべてやった。

「恥? 私は恥などかいていませんよぉ。むしろ、引き際としては、あの辺りが妥当だとも思っていたのですよぉ。私の目的は、罪のない子ども達を苦しめることではありませんよ。あくまで【糾弾ホームルーム】というモデルケースを――復讐法が成立すれば、このようなことが他の場所でも起こり得るという可能性を、全国民に植えつけること。本当の目的が達成されたか否かは説明する必要もないでしょう」

 姫乙の言葉の意味は理解しているのだろう。だからこそ、文部科学省大臣様は顔を真っ赤にして反論してくるのだ。

「し、しかし罪のない子ども達が死んだのも事実だ」

「これまで年間で数百名、罪のない子ども達が命を絶ってきたのですぅ。それを救えたのであれば、あの2年4組の十数名の命など安いと思いませんかぁ?」
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