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#4 放課後殺人ショー【糾弾ホームルーム篇】
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今回の一件ではアンジョリーヌに協力をあおいでいた。それは安藤も知っていたが、具体的にどのように協力してもらうのかまで知らなかった。彼女の口ぶりからすると、どうやら映像以外にも、彼女が協力した点があるようだ。
「うちの美術にお願いして、この学校の外壁と同じ素材で、生首の小道具を作ってもらったのよ。もちろん、そこまで時間をかけられないから、正面から見れば一発で偽物だと分かるようなクオリティーになってしまったけど」
アンジョリーヌの告白が、姫乙をさらに無表情にさせる。国営テレビのキャスターがここまで国にたてついたとなれば、彼女だって無傷では済まないだろう。それなりの覚悟があって協力してくれたのであろうが、なんだかアンジョリーヌのキャリアを汚してしまったようで申しわけなく思う。
「でも、監視カメラが相手ならばごまかせると思った。得てして解像度がそこまで高いわけでもないし、保険としてかけておくには、それで充分だと思ったのよ」
姫乙対策として、芽衣達はアリバイを確保しながらも、あらかじめ撮影した映像と同じように、教室から視聴覚室に向かうという芝居を打った。また、生首の小道具をあらかじめ運び込み、香純の死を偽装した。あくまでもこれらは姫乙対策である。
「――あらかじめ撮影した映像でアリバイを作る。それはこの姫乙も知っていた。実際、監視カメラなんてものは確認すらしていない。お前が言った通りの方法で、越井香純が殺害されたものだと思っていたから。信じていたからこそ、余計なことはしなかった」
姫乙は淡々と平坦な口調で言葉を並べる。そこに感情なんてものは感じられない。追い詰められて狼狽している様子もなければ、この状況を覆そうとする必死さもない。まるで悟ったような――むしろ開き直ったような印象を受けた。
「なんにせよ、もう言い逃れはできないわよね? あなたは安藤君の解答に対して、それが正解であると判断を下してしまった。実際のところ私は越井さんを殺していないし、越井さんも死んではいない。それなのにあなたは、越井さんを殺害したのは私――大槻芽衣であるという安藤君の答えを正解とした。つまり【糾弾ホームルーム】そのものの信憑性が、ここで大きく崩れたのよ」
芽衣の真の狙い。それは――姫乙によるミスジャッジの誘発だったのだ。香澄を殺害したように見せかけ、姫乙の目をかい潜ることで、姫乙のミスジャッジを促した。
「ジャッジが正当に下されないなんて、もう【糾弾ホームルーム】は信頼ならない。私達は即刻の中止を求めるわ」
「うちの美術にお願いして、この学校の外壁と同じ素材で、生首の小道具を作ってもらったのよ。もちろん、そこまで時間をかけられないから、正面から見れば一発で偽物だと分かるようなクオリティーになってしまったけど」
アンジョリーヌの告白が、姫乙をさらに無表情にさせる。国営テレビのキャスターがここまで国にたてついたとなれば、彼女だって無傷では済まないだろう。それなりの覚悟があって協力してくれたのであろうが、なんだかアンジョリーヌのキャリアを汚してしまったようで申しわけなく思う。
「でも、監視カメラが相手ならばごまかせると思った。得てして解像度がそこまで高いわけでもないし、保険としてかけておくには、それで充分だと思ったのよ」
姫乙対策として、芽衣達はアリバイを確保しながらも、あらかじめ撮影した映像と同じように、教室から視聴覚室に向かうという芝居を打った。また、生首の小道具をあらかじめ運び込み、香純の死を偽装した。あくまでもこれらは姫乙対策である。
「――あらかじめ撮影した映像でアリバイを作る。それはこの姫乙も知っていた。実際、監視カメラなんてものは確認すらしていない。お前が言った通りの方法で、越井香純が殺害されたものだと思っていたから。信じていたからこそ、余計なことはしなかった」
姫乙は淡々と平坦な口調で言葉を並べる。そこに感情なんてものは感じられない。追い詰められて狼狽している様子もなければ、この状況を覆そうとする必死さもない。まるで悟ったような――むしろ開き直ったような印象を受けた。
「なんにせよ、もう言い逃れはできないわよね? あなたは安藤君の解答に対して、それが正解であると判断を下してしまった。実際のところ私は越井さんを殺していないし、越井さんも死んではいない。それなのにあなたは、越井さんを殺害したのは私――大槻芽衣であるという安藤君の答えを正解とした。つまり【糾弾ホームルーム】そのものの信憑性が、ここで大きく崩れたのよ」
芽衣の真の狙い。それは――姫乙によるミスジャッジの誘発だったのだ。香澄を殺害したように見せかけ、姫乙の目をかい潜ることで、姫乙のミスジャッジを促した。
「ジャッジが正当に下されないなんて、もう【糾弾ホームルーム】は信頼ならない。私達は即刻の中止を求めるわ」
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