糾弾ホームルーム！ ―ぼくたち、わたしたちの主張―

＃4 放課後殺人ショー【糾弾ホームルーム篇】

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「それも駄目でしょうねぇぇぇ。例えばぁ、映像をお借りするとなればぁ、国営テレビさんに用意してもらわねばならないですよねぇ？　むろん、こちらからそれをお願いしてぇ、どんなに急いだってメディア媒体が届くのに、しばらくの時間は要するでしょう。何がよろしくないって、やろうと思えば映像を細工することだって可能なはずでしょう？　なんというか信頼できないんですよねぇぇぇ」

　アンジョリーヌのことをどこまで警戒しているのであろうか。確かに映像に細工をすることは可能かもしれないが、それはいわば国営テレビぐるみでやらねばならないことだ。確かに芽衣はアンジョリーヌに協力を求めたのかもしれないが、売れっ子の看板キャスターであるアンジョリーヌにだってできることに限りはある。国営テレビごとを巻き込んで政府に刃向かうような真似はできないだろう。やろうとしても、国営テレビのほうが動いてはくれないと思われる。

「だったら生テープは？　さっきの映像は生放送だったけど、普通は何かあった時のために映像そのものを録画したりするものじゃないの？」

　芽衣の問いかけは姫乙ではなく、テレビクルーへと向けられたものだ。すると、しばらくしてからカメラマンの――確か阿部と呼ばれていた男が頷いた。

「あぁ、後で特番を組むなんてことになった時に、生放送の映像を垂れ流していただけ――ってわけにはいかないからな。放送された映像を局のほうが保管するのはもちろんのこと、現場を撮影しているほうも、常にテープは回しているよ」

　テレビ業界のことには詳しくないし、生放送だとかの仕組みがどうなっているのかも分からない。ただ、仮に生放送であったとしても、その映像を記録として残しておくのは、なんとなく分かるというか、セオリーのような気がする。芽衣はゆっくりと姫乙のほうへと視線を戻した。

「姫乙、あのカメラは爆発に巻き込まれて不調になってしまった。それにくわえて、テレビ局の編集室ならばまだしも、ここは私達の学校よ。何が言いたいかって、そこにあるビデオカメラに入っているテープに細工するための時間や隙もなかったし、仮にそんなものがあっても場所が学校では、細工のしようがないってこと――。すなわち、そのカメラに入っているテープに記録された映像ならば、細工される心配もないし絶対的な証拠材料になるってことよ」

　今現在、カメラの中にあるテープは、誰にも細工できない絶対的な存在であり、ほれならば証拠として通る。芽衣はそう言いたいのであろう。