糾弾ホームルーム！ ―ぼくたち、わたしたちの主張―

＃4 放課後殺人ショー【糾弾ホームルーム篇】

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　アベンジャーの正体を暴くことができれば、今回の【糾弾ホームルーム】も切り抜けることができる。逆にアベンジャーの正体を暴くことができなければ、結果的に死ぬ。これは最初から一貫された基本的なルールだといえよう。アベンジャーがどんなことを願っても、姫乙の手によってクラス全滅という結末に収束してしまうことも立証された。

「それではぁ、これより【糾弾ホームルーム】を始めるとしますかぁぁぁ。国営テレビの方々も準備はよろしいでしょうか？　せっかくカメラを準備したのですからぁ、あますところなくぅ、撮影をしていただきたいものですぅ」

　姫乙がアンジョリーヌ達のほうへと視線を移す。言われずとも撮影は続行することであろう。少し中継が途切れただけでも問い合わせが殺到するということは、少なからずとも【糾弾ホームルーム】が注目されている証拠。国営テレビの人間は、テレビマンとして――そして人として、今この瞬間を全国に伝える義務がある。カメラは決して止めない。

「えー、お聞きになられた通り、これから【糾弾ホームルーム】が始まります。今回の事件においては、クラス代表の大槻芽衣さんと一緒に、我々が事件現場の目撃者となりました。それはすなわち、視聴者のみなさまもまた、第一発見者であると言えるでしょう。果たして、視聴覚室で何が起こったのか、あれは誰の仕業だったのか。これより四度目のホームルームが開かれます」

　アンジョリーヌがカメラに向かって言った言葉を聞いて、もう【糾弾ホームルーム】が四度目であることを再認識させられる。最初は大勢いたクラスメイト――それぞれのカーストを認識し、あるべきポジションに収まっていたはずの２年４組も、その数を随分と減らしてしまった。カーストという古い制度も撤廃された。

　今や生き残りはわずか。男子は本田と小宮山、そして安藤。女子のほうは芽衣に小雪、真綾に舞。かつては20人以上いたはずの人数が、ほんの数名までに減ってしまった。あえてここで縁起を担ぐのであれば、生き残っている人数はラッキーセブン――と言ったところか。いいや、アベンジャーとして追放されてしまった坂崎を含めると、末広がりの縁起の良い数字にもなる。

「ではぁ、説明するまでもありませんが制限時間はいつも通り１時間とさせていただきますぅ」

　教壇で宣言した姫乙は、いつも通りに懐中時計を取り出して時間を確認すると、わきにはけてパイプ椅子へと座った。ここから１時間――また生と死をかけた討論を行わねばならない。