糾弾ホームルーム！ ―ぼくたち、わたしたちの主張―

＃4 放課後殺人ショー【復讐篇】

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　舞は何も言わなかったものの、こちら側の意思を伝えるには真綾達の主張だけで充分だったようだ。男子が口を開く前に「分かりましたよぉぉぉ」と、姫乙は早めの降参をした。

「ならばぁ、そちらから提案していただいた案を採用しましょう。今すぐにカメラ機材のほうを政府で手配しますぅ。まぁ、早ければ一時間もあれば物が届くと思いますからぁ、そこからセッティング的なものをしてもらって、準備ができ次第再開としますかぁ。今回は鑑識官達も手こずっているようですしぃ、食事――は無理に食べなくとも結構ですぅ。本当ならばぁ、準備が整うまで自由時間ということにしたいのですがぁ、その間に事件に関して諸君らで相談されても困りますのでぇ、見張りをつけて教室に監禁しまぁぁぁぁす。もちろん、私語は厳禁ですからねぇぇぇ」

　なんだか少しくたびれたような様子の姫乙。安藤達は言うことを聞かないし、政府の予算でカメラを急遽用意しなければならなくなった。もちろん、姫乙が金を出すわけではないだろうが、なんせ政府はお役所仕事だ。融通も効かず、面倒な感じなのであろう。

「ではぁ、私はカメラを早急に手配するとしましょう。兵隊の方々、彼らのことをしっかりと見張っておくように」

　姫乙は兵隊達にそう告げると、ふらふらとした足取りで教室を出て行った。こちらのわがままを貫き通す攻撃が通じたのかもしれない。姫乙は精神的に疲れている様子だった。

　姫乙が教室を後にすると、再びみんなで集まって相談――というわけにはいかない。芽衣も戻ってきたことだし、本音を言うのであれば彼女も交えて話し合いをしたいのであるが、けれども兵隊達が目を光らせている。さすがに露骨に話し合うことはできなかった。一瞬、メールでのやり取りも考えたが、やはりみんなが一斉にスマートフォンを取り出すのは不自然だ。一応、この学校内では個人のスマートフォンが使えないことになっているのだし。

「それにしても、カメラひとつでこの騒ぎ――。なんとかならないかしら？」

　無言が続く教室に、アンジョリーヌの声が響いた。兵隊が一斉に銃口を向けるが、彼女は平然としながら「私語が厳禁なのは生徒の方々だけじゃないの？」と返す。その辺りのことは姫乙も具体的なことを言っていなかった。ゆえに兵隊達も駄目だと決めつけることはできなかったのであろう。渋々といった様子で銃口を降ろす。

「アンジ、局の方にも連絡を入れておいたほうがいいんじゃないか？　こっちの機材トラブルのことは知らないだろうし、心配もしているだろう」