糾弾ホームルーム! ―ぼくたち、わたしたちの主張―

鬼霧宗作

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#4 放課後殺人ショー【復讐篇】

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 どこかで監視されているかのごとく、実にタイミング良く芽衣が教室に戻ってくる。ただ一人だけ現場に赴いた生徒であるし、ある程度の聴取を受けたのかもしれない。そして恐らく、同じように聴取を受けたのであろう。アンジョリーヌを筆頭とした国営テレビのクルー達も、ようやく教室の中へとやってきた。もっとも、すぐにカメラを回す気はないようで、簡単な打ち合わせらしきものを始めた。カメラを回すのは姫乙が戻ってきてからであろう。

「阿部さん、どう? カメラの調子は」

 真っ先にアンジョリーヌが口にしたのは、カメラマンが担いでいるカメラのことだった。爆発に巻き込まれかけたわけだし、その際にカメラが破損していても不思議ではない。そんなことを考えつつ、自然とアンジョリーヌ達の打ち合わせに耳を傾ける安藤達。

「やっぱり駄目だな。撮影を続行するためには、代わりのカメラを調達しないと――」

 実のところ裏でアンジョリーヌ達と繋がっているのを知っているのは、この中の面子だけでいうと本田と安藤、そして芽衣だ。他の人間はアンジョリーヌ達と繋がりがあるなんて思ってもいないことだろう。ちなみに、芽衣がアンジョリーヌ達を呼びつけてまでお願いしたことも、安藤と本田にはオフレコという形を取られてしまった。ゆえに、芽衣とアンジョリーヌ達が何を企んでいるのかは、具体的には知らない。何かしらのアクションを起こすだろう――安藤と本田には、その程度の認識しかなかった。

 蚊帳の外……というのは変な話だが、全てにおいて安藤と本田に与えられているのは最低限の情報だけ。他のクラスメイトに比べれば、色々と根幹の部分を知ってはいるのだが、こんなことならいっそのことなにも知らないほうが良いような気もする。

 坂崎が鑑識官として紛れ込んでいる。芽衣がなにかしらの策略を仕掛けている。そして、それにはアンジョリーヌ達も一枚噛んでいる。知っていることはあれども、しかし情報があまりにも少ない。これもまた芽衣の意図があるのかもしれないが、当事者として素直な意見を言わせてもらえば、実にもどかしい。

「他の機材は大丈夫? いざとなった時に使えないなんてことになったら洒落にならないわよ」

 よそ行きの顔ではない素のアンジョリーヌに促され、音声担当と照明担当の人間が機材を調べる。

「とりあえず音声機材と照明機材は問題ない。このまま撮影にのぞんでも大丈夫だ」
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