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#4 放課後殺人ショー【復讐篇】
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「な、なんだか冷たいね――。た、確か真下さんと越井さんって仲が良かったんじゃなかったっけ?」
その様子に違和感を抱いたのは安藤だけではなかったのだろう。小宮山が眼鏡のブリッジを押し上げながら問う。
「そういう風に見えてた? まぁ、関わりのない人達からすれば、そう見えても仕方がないか。実際はさ、なんていうか――勝手に真綾達について来てたっていうか、必死になって合わせてきてたってか。それが露骨に分かってたからさ、真綾のグループでも浮いてたんだよね。さっさと他のグループた入ればいいのにって思ってた」
香純がグループから浮いているように見えたのは、決して安藤の気のせいではなかったようだ。実際に彼女はグループ内で浮いていたらしい。
「あの、私――中学校から彼女と一緒だけど、みんなを裏切るような酷いことをする子じゃないと思うんだ。確かに、ちょっと背伸びしたがるところはあるけど」
「進藤って優しいんだね。香純はあんたのこと裏でボロクソ言ってたのに」
舞の言葉に間髪入れずに真綾が返し、それに対して「えっ?」と声を上げて固まる舞。みるみるうちに顔色が悪くなる。今はそんなことを話している場合ではないのだが、こういう時の女子というのは恐ろしい。本田ですら口を挟めないでいるようだった。
「あんた達、中学校の時は親友だったらしいじゃん。香純は否定してたけどさ、他の同じ中学校出身のやつに聞いたことあるんだよねぇ。あいつ高校デビュー組だってのを必死に隠そうとしてたんだって? なんか話をしていてもズレるし、ノリも違うしさ――真綾、誰とでも仲良くできるけど、あいつだけはちょっとウザいって思ってたし、裏切り者だって言われても、なんか納得できちゃうんだよね。裏ではかつての親友のことをさボロクソに言うようなやつだし。あ、言っておくけど真綾的には進藤は小動物みたいで好きだから」
並べ立てられた酷な言葉に、最後のフォローなんて焼け石に水だった。舞はすっかりとしょげてしまったようで、弱々しく「そうなんだ――」と漏らすと、そこから一言も喋らなくなってしまった。なんだか空気が重たくなる。その空気を払拭するかのように口を開いたのは、少し離れた席に座った小雪だった。
「仮に――。越井さんが裏切り者だったとして、今回の事件を起こしたアベンジャーは、その事実を知っていたことになる。でも、どうやって知り得たのかしらね? 今の材料だけじゃ、越井さんを裏切り者だと決めつけることなんてできないはずよ」
その様子に違和感を抱いたのは安藤だけではなかったのだろう。小宮山が眼鏡のブリッジを押し上げながら問う。
「そういう風に見えてた? まぁ、関わりのない人達からすれば、そう見えても仕方がないか。実際はさ、なんていうか――勝手に真綾達について来てたっていうか、必死になって合わせてきてたってか。それが露骨に分かってたからさ、真綾のグループでも浮いてたんだよね。さっさと他のグループた入ればいいのにって思ってた」
香純がグループから浮いているように見えたのは、決して安藤の気のせいではなかったようだ。実際に彼女はグループ内で浮いていたらしい。
「あの、私――中学校から彼女と一緒だけど、みんなを裏切るような酷いことをする子じゃないと思うんだ。確かに、ちょっと背伸びしたがるところはあるけど」
「進藤って優しいんだね。香純はあんたのこと裏でボロクソ言ってたのに」
舞の言葉に間髪入れずに真綾が返し、それに対して「えっ?」と声を上げて固まる舞。みるみるうちに顔色が悪くなる。今はそんなことを話している場合ではないのだが、こういう時の女子というのは恐ろしい。本田ですら口を挟めないでいるようだった。
「あんた達、中学校の時は親友だったらしいじゃん。香純は否定してたけどさ、他の同じ中学校出身のやつに聞いたことあるんだよねぇ。あいつ高校デビュー組だってのを必死に隠そうとしてたんだって? なんか話をしていてもズレるし、ノリも違うしさ――真綾、誰とでも仲良くできるけど、あいつだけはちょっとウザいって思ってたし、裏切り者だって言われても、なんか納得できちゃうんだよね。裏ではかつての親友のことをさボロクソに言うようなやつだし。あ、言っておくけど真綾的には進藤は小動物みたいで好きだから」
並べ立てられた酷な言葉に、最後のフォローなんて焼け石に水だった。舞はすっかりとしょげてしまったようで、弱々しく「そうなんだ――」と漏らすと、そこから一言も喋らなくなってしまった。なんだか空気が重たくなる。その空気を払拭するかのように口を開いたのは、少し離れた席に座った小雪だった。
「仮に――。越井さんが裏切り者だったとして、今回の事件を起こしたアベンジャーは、その事実を知っていたことになる。でも、どうやって知り得たのかしらね? 今の材料だけじゃ、越井さんを裏切り者だと決めつけることなんてできないはずよ」
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