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#4 放課後殺人ショー【復讐篇】

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 そのダイレクトな表現に、現場を想像してしまったのか、舞が小さく嗚咽を漏らした。

「とにかくぅ、もう少ししたら食事を配膳しまぁぁぁす。それまで諸君らはしばらく待機ということでお願いしまぁぁぁす聞きたいことがありますのでぇ、姫乙と一緒に来てくださいぃぃ」

 姫乙はそう言うと芽衣に手招きをし、手招きをされた芽衣は安藤達に向かって小さく頷くと、そのまま姫乙に続いて教室を後にした。

 鑑識官が調査に手間取ってしまうのは仕方がないだろう。なんせ、現場は爆弾らしきもので爆破されてしまったのだ。あの爆発音と地を這うような振動は、思っていたよりも重々しいものだった。

 安藤は状況を整理する。ある嫌な予感を払拭するために、現段階で何度も繰り返していたことだった。それでも改めて状況整理を始めてしまうということは、まだ心の根底部分で、嫌な予感が払拭できていないのであろう。

 香純の姿がないことに気づいたのは、帰りのホームルームが始まる直前のことだった。別に点呼なんてものはとらないが、これだけ人数が減ってしまえば、誰かがいないことはすぐに分かってしまう。しばらく待ってみたが、しかし香純はなかなか戻ってはこなかった。

 たまたま席が香純の後ろのほうである芽衣が、彼女の机の中に封書が入っていることに気づいた。普段の学校生活ならばまだしも、こんな特殊な学校生活では、ほとんど机の中なんて使わない。いつもならば安藤も教科書やらをぶち込んでおくのであるが、今は空っぽである。だからこそ変に封書が目立って見えた――とは芽衣の話である。こんな環境下に置かれているから、神経が敏感になってしまっているのかもしれない。ささいな変化にさえ気づいてしまうというか、妙に勘が冴えていたのであろう。

 芽衣が封書を見つけた時点で、教室には香純以外の全員がいた。帰りのホームルームを行うために姫乙まで一緒にいたのだ。後になって国営テレビの映像で決定的になるのだが、香純が教室を離れた後に教室を出た者は一人もいなかった。

 封書の内容を確認し、安藤達は香純の身に危険が迫っていることを察した。すぐにでも視聴覚室に向かうべきだと声が上がったのだが、そこで芽衣が提案をする。

 ぞろぞろと視聴覚室に向かっても仕方がない。自分が代表として様子を見てくるから、ちょっと待っていて欲しい――と。

 芽衣の意見に誰かが物申す前に、真っ先に手を挙げたのがアンジョリーヌだった。その提案は実にシンプルであり、芽衣と一緒に視聴覚室の様子を見に行きたいというもの。もちろん、その道中を生放送で放送することも明言して、姫乙からの許可を得た。アンジョリーヌが声を上げてくれたおかげで、声を上げ損なってしまった安藤達は、素直に代表者の芽衣に全てをお任せすることにしたのだった。
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