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#4 放課後殺人ショー【プロローグ】
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電子音らしきものがひっきりなしに鳴り続けている。芽衣の言葉を受けてカメラが退く。真っ先に動いたのがカメラだったのか、本来ならば映ってはいけないはずの音声と照明の姿が映り込んでしまった。そんな二人も画面外に逃げるかのごとく姿を消した。大槻芽衣もカメラに向かって走ってくるが、しかしアンジョリーヌが状況を理解できずに動けずにいることに気づいたのであろう。慌てて引き返し、アンジョリーヌの手を引いて駆け出した。ひときわ大きく、そしてこれまでとは様子の異なる電子音がした。
『伏せてっ!』
大槻芽衣がアンジョリーヌの腰へと手を回し、そしてカメラに向かって飛び込んできた。次の瞬間、画面いっぱいに閃光が走り、何も見えなくなった。それからほんのコンマ数秒後、激しい轟音が鳴り響き、そして画面は真っ暗になった。
全国に流通しているテレビのほとんどが、真っ暗な闇と冷たい静寂に包まれたことであろう。しばらくすると、国営テレビがわが用意したのか【しばらくお待ちください】とのテロップが画面に映し出された。
視聴覚室にあった生首は――やはり越井香純のものなのか。ほんの少しばかり映り込んだそれは、女性のものであるように思えたのであるが。そして、一体何が起きたのであろうか。察するに放送が途切れてしまったようだが、これであっさりとチャンネルを変えられる人間はいないだろう。むしろ何が起きたのか気になって仕方がない。
『阿部さん、いける?』
真っ暗な画面にアンジョリーヌの声が響く。時間差でカメラは廊下の床らしき風景を映し出した。
『あぁ、大丈夫そうだ』
『音声も問題なさそうだよ』
テレビクルーとアンジョリーヌとのやり取りが聞こえた後、カメラが廊下に立つアンジョリーヌと大槻芽衣の姿を捉える。その光景には明らかにこれまでと異なる点が含まれていた。彼女達の背後にあったはずの視聴覚室がなくなり、代わりにあるのは瓦礫の山だったのだ。その先に見えるのは――空だろうか。
『えー、大変失礼しました。先ほどですね、視聴覚室が突然爆発しました。この辺りのことは詳しく調査をしなければ分からないかと思いますが、恐らくは爆弾らしきものが仕掛けられていた模様です。わたくし共も詳しいことは把握できておりません。また詳しいことが分かり次第、放送を再開させていただこうと思います』
逃げるようにして無理矢理話を締めてしまったアンジョリーヌ。画面がパッと切り替わり、真面目そうな男性キャスターがニュースを読み上げ始めた。
このアンジョリーヌ達の放送が、後になって【国営テレビ史上最高の放送事故】と呼ばれることになるのは――もう少し先の話である。
『伏せてっ!』
大槻芽衣がアンジョリーヌの腰へと手を回し、そしてカメラに向かって飛び込んできた。次の瞬間、画面いっぱいに閃光が走り、何も見えなくなった。それからほんのコンマ数秒後、激しい轟音が鳴り響き、そして画面は真っ暗になった。
全国に流通しているテレビのほとんどが、真っ暗な闇と冷たい静寂に包まれたことであろう。しばらくすると、国営テレビがわが用意したのか【しばらくお待ちください】とのテロップが画面に映し出された。
視聴覚室にあった生首は――やはり越井香純のものなのか。ほんの少しばかり映り込んだそれは、女性のものであるように思えたのであるが。そして、一体何が起きたのであろうか。察するに放送が途切れてしまったようだが、これであっさりとチャンネルを変えられる人間はいないだろう。むしろ何が起きたのか気になって仕方がない。
『阿部さん、いける?』
真っ暗な画面にアンジョリーヌの声が響く。時間差でカメラは廊下の床らしき風景を映し出した。
『あぁ、大丈夫そうだ』
『音声も問題なさそうだよ』
テレビクルーとアンジョリーヌとのやり取りが聞こえた後、カメラが廊下に立つアンジョリーヌと大槻芽衣の姿を捉える。その光景には明らかにこれまでと異なる点が含まれていた。彼女達の背後にあったはずの視聴覚室がなくなり、代わりにあるのは瓦礫の山だったのだ。その先に見えるのは――空だろうか。
『えー、大変失礼しました。先ほどですね、視聴覚室が突然爆発しました。この辺りのことは詳しく調査をしなければ分からないかと思いますが、恐らくは爆弾らしきものが仕掛けられていた模様です。わたくし共も詳しいことは把握できておりません。また詳しいことが分かり次第、放送を再開させていただこうと思います』
逃げるようにして無理矢理話を締めてしまったアンジョリーヌ。画面がパッと切り替わり、真面目そうな男性キャスターがニュースを読み上げ始めた。
このアンジョリーヌ達の放送が、後になって【国営テレビ史上最高の放送事故】と呼ばれることになるのは――もう少し先の話である。
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