糾弾ホームルーム！ ―ぼくたち、わたしたちの主張―

＃3 罠と死体とみんなのアリバイ【糾弾ホームルーム篇】

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「話し合いの場をもった僕達は、そこである結論――これが正しいのか間違いなのかは別にして、ある共通認識を有することになる。それは……クラスメイト全員が実はアベンジャーなのではないか、というものだったんだ」

　第二のホームルームの後、小雪の家に集まった安藤達は、ある可能性に触れている。それは、誰がアベンジャーというわけではなく、全員がアベンジャーではないのかというものだった。それは、各々の自己申告ではあるが、正しいとも証明されたものだ。

「僕達はクラスメイト全員がアベンジャーであるという認識を持っていた。でも、この場にいなかった星野崎だけは、この認識を共有していなかったんだ。星野崎ただ一人だけ、クラスメイト全員がアベンジャーであるという認識を持っていなかったし、考えもしていなかったのだと思う」

　当然、あの場にいなかった星野崎だけは、その認識を知ることもできなかったし、安藤達と共有することもできなかった。

「――で、それが何だと言うのですかぁ？　この姫乙にも分かるようにぃぃぃぃ、説明していただけませんかぁ？」

　姫乙は安藤の言葉の前に立ちはだかるかのごとく、実にわざとらしく声を上げる。その態度の裏にあるのは焦り――焦燥感のような気がした。

「だったら考えてみよう。まず、今回のアベンジャーの願いには、どんな狙いがあったのか――。アベンジャーを含む２年４組全員皆殺し。これを文字通りに解釈すればいい。つまり、自身を含む２年４組の全滅こそがアベンジャーの狙いだったと思われる」

「ならばぁ、２年４組全員皆殺し――とだけ願えば良かったのではぁ？」

　姫乙が口を挟んでくるが、即座に切り返す安藤。

「それだと……他のアベンジャーが生き残ってしまう恐れがある。星野崎は自分以外にもアベンジャーがいるんじゃないかという疑いは持っていたんだと思う。そして、アベンジャーは全てにおいて優遇されるようになっている。だから、しっかりとアベンジャーを含むという文言を入れておかねばならないと考えたんじゃないかな？」

　アベンジャーは理由もなく優遇されており、単純に２年４組全員皆殺しという文言だけでは、アベンジャーが優遇されて適用されない可能性があった。恐らく最初のホームルームで、姫乙がそれに似たような話をしていたのを覚えていたのであろう。

「――説明下手か。安藤君、もう少し姫乙の心に響くようにご説明いただかないとぉ、この姫乙も納得できませんよぉぉぉ」