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#3 罠と死体とみんなのアリバイ【糾弾ホームルーム篇】
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姫乙ジャッジメントだかなんだか知らないが、もったいぶる意味が分からない。正解か不正解か。知りたいのはただそれだけであり、引っ張るだけ引っ張ったところで誰も得はしない。強いて言うのならば、姫乙自身が良い気分になれるくらいか。
「姫乙ぁぁぁぁぁぁぁ――」
姫乙が必要以上に溜めを作り、そしてちらりとこちらを見る、そのままカメラのほうへと視線を移し、見ていられないほど格好の悪いポーズを決める。本人は恥ずかしくないのだろうか。
「ジャッジメントォォォォォォッ!」
安藤の答えは正しいのか間違いなのか。2年4組は生き延びることができるのか、それともここで全滅か。それら全てが姫乙の一言にかかっていると思うと、なんだかげんなりとする。でも、それが事実なのだ。この場にいる人間で正解を知っているのは、恐らく姫乙一人だけなのだから。
まだ引っ張る。次々とポーズを変え、その度に表情がコロコロと変わる。完全にこちらのことを馬鹿にしている顔芸だ。でも、それは精一杯の虚勢なのかもしれない。またしても、まんまと正答を導き出された負け惜しみなのかもしれないのだ。
静寂。誰もが固唾を飲んで見守る場面。日本の誰よりも姫乙が注目される一瞬だ。果たして安藤の推測は正しかったのか否か。審判が下される。
どれだけの人がこれを見ているのかは分からない。どんな風に思っているのかも分からない。ネットが発達した現在においても、その書き込みが検閲され、そして場合によっては反逆罪で捕まるなんて国は大日本帝国だけだろう。でも、きっと注目はされているはずだ。多くの人が見守ってくれているはずだ。
ひとつひとつの声は小さいのかもしれない。言論の自由なんてものは、あってないような大日本帝国において、声の大きい人間が国に反抗すれば、確実に潰される。だからこそ、アンジョリーヌのやったことは賞賛されるに値する。彼女の今後が心配だ。
声なんて上げなくていい。表向きは大日本帝国民であってもらって構わない。でも、心のどこかで応援していて欲しいと思う。おかしいのは大日本帝国自体であることを分かっていてもらえばいい。一昔前のお国のためにという思想は――もう古い。
静寂は破られる。姫乙の高笑いによって。
「あっはっはっはっは! 安藤君、実に滑稽な答えでしたぁ。まさか、犯人は星野崎君自身である――なんて言い出すなんてぇ」
言葉をそこで区切ると、ふと真顔になって、表情ひとつ動かさずに口だけを動かす姫乙。
「あまりにも滑稽ですので、この答えにたどり着いた根拠をお聞きしていいですか? 正否の判定はその後にしますので」
「姫乙ぁぁぁぁぁぁぁ――」
姫乙が必要以上に溜めを作り、そしてちらりとこちらを見る、そのままカメラのほうへと視線を移し、見ていられないほど格好の悪いポーズを決める。本人は恥ずかしくないのだろうか。
「ジャッジメントォォォォォォッ!」
安藤の答えは正しいのか間違いなのか。2年4組は生き延びることができるのか、それともここで全滅か。それら全てが姫乙の一言にかかっていると思うと、なんだかげんなりとする。でも、それが事実なのだ。この場にいる人間で正解を知っているのは、恐らく姫乙一人だけなのだから。
まだ引っ張る。次々とポーズを変え、その度に表情がコロコロと変わる。完全にこちらのことを馬鹿にしている顔芸だ。でも、それは精一杯の虚勢なのかもしれない。またしても、まんまと正答を導き出された負け惜しみなのかもしれないのだ。
静寂。誰もが固唾を飲んで見守る場面。日本の誰よりも姫乙が注目される一瞬だ。果たして安藤の推測は正しかったのか否か。審判が下される。
どれだけの人がこれを見ているのかは分からない。どんな風に思っているのかも分からない。ネットが発達した現在においても、その書き込みが検閲され、そして場合によっては反逆罪で捕まるなんて国は大日本帝国だけだろう。でも、きっと注目はされているはずだ。多くの人が見守ってくれているはずだ。
ひとつひとつの声は小さいのかもしれない。言論の自由なんてものは、あってないような大日本帝国において、声の大きい人間が国に反抗すれば、確実に潰される。だからこそ、アンジョリーヌのやったことは賞賛されるに値する。彼女の今後が心配だ。
声なんて上げなくていい。表向きは大日本帝国民であってもらって構わない。でも、心のどこかで応援していて欲しいと思う。おかしいのは大日本帝国自体であることを分かっていてもらえばいい。一昔前のお国のためにという思想は――もう古い。
静寂は破られる。姫乙の高笑いによって。
「あっはっはっはっは! 安藤君、実に滑稽な答えでしたぁ。まさか、犯人は星野崎君自身である――なんて言い出すなんてぇ」
言葉をそこで区切ると、ふと真顔になって、表情ひとつ動かさずに口だけを動かす姫乙。
「あまりにも滑稽ですので、この答えにたどり着いた根拠をお聞きしていいですか? 正否の判定はその後にしますので」
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