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#3 罠と死体とみんなのアリバイ【復讐篇】
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全員にアリバイがある――。これは、クラスメイト全員が同じ見解であろう。なぜなら、ついさっきまで、本当にみんなで体育館前にいたのだから。ほんの少しばかり離れた人間もいたにはいたが、しかし星野崎のように道場のほうに向かった人間はいなかったはず。それなのに、星野崎は何者かに背中をボウガンで射抜かれた絶命した。これを不可解と言わずして、何を不可解というのだろうか。
「誰にも星野崎君は殺せなかった。でも、星野崎君が何者かに殺されたのは間違いない――」
分かるように説明しろ――と言いたげな本田の表情を察したのか、小宮山が口を開く。
「仮に星野崎君が自らボウガンで命を絶つにしても、背中を狙うことはできないからね。僕も他殺で間違いないと思うよ」
小宮山にしては、めずらしく的確なところをついたと思う。委員長として自分がやらねばならい――なんて責任感があるのかもしれない。そのおかげで思考が冴えるのは結構であるが、変な方向に空回りしないことを祈りたい。
「私も同意見ね。自分の背中をボウガンで撃ち抜くなんて器用な自殺の仕方は物理的に人間には不可能よ。よって、星野崎君は自殺ではないと断定できる。でも、実はみんなのアリバイが成立している時点で、星野先君が自ら命を絶ったと考えるのが、もっとも筋が通ってしまう考え方になってしまうのも事実。彼が自殺したのであれば、私達全員にアリバイがあっても事件は成立するからね」
自らの背中を狙ってボウガンで射抜く。そんな芸当は、普通の体の構造をした人間には絶対に不可能だ。もし、星野崎が劇的に体の柔らかい人間であったとすれば可能かもしれないが、その可能性はかなり低いと考えたほうがいい。そもそも、星野崎が自分で自分の背中を射抜いたとしたら、必ず現場に残っていなければならないものが存在する。
「けど、星野崎君が自殺ではないことを示す状況証拠はそれだけじゃない。もし、彼が自殺だとすれば、凶器も現場に残されていて然るべきだ。でも、凶器のボウガンらしきものは、星野崎君の近くには見当たらない。わざわざ自分を射抜いた後に、凶器を隠す余裕があったとも思えない。だから、ここには星野崎君以外の第三者が確実にいたということになる」
安藤達の見解はほぼ同じ。ざっと辺りを見回した限り、星野崎の命を奪ったものも含めて、ボウガンの矢が数本見つかっている。しかし、それを射出するための本体が見当たらないのだ。となると、第三者が星野崎を射殺した後、持ち去ったと考えるのが自然なのではないだろうか。
「誰にも星野崎君は殺せなかった。でも、星野崎君が何者かに殺されたのは間違いない――」
分かるように説明しろ――と言いたげな本田の表情を察したのか、小宮山が口を開く。
「仮に星野崎君が自らボウガンで命を絶つにしても、背中を狙うことはできないからね。僕も他殺で間違いないと思うよ」
小宮山にしては、めずらしく的確なところをついたと思う。委員長として自分がやらねばならい――なんて責任感があるのかもしれない。そのおかげで思考が冴えるのは結構であるが、変な方向に空回りしないことを祈りたい。
「私も同意見ね。自分の背中をボウガンで撃ち抜くなんて器用な自殺の仕方は物理的に人間には不可能よ。よって、星野崎君は自殺ではないと断定できる。でも、実はみんなのアリバイが成立している時点で、星野先君が自ら命を絶ったと考えるのが、もっとも筋が通ってしまう考え方になってしまうのも事実。彼が自殺したのであれば、私達全員にアリバイがあっても事件は成立するからね」
自らの背中を狙ってボウガンで射抜く。そんな芸当は、普通の体の構造をした人間には絶対に不可能だ。もし、星野崎が劇的に体の柔らかい人間であったとすれば可能かもしれないが、その可能性はかなり低いと考えたほうがいい。そもそも、星野崎が自分で自分の背中を射抜いたとしたら、必ず現場に残っていなければならないものが存在する。
「けど、星野崎君が自殺ではないことを示す状況証拠はそれだけじゃない。もし、彼が自殺だとすれば、凶器も現場に残されていて然るべきだ。でも、凶器のボウガンらしきものは、星野崎君の近くには見当たらない。わざわざ自分を射抜いた後に、凶器を隠す余裕があったとも思えない。だから、ここには星野崎君以外の第三者が確実にいたということになる」
安藤達の見解はほぼ同じ。ざっと辺りを見回した限り、星野崎の命を奪ったものも含めて、ボウガンの矢が数本見つかっている。しかし、それを射出するための本体が見当たらないのだ。となると、第三者が星野崎を射殺した後、持ち去ったと考えるのが自然なのではないだろうか。
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