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#2 ぼくとわたしと禁断の数字【糾弾ホームルーム篇】
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「いいか? これを他人事みたいに観てる奴らに言っておく! 朝陽はこんなことをする奴じゃねぇ! すげぇいい奴なんだよ! こんなことにさえならなければよ――強要なんてされなければよ、絶対人なんて殺さねぇんだ! 覚えとけっ!」
理不尽なことを突きつけられ、理不尽なことをやらされ、まるで見世物であるかのごとく、マスコミに追い回され――。やっていることは限定的に犯人が定められた殺人ゲームだ。本田の怒りに満ちた主張は、それに対する不満も含まれていたのだろう。
「行こうぜ。もう、どいつもこいつも気にすんな。俺達は俺達のやるべきことをやる。例え晒し者になってもだ」
こういう時こそ本田のようなタイプはリーダーシップを発揮するのかもしれない。いわゆる逆境に晒された時に力を発揮する天性のリーダー。本人にその気がないからリーダーの器には収まらないだけで、やろうと思えば多くの人間をまとめることができるのだろう。事実、本田の言葉はひとつひとつが心強く、マスコミにフラッシュを浴びせられても、前に進む力をくれた。
星野崎は母親の引き止められ、行軍から外れてしまった。本人にもそんな気はなかっただろうし、こうなっても仕方がないのかもしれない。少なくなってしまったからこそ、クラスメイト全員で坂崎を送ってやることに意義があるのだが。
安藤達に駆け寄るわけでもなく、ただ恨めしそうにこちらを睨みつけているだけの集団の存在に、ふと安藤は気付いた。官軍警察がずらりとならび、その集団を監視しているかのようにも見えた。あぁ、きっと殺されたクラスメイト達の親族関係者なのだろうな――と、安藤は直感的に思った。
沢山の人が傷付いている。多くの人が悲しんでいる。どうしてこんなことをしなければならないのか。どうしてこんなことを強要されなければならないのか。しかも、その光景をテレビで全国中継するなんて、もはや狂っているとしか言いようがない。
マスコミ達はしつこかった。学校の前を離れても、黙ったまま早足でついてくる。官軍警察はあくまでも学校前での抑止力のようで、誰もマスコミ陣を注意しなかった。前回はアンジョリーヌが一喝してくれたのであるが――。
「あの、安藤さん。今回もあなたのおかげで生き残ることができたわけですけど、現在のご心境などを――」
とうとう調子に乗り始めたのか、足早に追いつかれたかと思ったら、マイクを差し出された。もちろん答えてやる義理などないから黙っておく。
理不尽なことを突きつけられ、理不尽なことをやらされ、まるで見世物であるかのごとく、マスコミに追い回され――。やっていることは限定的に犯人が定められた殺人ゲームだ。本田の怒りに満ちた主張は、それに対する不満も含まれていたのだろう。
「行こうぜ。もう、どいつもこいつも気にすんな。俺達は俺達のやるべきことをやる。例え晒し者になってもだ」
こういう時こそ本田のようなタイプはリーダーシップを発揮するのかもしれない。いわゆる逆境に晒された時に力を発揮する天性のリーダー。本人にその気がないからリーダーの器には収まらないだけで、やろうと思えば多くの人間をまとめることができるのだろう。事実、本田の言葉はひとつひとつが心強く、マスコミにフラッシュを浴びせられても、前に進む力をくれた。
星野崎は母親の引き止められ、行軍から外れてしまった。本人にもそんな気はなかっただろうし、こうなっても仕方がないのかもしれない。少なくなってしまったからこそ、クラスメイト全員で坂崎を送ってやることに意義があるのだが。
安藤達に駆け寄るわけでもなく、ただ恨めしそうにこちらを睨みつけているだけの集団の存在に、ふと安藤は気付いた。官軍警察がずらりとならび、その集団を監視しているかのようにも見えた。あぁ、きっと殺されたクラスメイト達の親族関係者なのだろうな――と、安藤は直感的に思った。
沢山の人が傷付いている。多くの人が悲しんでいる。どうしてこんなことをしなければならないのか。どうしてこんなことを強要されなければならないのか。しかも、その光景をテレビで全国中継するなんて、もはや狂っているとしか言いようがない。
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「あの、安藤さん。今回もあなたのおかげで生き残ることができたわけですけど、現在のご心境などを――」
とうとう調子に乗り始めたのか、足早に追いつかれたかと思ったら、マイクを差し出された。もちろん答えてやる義理などないから黙っておく。
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