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#2 ぼくとわたしと禁断の数字【糾弾ホームルーム篇】
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郷野が解放された時と同じように、それぞれの両親、はたまた関係者らしき大人達が、安藤達のことを待っていた。自分の子が無事であることを、その目で確認した両親達は、こちらが坂崎を守ろうとする気持ちなんて知りもせずに、それぞれが駆け出した。
「奏多! 奏多! 無事で良かった!」
そう言って抱きついてきたのは父だった。そこそこ歳を重ねた息子からすれば、父から抱きつかれるなんてのは、むさ苦しくて堪ったものではない。なら母親ならば良いのかと問われたら、それはそれで困ると思う。思春期の延長線上にいる安藤達は、誰しもが両親とは微妙な関係性にある。こうして父に抱きつかれて、あぁ大事にされているんだなぁ――と、ようやく認識できる程度には、親との距離があるのだろう。
父親のハグから解放されると、安藤は辺りを見回した。本田の両親はいかにもという感じであり、小雪にいたっては親というより家政婦のような人が数名やって来ていた。彼女の無事を喜んで全員が涙を流している。ご令嬢である彼女の両親は、やはり忙しいのだろうか。前回はそこまで気が回らなかったのか、初めて見る光景だった。
真綾の両親は、ぱっと見た感じ普通の親だった。きっと、その派手な化粧さえやめてしまえば、真綾もごくごく普通の顔なのであろう。星野崎のところには、テレビでも良く見る顔が駆け寄っており、息子の無事に涙を流していた。教育評論家だかなんだか知らないが、テレビに出ている有名人の息子が、今回の一件に巻き込まれている――なんて、マスコミからすらば随分と甘美な響きであろう。カメラもそちらのほうに向けられているような気がする。
小宮山の両親は、さすがは小宮山の両親といった感じ。2人ともが眼鏡をかけ、顔つきはどちらもそっくりだ。香純と舞のところには、2組の両親がいた。どうやら、その両親2組は知り合い同士のようであり、香純と舞の無事を喜んでいるように見えた。むしろ、香純と舞が仲良くしている場面は見たことがないし、タイプも完全に違う。ヒエラルキーの階層だって異なっている。けれども両親同士は仲が良さそうだ。もしかすると、安藤家と柿本家のような関係にあるのかもしれない。
芽衣の両親は――と思ったが、彼女は独りぼっちだった。他のみんなのように親が駆けつけて、喜んでくれている様子ではなかった。少しみんなから距離を置き、それぞれの家族を眺めているような気がした。その目が少しばかり寂しそうに見えたのは、安藤の気のせいではないだろう。
「奏多! 奏多! 無事で良かった!」
そう言って抱きついてきたのは父だった。そこそこ歳を重ねた息子からすれば、父から抱きつかれるなんてのは、むさ苦しくて堪ったものではない。なら母親ならば良いのかと問われたら、それはそれで困ると思う。思春期の延長線上にいる安藤達は、誰しもが両親とは微妙な関係性にある。こうして父に抱きつかれて、あぁ大事にされているんだなぁ――と、ようやく認識できる程度には、親との距離があるのだろう。
父親のハグから解放されると、安藤は辺りを見回した。本田の両親はいかにもという感じであり、小雪にいたっては親というより家政婦のような人が数名やって来ていた。彼女の無事を喜んで全員が涙を流している。ご令嬢である彼女の両親は、やはり忙しいのだろうか。前回はそこまで気が回らなかったのか、初めて見る光景だった。
真綾の両親は、ぱっと見た感じ普通の親だった。きっと、その派手な化粧さえやめてしまえば、真綾もごくごく普通の顔なのであろう。星野崎のところには、テレビでも良く見る顔が駆け寄っており、息子の無事に涙を流していた。教育評論家だかなんだか知らないが、テレビに出ている有名人の息子が、今回の一件に巻き込まれている――なんて、マスコミからすらば随分と甘美な響きであろう。カメラもそちらのほうに向けられているような気がする。
小宮山の両親は、さすがは小宮山の両親といった感じ。2人ともが眼鏡をかけ、顔つきはどちらもそっくりだ。香純と舞のところには、2組の両親がいた。どうやら、その両親2組は知り合い同士のようであり、香純と舞の無事を喜んでいるように見えた。むしろ、香純と舞が仲良くしている場面は見たことがないし、タイプも完全に違う。ヒエラルキーの階層だって異なっている。けれども両親同士は仲が良さそうだ。もしかすると、安藤家と柿本家のような関係にあるのかもしれない。
芽衣の両親は――と思ったが、彼女は独りぼっちだった。他のみんなのように親が駆けつけて、喜んでくれている様子ではなかった。少しみんなから距離を置き、それぞれの家族を眺めているような気がした。その目が少しばかり寂しそうに見えたのは、安藤の気のせいではないだろう。
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