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#2 ぼくとわたしと禁断の数字【糾弾ホームルーム篇】
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芽衣の言葉に頷くと、改めてスマートフォンを掲げるアンジョリーヌ。本当なら、このクライマックスを全国に伝える義務があるのかもしれないが、アンジョリーヌとて人間だ。いち個人として、今後の展開を見守りたかったのであろう。ずっと無言だった。
『――どいつもこいつも』
「ストップ。もう一度、最初から」
アンジョリーヌが音声データを流し始めると同時に、口を挟むかのように音声データを止めるように指示する芽衣。その意図に気付いたのか、アンジョリーヌは苦笑いを浮かべて「事実は小説よりなんとやら――ね。本当に信じられない」と、カメラが回っているというのに、プライベートの彼女のほうで呟き落とした。
『どいつも――』
改めて音声データを再生させたアンジョリーヌは、芽衣が口を挟む前に勝手に止める。もうここまで来れば、この偶然の一致が必然的なものだったことに誰もが気付くであろう。むしろ、これが偶然だと証明するほうが難しい。
「もう、みんなも分かったよね? 坂崎君の言葉の冒頭三文字――それが、ある国名になっているんだ。最初は、こんな駄洒落みたいなことがあって堪るかって思ったんだけど、もう姫乙との間でやり取りされたサインにしか聞こえなくなってしまって」
ゲームの【デスナンバー】は【ナンバーキーパー】が決定する。それはルールの基本的な部分であったが、しかしどのようにしてゲームマスターとなる姫乙に【デスナンバー】を提示するかは、明確な決まりがなかった。一戦目は事前に姫乙と【ナンバーキーパー】の間で【デスナンバー】の打ち合わせは済んでいた。二戦目は、全員が【デスナンバー】を決めるという手段を用いて提示することにより、姫乙に【ナンバーキーパー】が【デスナンバー】を伝える機会が与えられた。その中で【ナンバーキーパー】は、自分が有利になるために事前に打ち合わせていたのだ。
――言葉の冒頭で国名を伝え、そして同じ言葉の中でナンバーを提示する。もちろん、ナンバーの伝え方は、冒頭で伝えた国の言語で伝える。
もし姫乙と【ナンバーキーパー】の間にそのような取り決めがあったとしたら――いや、この状況から考えるに、そのような取り決めがあったとしか思えないのだ。
「――ドイツ。ひひひひひひっ。子どもじみたやり方だけど、うまい具合にやったなぁ」
星野崎が壁を見つめながら呟き、坂崎の顔色はさらに悪くなる。そう――箱を開けてみれば答えは簡単。坂崎はドイツ語にて【デスナンバー】を姫乙に伝えただけなのだ。
『――どいつもこいつも』
「ストップ。もう一度、最初から」
アンジョリーヌが音声データを流し始めると同時に、口を挟むかのように音声データを止めるように指示する芽衣。その意図に気付いたのか、アンジョリーヌは苦笑いを浮かべて「事実は小説よりなんとやら――ね。本当に信じられない」と、カメラが回っているというのに、プライベートの彼女のほうで呟き落とした。
『どいつも――』
改めて音声データを再生させたアンジョリーヌは、芽衣が口を挟む前に勝手に止める。もうここまで来れば、この偶然の一致が必然的なものだったことに誰もが気付くであろう。むしろ、これが偶然だと証明するほうが難しい。
「もう、みんなも分かったよね? 坂崎君の言葉の冒頭三文字――それが、ある国名になっているんだ。最初は、こんな駄洒落みたいなことがあって堪るかって思ったんだけど、もう姫乙との間でやり取りされたサインにしか聞こえなくなってしまって」
ゲームの【デスナンバー】は【ナンバーキーパー】が決定する。それはルールの基本的な部分であったが、しかしどのようにしてゲームマスターとなる姫乙に【デスナンバー】を提示するかは、明確な決まりがなかった。一戦目は事前に姫乙と【ナンバーキーパー】の間で【デスナンバー】の打ち合わせは済んでいた。二戦目は、全員が【デスナンバー】を決めるという手段を用いて提示することにより、姫乙に【ナンバーキーパー】が【デスナンバー】を伝える機会が与えられた。その中で【ナンバーキーパー】は、自分が有利になるために事前に打ち合わせていたのだ。
――言葉の冒頭で国名を伝え、そして同じ言葉の中でナンバーを提示する。もちろん、ナンバーの伝え方は、冒頭で伝えた国の言語で伝える。
もし姫乙と【ナンバーキーパー】の間にそのような取り決めがあったとしたら――いや、この状況から考えるに、そのような取り決めがあったとしか思えないのだ。
「――ドイツ。ひひひひひひっ。子どもじみたやり方だけど、うまい具合にやったなぁ」
星野崎が壁を見つめながら呟き、坂崎の顔色はさらに悪くなる。そう――箱を開けてみれば答えは簡単。坂崎はドイツ語にて【デスナンバー】を姫乙に伝えただけなのだ。
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