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#2 ぼくとわたしと禁断の数字【糾弾ホームルーム篇】

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 とにもかくにもロスタイムに焦りを覚えていた教室が、飢えた狼のごとく安藤に視線を向ける。いつタイムオーバーを迎えるかも分からない状態で、わざわざ【デスナンバー】の洗い出しまで行ったのだ。安藤と芽衣に求められるのは結果であり、みんなの意識が鋭くなって突き刺さるのは仕方のないことであろう。

「もう1人だけ【3】を【デスナンバー】に指定していた人物がいたぁ? でも――今さっき洗い出してみたけど【3】を【デスナンバー】に指摘していたのは越井と小宮山だけじゃないかぁ? て、適当なこと抜かしてんなよぉ――昼安藤」

 まるで他人事のように、ずっと教室の片隅でニヤついていた星野崎。ならば、いっそのこと議論にも加わらず、返事もしない壁に向かってぶつぶつと呟いていて欲しいところであるが、そう都合良くはいかない。なによりも、星野崎から昼安藤呼ばわりされるのが面白くなかった。けれども、星野崎に反応を示して揉めるのは時間の無駄であるため、意見だけを拾い上げて話を進める。

「そこが今回の肝なんだよ――。つまり【ナンバーキーパー】は、僕達には他の数字を【デスナンバー】に指定したと見せかけて、実は【3】を【デスナンバー】に指定していたんだ。ある方法をつかってね」

 もう、いつタイムオーバーになってしまうのか分からない。だから、安藤はここで核心へと踏み込んだ。ついさっきまで安藤自身もたどり着けていなかった答え。芽衣に意見を聞かれ、なかば偶然のごとく見つけた答え――けれども、振り返って考えてみると、見落としていた材料がそこにはあったのだ。

「姫乙。ひとつ確認したい。良くも悪くも、姫乙はしっかりとルールは守る。だから、今回も僕達が【ナンバーキーパー】にたどり着けるように、さりげなく奇妙な発言をしていた。それは、注意していなければ簡単に聞き逃してしまいそうな発言。でも――意図的に材料は提示されていた。そうだろ?」

 もう時間がないことは分かっていたのだが、しかしあえて姫乙には確認しておきたかった。

「さぁ? なんの話でしょうねぇ?」

 はぐらかされることなんて最初から分かっていたし、どうせ軽くあしらわれてしまことなど、分かりきったことだったのに。

「昼安藤! 面倒だからよ、さっさと答えだけ言え。答えだけ。それが多数決よりも納得のいく答えだったとしたら、それを俺達の答えってことにしてやる!」

 相変わらず上から目線であるが、けれども本田を納得させてしまえば、クラスにかなりの影響を与えるであろう。でも――安藤はほんの少しだけ迷ってしまった。
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