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#2 ぼくとわたしと禁断の数字【糾弾ホームルーム篇】

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 そうなのだ。よくよく考えてみれば、全くもってその通り。そもそも素直にみんなの前で【デスナンバー】を指定する行為そのものが、いわば自殺行為のようなもの。事実、素直に【デスナンバー】を指定してしまった香純と小宮山が疑われてしまっているではないか。

「大槻さん。君の直感は間違っていないよ。僕はずっと、この流れが安直に思えて仕方がなかったんだけど、それもそのはず。みんなの前で【デスナンバー】を決めなければならない時点で――そもそも素直に数字を口にする時点で、かなり安直なんだから。僕が【ナンバーキーパー】だったら、そこで間違いなくひと工夫入れてたと思う。その時の状況さえも利用してただろう」

 香純か小宮山のいずれかが【ナンバーキーパー】である。これの根拠は当然ながら2人が【3】を【デスナンバー】に指定したからだ。だからこそ安藤はそこに安直さを感じていた。

 今回の事態――特別なルールが導入されたことは【ナンバーキーパー】にだって不測の事態だったはず。それゆえに、そこまで捻りの効いた策を練り出すことはできなかったはずであるし、そんな時間もなかっただろう。すなわち【ナンバーキーパー】がやれることには限度があるのだ。前もって準備をすることもできなければ、その場で考える暇もなかった。だから、少し考えただけで安藤には分かってしまったのだ。

「誰もが【デスナンバー】をみんなの前で公表しなければならなかった。私達はそこから材料を探さねばならなかった。その状況そのものを【ナンバーキーパー】は利用しようとした――ってこと?」

 答えが分かってしまえば大したことがないのだが、まだ芽衣は答えにたどり着けていないのであろう。しかしながら、ロジック面においては、すでに答えを弾き出している安藤にしっかりついてくる。

「その通りさ。正確には、僕達が置かれている状況を利用して、僕達を欺こうとしたんだ。今からそれが誰なのかを明らかにするよ」

 安藤と芽衣の間でやり取りされるキャッチボールは、いずれ明確な根拠を伴いながら大きくなる。後はタイミングを見計らって、この大きくなったボールをぶつけてやるだけだ。

「みんな、聞いて欲しい――。たった今さっき【ナンバーキーパー】が誰だか分かったんだ。それは越井さんや委員長ではないし、ましてや大槻さんでもない。他にも、もう1人だけ【3】を【デスナンバー】として指定していた人物がいたんだよ。その人物こそが【ナンバーキーパー】なんだ」
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