168 / 468
#2 ぼくとわたしと禁断の数字【糾弾ホームルーム篇】
52
しおりを挟む
「さてぇ、次は星野崎君ですねぇ――。では、お好きな【デスナンバー】をどうぞぉ」
次々と【デスナンバー】が決まっていき、今度は星野崎の番。ほぼ間髪入れずに呟き落とされた言葉に、安藤は悪意を感じずにはいられなかった。
「じゃあ――【1】にしようかなぁ」
半笑いのように声を震わせつつ、明らかに安藤のほうに向かって勝ち誇ったかのような表情を見せる星野崎。どうやったら、ここまで人を不快にさせることができるのであろうか。むしろ聞いてみたいものである。
星野崎は分かっている上で【1】を【デスナンバー】に指定したのであろう。そうすることによって【ナンバーキーパー】が【1】を【デスナンバー】に指定するように誘導しているに違いない。しかし――順番的に最後のほうとなる星野崎には、そこまでの誘導力がない。なぜなら、彼の後に控えているのは本田と真綾だけであり、この2人のいずれかが【ナンバーキーパー】ではない限り、誘導もへったくれもないのだから。
もしかすると星野崎は、あえて【1】を【デスナンバー】に指定することで、自分が【ナンバーキーパー】ではないと証明しようとしているだけなのかもしれない。結果論に頼ることになってしまうが、これで安藤が無事でさえいれば、安藤自身はもちろんのこと、伊勢崎、舞、星野崎が【ナンバーキーパー】ではないことが確定する。そこまで考えて星野崎は【1】を【デスナンバー】に指定したのではないか。
「ぼ、僕を馬鹿にする奴は全員死ねばいいんだ――。ぜ、全員死ねよ」
できる限り前向きに考えてはみたが、ぶつぶつと呟く星野崎の言葉が耳に飛び込んできて、全てを台無しにしてくれた。もっとも、星野崎が今さら【1】を宣言したところで、そこまで影響がないことは事実だ。ここは複雑に考えずに、いつも通り存在そのものを含めて無視したほうが良さそうだ。
「次は本田君ですぅ。さてさて、かなりぃ、ナンバーが偏っているみたいですがぁ、大丈夫なのでしょうかねぇ?」
残るは本田と真綾であるが、果たして両者がどこまで考えて【デスナンバー】を決めてくれるかだ。できることならば根拠のある数字を出して欲しいものだが、果たして――。
「なんか面倒臭ぇしよ、あれだ――【18】でいいや。今月の18日は俺の誕生日だしよ」
期待はしていなかったが、なんとも考えなしで安直な決めかたなのであろうか。もっとも、ある意味では本田と真綾が最後のほうに固まってくれて良かったのかもしれない。本田の安直な【デスナンバー】の決めかたにさえ、根拠を生み出してくれるのだから。
次々と【デスナンバー】が決まっていき、今度は星野崎の番。ほぼ間髪入れずに呟き落とされた言葉に、安藤は悪意を感じずにはいられなかった。
「じゃあ――【1】にしようかなぁ」
半笑いのように声を震わせつつ、明らかに安藤のほうに向かって勝ち誇ったかのような表情を見せる星野崎。どうやったら、ここまで人を不快にさせることができるのであろうか。むしろ聞いてみたいものである。
星野崎は分かっている上で【1】を【デスナンバー】に指定したのであろう。そうすることによって【ナンバーキーパー】が【1】を【デスナンバー】に指定するように誘導しているに違いない。しかし――順番的に最後のほうとなる星野崎には、そこまでの誘導力がない。なぜなら、彼の後に控えているのは本田と真綾だけであり、この2人のいずれかが【ナンバーキーパー】ではない限り、誘導もへったくれもないのだから。
もしかすると星野崎は、あえて【1】を【デスナンバー】に指定することで、自分が【ナンバーキーパー】ではないと証明しようとしているだけなのかもしれない。結果論に頼ることになってしまうが、これで安藤が無事でさえいれば、安藤自身はもちろんのこと、伊勢崎、舞、星野崎が【ナンバーキーパー】ではないことが確定する。そこまで考えて星野崎は【1】を【デスナンバー】に指定したのではないか。
「ぼ、僕を馬鹿にする奴は全員死ねばいいんだ――。ぜ、全員死ねよ」
できる限り前向きに考えてはみたが、ぶつぶつと呟く星野崎の言葉が耳に飛び込んできて、全てを台無しにしてくれた。もっとも、星野崎が今さら【1】を宣言したところで、そこまで影響がないことは事実だ。ここは複雑に考えずに、いつも通り存在そのものを含めて無視したほうが良さそうだ。
「次は本田君ですぅ。さてさて、かなりぃ、ナンバーが偏っているみたいですがぁ、大丈夫なのでしょうかねぇ?」
残るは本田と真綾であるが、果たして両者がどこまで考えて【デスナンバー】を決めてくれるかだ。できることならば根拠のある数字を出して欲しいものだが、果たして――。
「なんか面倒臭ぇしよ、あれだ――【18】でいいや。今月の18日は俺の誕生日だしよ」
期待はしていなかったが、なんとも考えなしで安直な決めかたなのであろうか。もっとも、ある意味では本田と真綾が最後のほうに固まってくれて良かったのかもしれない。本田の安直な【デスナンバー】の決めかたにさえ、根拠を生み出してくれるのだから。
0
お気に入りに追加
84
あなたにおすすめの小説
魔法使いの国で無能だった少年は、魔物使いとして世界を救う旅に出る
ムーン
ファンタジー
完結しました!
魔法使いの国に生まれた少年には、魔法を扱う才能がなかった。
無能と蔑まれ、両親にも愛されず、優秀な兄を頼りに何年も引きこもっていた。
そんなある日、国が魔物の襲撃を受け、少年の魔物を操る能力も目覚める。
能力に呼応し現れた狼は少年だけを助けた。狼は少年を息子のように愛し、少年も狼を母のように慕った。
滅びた故郷を去り、一人と一匹は様々な国を渡り歩く。
悪魔の家畜として扱われる人間、退廃的な生活を送る天使、人との共存を望む悪魔、地の底に封印された堕天使──残酷な呪いを知り、凄惨な日常を知り、少年は自らの能力を平和のために使うと決意する。
悪魔との契約や邪神との接触により少年は人間から離れていく。対価のように精神がすり減り、壊れかけた少年に狼は寄り添い続けた。次第に一人と一匹の絆は親子のようなものから夫婦のようなものに変化する。
狂いかけた少年の精神は狼によって繋ぎ止められる。
やがて少年は数多の天使を取り込んで上位存在へと変転し、出生も狼との出会いもこれまでの旅路も……全てを仕組んだ邪神と対決する。
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
ソラのいない夏休み
赤星 治
ミステリー
高校二年の楸(ひさぎ)蒼空(そら)は、他校で同年の幼馴染み、三枝(さえぐさ)日和(ひより)から夏休みの自由研究で双木三柱市(ふたきみつはしらし)で有名な四十二の都市伝説調査に誘われる。
半ば強引ながらも参加させられ、猛暑の中歩き回ることを想像して気が乗らない蒼空の元に、三枝日和が失踪した報せが入る。
神隠しのような日和の失踪を、都市伝説調査で参加していた日和の同級生・御堂(みどう)音奏(かなで)と探る最中、クラスメートの死の予言を聞いた蒼空の同級生・涼城(すずしろ)夏美(なつみ)と協力して調査することになる。
四十二の都市伝説に纏わる謎は、やがて蒼空を窮地に追い詰める。
【本作において】
本作は、以前エブリスタで投稿していた作品を加筆修正(加筆修正箇所はかなり多いです)したものです。物語の内容と結末は同じです。ご了承くださいませ。
某国の皇子、冒険者となる
くー
BL
俺が転生したのは、とある帝国という国の皇子だった。
転生してから10年、19歳になった俺は、兄の反対を無視して従者とともに城を抜け出すことにした。
俺の本当の望み、冒険者になる夢を叶えるために……
異世界転生主人公がみんなから愛され、冒険を繰り広げ、成長していく物語です。
主人公は魔法使いとして、仲間と力をあわせて魔物や敵と戦います。
※ BL要素は控えめです。
2020年1月30日(木)完結しました。
【完結】ツインクロス
龍野ゆうき
青春
冬樹と夏樹はそっくりな双子の兄妹。入れ替わって遊ぶのも日常茶飯事。だが、ある日…入れ替わったまま両親と兄が事故に遭い行方不明に。夏樹は兄に代わり男として生きていくことになってしまう。家族を失い傷付き、己を責める日々の中、心を閉ざしていた『少年』の周囲が高校入学を機に動き出す。幼馴染みとの再会に友情と恋愛の狭間で揺れ動く心。そして陰ではある陰謀が渦を巻いていて?友情、恋愛、サスペンスありのお話。
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
あなたの隣で初めての恋を知る
ななもりあや
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。
その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。
そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。
一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。
初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。
表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。
なんか金髪超絶美形の御曹司を抱くことになったんだが
なずとず
BL
タイトル通りの軽いノリの話です
酔った勢いで知らないハーフと将来を約束してしまった勇気君視点のお話になります
攻
井之上 勇気
まだまだ若手のサラリーマン
元ヤンの過去を隠しているが、酒が入ると本性が出てしまうらしい
でも翌朝には完全に記憶がない
受
牧野・ハロルド・エリス
天才・イケメン・天然ボケなカタコトハーフの御曹司
金髪ロング、勇気より背が高い
勇気にベタ惚れの仔犬ちゃん
ユウキにオヨメサンにしてもらいたい
同作者作品の「一夜の関係」の登場人物も絡んできます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる