糾弾ホームルーム! ―ぼくたち、わたしたちの主張―

鬼霧宗作

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#2 ぼくとわたしと禁断の数字【糾弾ホームルーム篇】

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 姫乙の言葉の意味が分からず、どこかからは「はぁ?」との間抜けな声が上がった。

 安藤達が行っている【不定数ナンバーコール】は、どの数字が負けとなってしまう【デスナンバー】なのか分からないことが肝となる。逆説的に言えば、唯一【デスナンバー】を知っている【ナンバーキーパー】が、圧倒的有利に立ち回れる仕様になっているわけだ。しかし、どうやら姫乙は【デスナンバー】を公開してしまうという。これでは、ゲーム性そのものが崩壊することになるのではないか。

「もっと具体的に言ってしまいますとねぇ、諸君ら1人ずつから数字を指定して貰うのですぅ。ここにいるのは11人。そして11人の中には【ナンバーキーパー】がいますぅ。すなわちぃ、11の【デスナンバー】が公開されることになるのですぅ。もちろん、その中で本物の【デスナンバー】はひとつだけ――。どうですかぁ? このやり取りの運び方によってはぁ、かなり諸君らが有利になると思うのですがぁぁぁぁ」

 まだ姫乙の言葉を完全に飲み込めていない中、誰よりも先に姫乙の意図を理解したのは、どうやらアンジョリーヌのようだった。カメラに向かって噛み砕いた説明がされ、それを聞いた安藤は、ようやく姫乙が図ったという便宜の形を見ることができた。

 生き残ったメンバーは11人。当たり前だが、この中にいる【ナンバーキーパー】は1人だけである。そして、11人がそれぞれの数字を宣言する。その宣言された数字の中には【ナンバーキーパー】が宣言することになる【デスナンバー】も含まれている。すなわち、姫乙の言葉通りに【デスナンバー】は公開されるものの、しかしどれが本物か分からない状態でゲームが始まるのだ。ただ、この特殊なルールを利用すれば――事態はかなり進展するのではないだろうか。現段階でも、いくつかのアプローチ手段が見えていた。

「なるほどね――。やりようによっては、これだけで【ナンバーキーパー】が明らかになるかもしれない」

 芽衣が髪に手ぐしを通し、真綾が「それ、マジで?」と小声で反応する。姫乙が引っ張り出してきた特殊ルールは、状況によって【ナンバーキーパー】を一撃死させることがあるだろう。それをいかにして【ナンバーキーパー】が回避するのか。その辺りの動向も、材料となってくれるはずだ。

「ではぁ、ゲームを行う順番を発表しまぁぁぁぁす。テンポ良くやらないとぉ、諸君らの命の期限が短くなる一方ですからぁ」
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