156 / 468
#2 ぼくとわたしと禁断の数字【糾弾ホームルーム篇】
40
しおりを挟む
――最初にゲームを行う順番が発表される。それはすなわち、逆算を【ナンバーキーパー】に許してしまうことになるのだ。例えば、自分の順番が後のほうになるようならば、小さな数字を【デスナンバー】に指定することで、絶対に自分が【デスナンバー】を踏まずに済む環境を作り出すことができる。逆に自分の順番が先のほうになるこであれば、可能な限り大きな数字を【デスナンバー】に指定することで、自分の安全を確保することができる。その心理と【デスナンバー】から【ナンバーキーパー】を特定せよということなのだろうが、なんせ初っ端から自滅上等の【9】を【デスナンバー】に指定したような相手だ。指針としては弱いだろう。
「それは【ナンバーキーパー】が圧倒的に有利になるってことだよね? そして【ナンバーキーパー】が選んだ【デスナンバー】から、誰がゲームを有利に運ぼうとしたかを推測しろと――。正直、背負うリスクにしては、見返りが少ないと思うんだけど、僕だけかい?」
一同の気持ちを代弁するかのごとく発言をしたのは伊勢崎だ。彼の言う通り、なんとも微妙なのである。誰かの命を犠牲にして得る情報にしては、曖昧すぎる。しかも【ナンバーキーパー】がセオリー通りに【デスナンバー】を選択するという保証はない。ゲームをしなければ材料は手に入らないが、信憑性のない材料ならば、逆にないほうが良いような気がする。
「伊勢崎君、まさか私がぁ、この程度の便宜しか図らないと? 舐めて貰っては困りますぅぅぅぅ。芽衣ちゃん辺りにはぁ、物理的に舐めて欲しいところですがぁ」
気持ちの悪い笑みを浮かべた姫乙に、芽衣が小声で、しかしはっきりと「本当にキモい」と呟いた。これが全国放送で垂れ流されていることを、姫乙は忘れてしまったのだろうか。
「と、とにかく。他にも便宜を図ってくれるってことでいいのかな?」
自分の存在が埋もれてしまわぬように、忘れた頃になって発言する小宮山。クラス委員長という肩書きはあるものの、しかしリーダーシップはいまひとつ発揮されないままである。
「えぇ、もちろです。これだけではぁ、得られる情報もたかがしれていますからねぇ。そこでぇ、ちょっと姫乙から提案ですぅ。ゲームを行う順番を発表した後は【ナンバーキーパー】に【デスナンバー】を決めて貰いますぅ。これは、こっそり姫乙にだけ伝えられる段取りになっていたのですがぁ――これをいっそのこと諸君らに公開してしまおうと思うのですぅ」
「それは【ナンバーキーパー】が圧倒的に有利になるってことだよね? そして【ナンバーキーパー】が選んだ【デスナンバー】から、誰がゲームを有利に運ぼうとしたかを推測しろと――。正直、背負うリスクにしては、見返りが少ないと思うんだけど、僕だけかい?」
一同の気持ちを代弁するかのごとく発言をしたのは伊勢崎だ。彼の言う通り、なんとも微妙なのである。誰かの命を犠牲にして得る情報にしては、曖昧すぎる。しかも【ナンバーキーパー】がセオリー通りに【デスナンバー】を選択するという保証はない。ゲームをしなければ材料は手に入らないが、信憑性のない材料ならば、逆にないほうが良いような気がする。
「伊勢崎君、まさか私がぁ、この程度の便宜しか図らないと? 舐めて貰っては困りますぅぅぅぅ。芽衣ちゃん辺りにはぁ、物理的に舐めて欲しいところですがぁ」
気持ちの悪い笑みを浮かべた姫乙に、芽衣が小声で、しかしはっきりと「本当にキモい」と呟いた。これが全国放送で垂れ流されていることを、姫乙は忘れてしまったのだろうか。
「と、とにかく。他にも便宜を図ってくれるってことでいいのかな?」
自分の存在が埋もれてしまわぬように、忘れた頃になって発言する小宮山。クラス委員長という肩書きはあるものの、しかしリーダーシップはいまひとつ発揮されないままである。
「えぇ、もちろです。これだけではぁ、得られる情報もたかがしれていますからねぇ。そこでぇ、ちょっと姫乙から提案ですぅ。ゲームを行う順番を発表した後は【ナンバーキーパー】に【デスナンバー】を決めて貰いますぅ。これは、こっそり姫乙にだけ伝えられる段取りになっていたのですがぁ――これをいっそのこと諸君らに公開してしまおうと思うのですぅ」
0
お気に入りに追加
84
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ロンダリングプリンセス―事故物件住みます令嬢―
鬼霧宗作
ミステリー
窓辺野コトリは、窓辺野不動産の社長令嬢である。誰もが羨む悠々自適な生活を送っていた彼女には、ちょっとだけ――ほんのちょっとだけ、人がドン引きしてしまうような趣味があった。
事故物件に異常なほどの執着――いや、愛着をみせること。むしろ、性的興奮さえ抱いているのかもしれない。
不動産会社の令嬢という立場を利用して、事故物件を転々とする彼女は、いつしか【ロンダリングプリンセス】と呼ばれるようになり――。
これは、事故物件を心から愛する、ちょっとだけ趣味の歪んだ御令嬢と、それを取り巻く個性豊かな面々の物語。
※本作品は他作品【猫屋敷古物商店の事件台帳】の精神的続編となります。本作から読んでいただいても問題ありませんが、前作からお読みいただくとなおお楽しみいただけるかと思います。
軍艦少女は死に至る夢を見る~戦時下の大日本帝国から始まる艦船擬人化物語~
takahiro
キャラ文芸
『船魄』(せんぱく)とは、軍艦を自らの意のままに操る少女達である。船魄によって操られる艦艇、艦載機の能力は人間のそれを圧倒し、彼女達の前に人間は殲滅されるだけの存在なのだ。1944年10月に覚醒した最初の船魄、翔鶴型空母二番艦『瑞鶴』は、日本本土進攻を企てるアメリカ海軍と激闘を繰り広げ、ついに勝利を掴んだ。
しかし戦後、瑞鶴は帝国海軍を脱走し行方をくらませた。1955年、アメリカのキューバ侵攻に端を発する日米の軍事衝突の最中、瑞鶴は再び姿を現わし、帝国海軍と交戦状態に入った。瑞鶴の目的はともかくとして、船魄達を解放する戦いが始まったのである。瑞鶴が解放した重巡『妙高』『高雄』、いつの間にかいる空母『グラーフ・ツェッペリン』は『月虹』を名乗って、国家に属さない軍事力として活動を始める。だが、瑞鶴は大義やら何やらには興味がないので、利用できるものは何でも利用する。カリブ海の覇権を狙う日本・ドイツ・ソ連・アメリカの間をのらりくらりと行き交いながら、月虹は生存の道を探っていく。
登場する艦艇はなんと58隻!(2024/12/30時点)(人間のキャラは他に多数)(まだまだ増える)。人類に反旗を翻した軍艦達による、異色の艦船擬人化物語が、ここに始まる。
――――――――――
●本作のメインテーマは、あくまで(途中まで)史実の地球を舞台とし、そこに船魄(せんぱく)という異物を投入したらどうなるのか、です。いわゆる艦船擬人化ものですが、特に軍艦や歴史の知識がなくとも楽しめるようにしてあります。もちろん知識があった方が楽しめることは違いないですが。
●なお軍人がたくさん出て来ますが、船魄同士の関係に踏み込むことはありません。つまり船魄達の人間関係としては百合しかありませんので、ご安心もしくはご承知おきを。もちろんがっつり性描写はないですが、GL要素大いにありです。
●全ての船魄に挿絵ありですが、AI加筆なので雰囲気程度にお楽しみください。
●少女たちの愛憎と謀略が絡まり合う、新感覚、リアル志向の艦船擬人化小説を是非お楽しみください。
●お気に入りや感想などよろしくお願いします。毎日一話投稿します。
わけありのイケメン捜査官は英国名家の御曹司、潜入先のロンドンで絶縁していた家族が事件に
川喜多アンヌ
ミステリー
あのイケメンが捜査官? 話せば長~いわけありで。
もしあなたの同僚が、潜入捜査官だったら? こんな人がいるんです。
ホークは十四歳で家出した。名門の家も学校も捨てた。以来ずっと偽名で生きている。だから他人に化ける演技は超一流。証券会社に潜入するのは問題ない……のはずだったんだけど――。
なりきり過ぎる捜査官の、どっちが本業かわからない潜入捜査。怒涛のような業務と客に振り回されて、任務を遂行できるのか? そんな中、家族を巻き込む事件に遭遇し……。
リアルなオフィスのあるあるに笑ってください。
主人公は4話目から登場します。表紙は自作です。
主な登場人物
ホーク……米国歳入庁(IRS)特別捜査官である主人公の暗号名。今回潜入中の名前はアラン・キャンベル。恋人の前ではデイヴィッド・コリンズ。
トニー・リナルディ……米国歳入庁の主任特別捜査官。ホークの上司。
メイリード・コリンズ……ワシントンでホークが同棲する恋人。
カルロ・バルディーニ……米国歳入庁捜査局ロンドン支部のリーダー。ホークのロンドンでの上司。
アダム・グリーンバーグ……LB証券でのホークの同僚。欧州株式営業部。
イーサン、ライアン、ルパート、ジョルジオ……同。
パメラ……同。営業アシスタント。
レイチェル・ハリー……同。審査部次長。
エディ・ミケルソン……同。株式部COO。
ハル・タキガワ……同。人事部スタッフ。東京支店のリストラでロンドンに転勤中。
ジェイミー・トールマン……LB証券でのホークの上司。株式営業本部長。
トマシュ・レコフ……ロマネスク海運の社長。ホークの客。
アンドレ・ブルラク……ロマネスク海運の財務担当者。
マリー・ラクロワ……トマシュ・レコフの愛人。ホークの客。
マーク・スチュアート……資産運用会社『セブンオークス』の社長。ホークの叔父。
グレン・スチュアート……マークの息子。
クアドロフォニアは突然に
七星満実
ミステリー
過疎化の進む山奥の小さな集落、忍足(おしたり)村。
廃校寸前の地元中学校に通う有沢祐樹は、卒業を間近に控え、県を出るか、県に留まるか、同級生たちと同じく進路に迷っていた。
そんな時、東京から忍足中学へ転入生がやってくる。
どうしてこの時期に?そんな疑問をよそにやってきた彼は、祐樹達が想像していた東京人とは似ても似つかない、不気味な風貌の少年だった。
時を同じくして、耳を疑うニュースが忍足村に飛び込んでくる。そしてこの事をきっかけにして、かつてない凄惨な事件が次々と巻き起こり、忍足の村民達を恐怖と絶望に陥れるのであった。
自分たちの生まれ育った村で起こる数々の恐ろしく残忍な事件に対し、祐樹達は知恵を絞って懸命に立ち向かおうとするが、禁忌とされていた忍足村の過去を偶然知ってしまったことで、事件は思いもよらぬ展開を見せ始める……。
青春と戦慄が交錯する、プライマリーユースサスペンス。
どうぞ、ご期待ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる