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#2 ぼくとわたしと禁断の数字【糾弾ホームルーム篇】

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 ――最初にゲームを行う順番が発表される。それはすなわち、逆算を【ナンバーキーパー】に許してしまうことになるのだ。例えば、自分の順番が後のほうになるようならば、小さな数字を【デスナンバー】に指定することで、絶対に自分が【デスナンバー】を踏まずに済む環境を作り出すことができる。逆に自分の順番が先のほうになるこであれば、可能な限り大きな数字を【デスナンバー】に指定することで、自分の安全を確保することができる。その心理と【デスナンバー】から【ナンバーキーパー】を特定せよということなのだろうが、なんせ初っ端から自滅上等の【9】を【デスナンバー】に指定したような相手だ。指針としては弱いだろう。

「それは【ナンバーキーパー】が圧倒的に有利になるってことだよね? そして【ナンバーキーパー】が選んだ【デスナンバー】から、誰がゲームを有利に運ぼうとしたかを推測しろと――。正直、背負うリスクにしては、見返りが少ないと思うんだけど、僕だけかい?」

 一同の気持ちを代弁するかのごとく発言をしたのは伊勢崎だ。彼の言う通り、なんとも微妙なのである。誰かの命を犠牲にして得る情報にしては、曖昧すぎる。しかも【ナンバーキーパー】がセオリー通りに【デスナンバー】を選択するという保証はない。ゲームをしなければ材料は手に入らないが、信憑性のない材料ならば、逆にないほうが良いような気がする。

「伊勢崎君、まさか私がぁ、この程度の便宜しか図らないと? 舐めて貰っては困りますぅぅぅぅ。芽衣ちゃん辺りにはぁ、物理的に舐めて欲しいところですがぁ」

 気持ちの悪い笑みを浮かべた姫乙に、芽衣が小声で、しかしはっきりと「本当にキモい」と呟いた。これが全国放送で垂れ流されていることを、姫乙は忘れてしまったのだろうか。

「と、とにかく。他にも便宜を図ってくれるってことでいいのかな?」

 自分の存在が埋もれてしまわぬように、忘れた頃になって発言する小宮山。クラス委員長という肩書きはあるものの、しかしリーダーシップはいまひとつ発揮されないままである。

「えぇ、もちろです。これだけではぁ、得られる情報もたかがしれていますからねぇ。そこでぇ、ちょっと姫乙から提案ですぅ。ゲームを行う順番を発表した後は【ナンバーキーパー】に【デスナンバー】を決めて貰いますぅ。これは、こっそり姫乙にだけ伝えられる段取りになっていたのですがぁ――これをいっそのこと諸君らに公開してしまおうと思うのですぅ」
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