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#2 ぼくとわたしと禁断の数字【糾弾ホームルーム篇】

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 残るは根津が率いるAチームのみ。実況というには言葉少なく、アンジョリーヌが簡単に状況だけをテレビの向こう側に説明する。安藤達Cチームと本田達Bチームは、両者ともに【アントニオ】成立にてゲームから抜けている。ゆえに、事実上ゲームに残っているのはAチームのみとなる。

 兵隊達は淡々としていながら、息の合った動きを見せていた。もちろん、Bチームが【アントニオ】を成立させた時点で迅速に行動。今度はAチームを取り囲み、銃口を一斉に向ける。ただ、少なくとも今は、その銃口が火を噴くこともないだろう。

「ではぁ、続いてAチーム――どうぞぉ」

 これまでと変わらずにバトンがAチームへと回ったが、すでにAチームが選択できる手段はひとつしかない。すなわち【7】【8】【9】を宣言しての【アントニオ】成立だ。それ以外の選択肢もないわけではないが、そちらを選択することは死を選択するに等しい。

 BチームとCチームが抜けてしまった今、ゲームに残っているのはAチームだけ。例えばここで【8】のみを宣言し、仮にそれが【デスナンバー】でなかったとしても、次に順番が回ってくるのはBチームでもCチームでもない。まだゲームから抜けることができていないAチームへとバトンが戻ってきてしまうことだろう。つまり、細かく刻んで数字を宣言することはできるものの、順番は延々とAチームが繰り返すだけとなり、結果的に限界数に達するまで、宣言を繰り返さねばならなくなる。限界数に達するということは【デスナンバー】を踏んでしまうこととイコールになる。

 もはやAチームしか残っていないのだから、ここは【7】【8】【9】の【アントニオ】成立にて、誰も死なずにゲームから全チームが抜けるというのがベストだ。これまでの状況を察するに【デスナンバー】は【10】である算段が高いのだから、この場面でAチームが【アントニオ】を狙わない手はない。むしろ、そうしなければAチームは助からない。出口のない数字の迷宮に叩き落とされ、目の前に落とし穴が見えているのに、一歩ずつ前に進むことが強要されることになる。

 ――いざ銃口を突きつけられると、やはりそれが気になってしまうのか。ちらちらと銃口と目を合わせながらも、根津が話し合いを仕切る。もっとも、やるべきことは決まっており、確認作業をしているだけのように見えた。

 ふと、千奈美と目が合った。まるで助けを求めるかのような目をしていたが、わざと目をそらしてやった。クラスでは赤の他人ぶっているのに、都合の良い時だけ幼馴染になるのをやめて欲しい。
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