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#2 ぼくとわたしと禁断の数字【糾弾ホームルーム篇】
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芽衣の言葉に頷く安藤。今回の推測は【ナンバーキーパー】でさえ自分の順番が何番目かは知らなかった――というのが、実はかなり重要になってくる。
自分が何番目になるか分からない。もちろん1番手になる可能性だってある。その時、最低限でも宣言しなければならないナンバーである【1】が【デスナンバー】だと、その時点で詰んでしまうのだ。つまり【デスナンバー】を知っていながら、それを踏まざるを得ないという状況に陥りかねない。それを回避したいのならば【1】をデスナンバーに指定しなければいい。ここまでの思考が【ナンバーキーパー】にできているのであれば【1】は絶対的にセーフティーな数字になる。
このゲームは、いかにして勝つかというゲーム性ではない。どこまで安全に戦えるかである。もちろん、さっさとゲームを抜けてしまうのが最も安全であり、基本的に攻めではなく守りのスタンスでいなければならない。そこから【ナンバーキーパー】の思考を推測すれば、安全な数字が見えてくる。
「同じ理屈で【2】と【3】も【デスナンバー】には選ばれにくい。例えば【デスナンバー】を【2】に指定したとする。その条件下で【ナンバーキーパー】のチームが2番手になった場合、1番手のチームが【1】だけ宣言してバトンを回してきたら、その時点で【デスナンバー】である【2】を踏まなければならなくなる。同様に【3】を【デスナンバー】にした場合、3番手になった際に【デスナンバー】を踏んでしまう恐れがあるんだよ」
安藤の言葉に、小宮山は納得したと言わんばかりに大きく頷いた。星野崎は何かから逃れるかのように顔を別の場所にそらしたままだし、真綾にいたっては困惑したかのように首を傾げる。意図が伝わったか否かのバロメーターは真綾になるのだろう。安藤の説明が伝わっていないことを察したのか、芽衣が話をまとめる。
「もっと簡単に言えば、最低限宣言しなければならなくなる可能性がある数字に【デスナンバー】は仕掛けにくいってことよ。1番手なら最低でも【1】を宣言しなければならない。2番手ならば【2】を宣言する場面が出てくる。そして3番手なら【3】が最低限宣言しなければならない数字になり得る。つまり、どの順番になっても安全にバトンを次に回すためには【1】【2】【3】を【デスナンバー】として指定しないほうがいいってこと――」
自分が何番目になるか分からない。もちろん1番手になる可能性だってある。その時、最低限でも宣言しなければならないナンバーである【1】が【デスナンバー】だと、その時点で詰んでしまうのだ。つまり【デスナンバー】を知っていながら、それを踏まざるを得ないという状況に陥りかねない。それを回避したいのならば【1】をデスナンバーに指定しなければいい。ここまでの思考が【ナンバーキーパー】にできているのであれば【1】は絶対的にセーフティーな数字になる。
このゲームは、いかにして勝つかというゲーム性ではない。どこまで安全に戦えるかである。もちろん、さっさとゲームを抜けてしまうのが最も安全であり、基本的に攻めではなく守りのスタンスでいなければならない。そこから【ナンバーキーパー】の思考を推測すれば、安全な数字が見えてくる。
「同じ理屈で【2】と【3】も【デスナンバー】には選ばれにくい。例えば【デスナンバー】を【2】に指定したとする。その条件下で【ナンバーキーパー】のチームが2番手になった場合、1番手のチームが【1】だけ宣言してバトンを回してきたら、その時点で【デスナンバー】である【2】を踏まなければならなくなる。同様に【3】を【デスナンバー】にした場合、3番手になった際に【デスナンバー】を踏んでしまう恐れがあるんだよ」
安藤の言葉に、小宮山は納得したと言わんばかりに大きく頷いた。星野崎は何かから逃れるかのように顔を別の場所にそらしたままだし、真綾にいたっては困惑したかのように首を傾げる。意図が伝わったか否かのバロメーターは真綾になるのだろう。安藤の説明が伝わっていないことを察したのか、芽衣が話をまとめる。
「もっと簡単に言えば、最低限宣言しなければならなくなる可能性がある数字に【デスナンバー】は仕掛けにくいってことよ。1番手なら最低でも【1】を宣言しなければならない。2番手ならば【2】を宣言する場面が出てくる。そして3番手なら【3】が最低限宣言しなければならない数字になり得る。つまり、どの順番になっても安全にバトンを次に回すためには【1】【2】【3】を【デスナンバー】として指定しないほうがいいってこと――」
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