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#2 ぼくとわたしと禁断の数字【糾弾ホームルーム篇】

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 Cチームである安藤達は、初っ端から【1】【2】【3】の【アントニオ】狙い。当然だが【デスナンバー】さえ踏まねば、さっさとゲームから抜けることができる。

「さてぇ――それではぁ、果たしてCチームは【デスナンバー】を踏んでしまったのかぁ。はたまた【アントニオ】成立で、ゲームから一抜けすることになるのかぁ――注目の一瞬でぇぇぇす!」

 姫乙が笑みを浮かべ、そして奇妙なポーズを取った時点で、例のあれだと分かった。この男は完全に楽しんでしまっている。命懸けのやり取りをする安藤達を傍観し、楽しんでしまっているのだ。

「姫ぇぇぇぇ乙ぁぁぁぁぁぁ、ジャッジメントぉぉぉぉぉ!」

 あぁ、見ているほうが恥ずかしい。昔の下手なヒーローのほうが、まだ確実に格好良いポーズというものをしていたのではないだろうか。ころころとポーズを変えながら表情も変える姫乙は、残念ながら顔芸である。ただ、なんとなく親指を突き出して【アウト】とするポーズと、両腕を水平に振り抜いて【セーフ】とするポーズを交互に繰り返していることに気付く。セルフドラムロールのおまけ付きだから、姫乙はかなり忙しそうだ。顔芸は余計なのでは。

 どれだけ、この奇妙極まりない時間を過ごしたことだろうか、姫乙の動きが急にゆっくりとなり、そして親指を立てた右手を、上から振り下ろすような動きを見せる。まさか【アウト】なのか。安藤の考えからすると絶対的に安全なはずの【1】【2】【3】のいずれかに、よもや【デスナンバー】が含まれていたということなのか。

「Cチーム――セェェェェフゥゥゥゥ。そのナンバーの中に【デスナンバー】は含まれていませんでしたぁぁぁぁ。同時にぃ、Cチームにはぁ【アントニオ】が成立。このゲームを抜けることになりまぁぁぁす」

 直前になって、そのポーズを【アウト】から【セーフ】へと変更した姫乙。かなりもったいぶってくれたが、やはり【1】【2】【3】はセーフティー。推測通り【デスナンバー】は踏まずに、見事に【アントニオ】を成立させることができた。誰よりも先に安堵の溜め息を漏らしたのは、きっと先導した芽衣だったのであろう。

「どうやら【ナンバーキーパー】も馬鹿じゃなかったみたいね。良かったわ」

 髪の毛に手ぐしを通しながら、改めて溜め息をついた芽衣に、安藤は同意を込めて頷いた。

「――で、なんとか【デスナンバー】を踏まずに済んだわけだけどさぁ、どうして【1】【2】【3】は大丈夫だと思ったわけ? 真綾にも分かるように説明してよ」
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