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査定3 おばけマンションの人喰いエレベーター【エピローグ】
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「――まぁ、これにて一件落着ってやつか。猫屋敷、そういえば大海と連絡先を交換してたみたいだけど、あいつ迷惑かけてないか? あんまりにもメールの本数が多いのであれば、あいつに直接言っておくけど」
今回の事件での立役者となった大海。彼の部屋でのやり取りからも察することができたが、どうやら女性関係について緩いところがあるらしい。もっとも、現代の日本は自由恋愛の世の中であるし、例え大海が千早にアプローチをしたとしても、それを一里之が咎めることはできない。なんせ、当の本人には彼女がいるわけだし。高校生にも恋人がいて、仲睦まじくやっているというのに――。いまだに独身で恋人すらいない自分が情けなくなる。
「いえ、迷惑だとは思いませんよ。あまりにも他愛のない内容ばかりですので、読むだけ読んで、返信してませんから。まぁ、学校で話す機会があった時に、改めて話題として出せばいいだけですし。それに、大海君のメールには緊急性を感じませんし、どうしても話したいことがあるなら電話をかけるでしょうから。そのほうが合理的です」
さらりと言い放った千早の言葉に、愛と一里之が顔を見合わせる。きっと、彼女には恋の駆け引きなんてものは通用しないのであろう。
「む、無自覚既読スルーって感じかよ――。さすがは鋼鉄のガールフレ……いや、なんでもない」
一里之が言葉を途中で止めたのは、千早が不思議そうに首を傾げたからだろう。おそらく、千早にはまるで悪気がないのだ。合理的な判断を下しただけにすぎない。なぜだか分からないが、そこで会話が一旦終わってしまい、ちょっとした静寂が訪れた。
「あ、そう言えばさ、例のものができたみたいなんだよね」
手をパチンと叩き、その静寂を破ったのは愛だった。スマートフォンを取り出すと、なにやら操作を始める。千早はその光景に対して小声で「あ、あの……その話はまた今度にしませんか?」と提言するも、そこに一里之のカットインが入る。
「例のものってなんだよ? 俺は何も話を聞いてねぇぞ」
千早の弱々しき言葉は一里之の好奇心にかき消され、残念ながら愛まで届くことはなかった。
「何も聞いていないって――だって、純平には話してないし」
なんだかもったいぶった言いかたをする愛。女の子同士の秘密と言わんばかりであるが、しかしデリカシーがどこかにいってしまった一里之は、愛のスマートフォンを堂々と覗き込む。
今回の事件での立役者となった大海。彼の部屋でのやり取りからも察することができたが、どうやら女性関係について緩いところがあるらしい。もっとも、現代の日本は自由恋愛の世の中であるし、例え大海が千早にアプローチをしたとしても、それを一里之が咎めることはできない。なんせ、当の本人には彼女がいるわけだし。高校生にも恋人がいて、仲睦まじくやっているというのに――。いまだに独身で恋人すらいない自分が情けなくなる。
「いえ、迷惑だとは思いませんよ。あまりにも他愛のない内容ばかりですので、読むだけ読んで、返信してませんから。まぁ、学校で話す機会があった時に、改めて話題として出せばいいだけですし。それに、大海君のメールには緊急性を感じませんし、どうしても話したいことがあるなら電話をかけるでしょうから。そのほうが合理的です」
さらりと言い放った千早の言葉に、愛と一里之が顔を見合わせる。きっと、彼女には恋の駆け引きなんてものは通用しないのであろう。
「む、無自覚既読スルーって感じかよ――。さすがは鋼鉄のガールフレ……いや、なんでもない」
一里之が言葉を途中で止めたのは、千早が不思議そうに首を傾げたからだろう。おそらく、千早にはまるで悪気がないのだ。合理的な判断を下しただけにすぎない。なぜだか分からないが、そこで会話が一旦終わってしまい、ちょっとした静寂が訪れた。
「あ、そう言えばさ、例のものができたみたいなんだよね」
手をパチンと叩き、その静寂を破ったのは愛だった。スマートフォンを取り出すと、なにやら操作を始める。千早はその光景に対して小声で「あ、あの……その話はまた今度にしませんか?」と提言するも、そこに一里之のカットインが入る。
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「何も聞いていないって――だって、純平には話してないし」
なんだかもったいぶった言いかたをする愛。女の子同士の秘密と言わんばかりであるが、しかしデリカシーがどこかにいってしまった一里之は、愛のスマートフォンを堂々と覗き込む。
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