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査定3 おばけマンションの人喰いエレベーター【問題編】
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千早は情報を整理する。後になって飛び出してきた4人というのは、おそらくカネモトの遺体を発見して現場を後にしたラクレスのメンバーなのだろう。しかしながら、それより前に飛び出してきた赤髪の人物とは――果たして誰なのか。ここがおばけマンションと呼ばれているからといって、わざわざそれらの類のものが出てこなくてもいいだろうに。
「結果、いまだに現場にいたと思われるメンバーとは連絡がとれていません。こればかりはお恥ずかしいといいますか、警察のほうも全力をあげて捜索中ですので、どうかご勘弁を。警察組織にも、なんというか変な縄張り意識があったりして、色々と面倒なんです」
事件そのものは妻有郷で起きたが、ラクレスのメンバーはこちらの人間ではない。当然ながら県内にいるとは限らず、むしろ彼らにとっての地元である県外にいる可能性のほうが高い。そうなると、警察組織の間でも色々としがらみがあるのだろう。特に班目のいる所轄など、その辺りのことに口出しはできず、ただ従うことしかできないのかもしれない。
「大海君はその後、そのまま部屋に戻られたのですか? その時、なにか気づかれたことは?」
大海は事件当時に現場にいた数少ない証言者だ。もしかすると本人が気づいていないだけで、他にも重要なものを見たり聞いたりしていたかもしれない。そのようなつもりで問うたのであるが、大海は大きく首を横に振った。
「部屋に戻るもなにも、それからすぐにパトカーのサイレンが聞こえたと思ったら、この辺りに一気に押し寄せてさ。現場保全だか何だか知らないけど、ここの住人だって言っても、立ち入り禁止だからってマンションの中に入れてもらえなくて。結局、友達に迎えに来てもらって、そのまま泊めてもらったんだ」
大海が言うと、一里之が溜め息混じりに「深夜でも迎えに来てくれて、泊めてくれるお姉さんとかも知り合いにいるってことか――」と漏らす。それに対して「違うんだ! 誤解なんだよ猫屋敷さん!」とすぐさまに弁解する大海。だから、なぜ真っ先に誤解を解こうとする相手先が自分なのか。
「と、とにかく――お話を聞けて助かりました。ありがとうございます。それで、大海君。ついでで申しわけないのですが、テレビをお借りしてよろしいですか? 可能であれば接続もお願いしたいのですが」
千早はそう言いながら、いわくつきのハンディービデオカメラを手荷物から取り出した。一度、例の動画を大きな画面で確かめてみたかったのである。1人で家のテレビを相手に格闘してみたのだが、HIMDだかPPAPだか分からないが、結局のところ接続できなかった。
「結果、いまだに現場にいたと思われるメンバーとは連絡がとれていません。こればかりはお恥ずかしいといいますか、警察のほうも全力をあげて捜索中ですので、どうかご勘弁を。警察組織にも、なんというか変な縄張り意識があったりして、色々と面倒なんです」
事件そのものは妻有郷で起きたが、ラクレスのメンバーはこちらの人間ではない。当然ながら県内にいるとは限らず、むしろ彼らにとっての地元である県外にいる可能性のほうが高い。そうなると、警察組織の間でも色々としがらみがあるのだろう。特に班目のいる所轄など、その辺りのことに口出しはできず、ただ従うことしかできないのかもしれない。
「大海君はその後、そのまま部屋に戻られたのですか? その時、なにか気づかれたことは?」
大海は事件当時に現場にいた数少ない証言者だ。もしかすると本人が気づいていないだけで、他にも重要なものを見たり聞いたりしていたかもしれない。そのようなつもりで問うたのであるが、大海は大きく首を横に振った。
「部屋に戻るもなにも、それからすぐにパトカーのサイレンが聞こえたと思ったら、この辺りに一気に押し寄せてさ。現場保全だか何だか知らないけど、ここの住人だって言っても、立ち入り禁止だからってマンションの中に入れてもらえなくて。結局、友達に迎えに来てもらって、そのまま泊めてもらったんだ」
大海が言うと、一里之が溜め息混じりに「深夜でも迎えに来てくれて、泊めてくれるお姉さんとかも知り合いにいるってことか――」と漏らす。それに対して「違うんだ! 誤解なんだよ猫屋敷さん!」とすぐさまに弁解する大海。だから、なぜ真っ先に誤解を解こうとする相手先が自分なのか。
「と、とにかく――お話を聞けて助かりました。ありがとうございます。それで、大海君。ついでで申しわけないのですが、テレビをお借りしてよろしいですか? 可能であれば接続もお願いしたいのですが」
千早はそう言いながら、いわくつきのハンディービデオカメラを手荷物から取り出した。一度、例の動画を大きな画面で確かめてみたかったのである。1人で家のテレビを相手に格闘してみたのだが、HIMDだかPPAPだか分からないが、結局のところ接続できなかった。
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