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査定3 おばけマンションの人喰いエレベーター【問題編】
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「それで大海君。その後は――」
確か班目の話だと、現在もラクレスのメンバーとは連絡が取れていない状態。事件の通報も、ラクレスのチャンネルを視聴していた匿名の視聴者からという話だった。つまり、少なくとも現場に警察が駆けつけた時点で、おばけマンションにラクレスのメンバーはいなかったことになる。もしかすると、大海はラスレスのカネモトらしき姿だけではなく、他のメンバーも目撃しているかもしれない。そう考えた千早のことを、大海は裏切らなかった。
「おばけマンションの住民は極端に少ないし、僕の知っている限り、髪の毛を赤く染めている住人なんていない。さすがにおかしいから電話を切り上げて戻ろうとしたら、また正面玄関から人が飛び出してきたんだ。しかも、随分と慌てた様子だったよ。髪の毛の色もカラフルで、人数は多分4人だったと思う」
状況から察するに、それは現場を後にするラクレスのメンバーということになるのだろう。それを確認すべく、千早はラクレスの動画を思い起こしながら大海へと問う。
「ちなみに、間違いなく飛び出してきたのは4人でしたか? その方々の髪の色は――金、銀、青、緑でしたか?」
カネモトが赤、博士が金、ジュンヤが銀、キー坊が青、マソンヌが緑。それぞれが個性的な髪の色をしているラクレスの面々。先に飛び出してきた赤髪の人物に関しては謎であるが、その後に現場を飛び出したであろう残りのメンバーは4人であり、その4人は博士、ジュンヤ、キー坊、マソンヌということになるはず。
「ほんの一瞬のことだったからなぁ。人数は間違いないと思うけど、全員の髪の色までは――」
大海がラクレスのメンバーを目撃したのは深夜。赤髪の男の目撃証言も、正面玄関から漏れる明かりという、実に限定的な状況で生まれたものだ。続けて飛び出してきた4人が、それぞれどんな髪の色をしていたのかまでは確認できなかったのであろう。目撃証言なんてものは、思い込みによって大きく書き換えられてしまうものである。だから、その思い込みを排除し、はっきりと断言しない大海の証言は、逆に信頼性があるといえよう。
「分かりました。では、それから、その方々はどうしたのでしょうか?」
千早の問いかけに、大海はお茶を一口飲んでから答える。それにつられて、千早もお茶を一口。
「裏手の駐車場に向かったと思ったら、バンみたいな車で街のほうに走って行ったよ。運転がかなり荒かったし、相当慌ててたんだろうね」
確か班目の話だと、現在もラクレスのメンバーとは連絡が取れていない状態。事件の通報も、ラクレスのチャンネルを視聴していた匿名の視聴者からという話だった。つまり、少なくとも現場に警察が駆けつけた時点で、おばけマンションにラクレスのメンバーはいなかったことになる。もしかすると、大海はラスレスのカネモトらしき姿だけではなく、他のメンバーも目撃しているかもしれない。そう考えた千早のことを、大海は裏切らなかった。
「おばけマンションの住民は極端に少ないし、僕の知っている限り、髪の毛を赤く染めている住人なんていない。さすがにおかしいから電話を切り上げて戻ろうとしたら、また正面玄関から人が飛び出してきたんだ。しかも、随分と慌てた様子だったよ。髪の毛の色もカラフルで、人数は多分4人だったと思う」
状況から察するに、それは現場を後にするラクレスのメンバーということになるのだろう。それを確認すべく、千早はラクレスの動画を思い起こしながら大海へと問う。
「ちなみに、間違いなく飛び出してきたのは4人でしたか? その方々の髪の色は――金、銀、青、緑でしたか?」
カネモトが赤、博士が金、ジュンヤが銀、キー坊が青、マソンヌが緑。それぞれが個性的な髪の色をしているラクレスの面々。先に飛び出してきた赤髪の人物に関しては謎であるが、その後に現場を飛び出したであろう残りのメンバーは4人であり、その4人は博士、ジュンヤ、キー坊、マソンヌということになるはず。
「ほんの一瞬のことだったからなぁ。人数は間違いないと思うけど、全員の髪の色までは――」
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「分かりました。では、それから、その方々はどうしたのでしょうか?」
千早の問いかけに、大海はお茶を一口飲んでから答える。それにつられて、千早もお茶を一口。
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