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査定2 惨殺アイちゃん参上【エピローグ】
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かの【惨殺アイちゃん】は、罪もない動物を殺害するという悪行に及んだ。しかしながら、日本の法律において、動物に対する殺害行為は器物損壊罪にしかならない。カラスやタヌキにいたっては所有者が存在しない。ゆえに被害届も出てこないわけであり、そもそもの罪に問われることもない。学校が所有していたことになるウサギに関しても、やはり器物損壊罪以上のものにはならなかったのであろう。
「はぁ? それって、もう【惨殺アイちゃん】が釈放されたってことか? あれだけのことをやったのに?」
日本の法律的には間違っていないのだが、納得がいかないのであろう。一里之が班目に噛みつこうとするのを「それは仕方のないことなんです」となだめる千早。なにが一里之の感情を揺さぶるかといえば、きっと【惨殺アイちゃん】がそれを知っていた上で犯行に及んでいたという事実だろう。どれだけ犯行を重ねても、大した罪にならないことを【惨殺アイちゃん】は知っていた。いや、知っていたからこそ凶行を繰り返したのであろう。
「彼のやったことは許されないことなのですが、しかし日本の法律上では、重い罪として裁けないんですよ――残念ですがね」
千早の一言よりも、刑事である班目の一言のほうが重たかったのであろう。渋々納得したといった様子で溜め息を漏らす一里之。ぽつりと漏らした「でも、絶対におかしいって」との一言は、まだ完全に納得していないことを示していた。それを汲み取ったのか、班目が続ける。
「日本の法律上では重い罪にできませんし、このままいけば在宅事件扱い。被害届を出した学校側との示談が成立する可能性もありますし、そうでなくても不起訴処分となる場合もあります。でもね、因果応報ってのはあるものでして、彼にはそれなりの制裁が下りますからご心配なさらずに」
犯罪で捕まった人間の全てが刑務所に入るわけではないし、器物損壊罪は軽犯罪に分類される。今回は悪質なケースなのだろうが、それでも実刑が下ることはないだろう。法律というものは、なんとも融通がきかないものである。
「まず、彼は解雇されることになりました。しかもですね、懲戒解雇というやつです」
あれだけの騒動を起こしたのだから、まず仕事は失って当然であろう。年齢もそこそこいっているようだったし、再就職も難しい。ある意味、社会的な制裁が下されたわけだ。
「はぁ? それって、もう【惨殺アイちゃん】が釈放されたってことか? あれだけのことをやったのに?」
日本の法律的には間違っていないのだが、納得がいかないのであろう。一里之が班目に噛みつこうとするのを「それは仕方のないことなんです」となだめる千早。なにが一里之の感情を揺さぶるかといえば、きっと【惨殺アイちゃん】がそれを知っていた上で犯行に及んでいたという事実だろう。どれだけ犯行を重ねても、大した罪にならないことを【惨殺アイちゃん】は知っていた。いや、知っていたからこそ凶行を繰り返したのであろう。
「彼のやったことは許されないことなのですが、しかし日本の法律上では、重い罪として裁けないんですよ――残念ですがね」
千早の一言よりも、刑事である班目の一言のほうが重たかったのであろう。渋々納得したといった様子で溜め息を漏らす一里之。ぽつりと漏らした「でも、絶対におかしいって」との一言は、まだ完全に納得していないことを示していた。それを汲み取ったのか、班目が続ける。
「日本の法律上では重い罪にできませんし、このままいけば在宅事件扱い。被害届を出した学校側との示談が成立する可能性もありますし、そうでなくても不起訴処分となる場合もあります。でもね、因果応報ってのはあるものでして、彼にはそれなりの制裁が下りますからご心配なさらずに」
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「まず、彼は解雇されることになりました。しかもですね、懲戒解雇というやつです」
あれだけの騒動を起こしたのだから、まず仕事は失って当然であろう。年齢もそこそこいっているようだったし、再就職も難しい。ある意味、社会的な制裁が下されたわけだ。
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