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査定2 惨殺アイちゃん参上【問題編】
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「あ、私はバスケ部のキャプテンやってる榎本真綾です。で、愛美に会いに来たみたいだけど、残念ながら、あの子ここしばらく学校に来てないみたいで――」
千早が先に名乗ったからか、律儀に名乗り返してくれる真宵。しかしながら、よほど風紀委員会にしつこくされたのか、千早に釘を刺すかのごとく続ける。
「でも、これだけは言っておきます。どうして愛美と会いたいのかは知らないけど、最近学校で騒がれている事件と愛美は関係ありませんからね。風紀委員会が勝手に騒いでくれて、こっちはいい迷惑なんです。誰よりも動物が好きなあの子が、動物を殺すなんて事件を起こすわけがありませんから」
愛から話を聞いた限りだと、学校のいたるところで魔女狩りが行われているのかと思っていたが、どうやら全てが全てというわけではないようだ。千早は真宵の言葉に対して頷く。本人がいないのならば、これ以上突っ込んで話を聞いても仕方がない。少なくとも、この真宵という人物は愛美の味方である――それが分かっただけでも充分に収穫があったといえよう。
「そうですか。本当ならばご本人にお会いして、その辺りのことをお聞きしたかったのですが、どうやらその必要もなさそうですね。それでは、練習中に失礼いたしました」
千早は風紀委員会ではないが、しかし愛美に話を聞きに来た立場だった。そう見えたからこそ真宵が先手を打ったのであろうが、この様子なら本人から話を聞くまでもないようだ。
「えっ、あ――はい」
あまりにも千早があっさりと引き下がったものだから拍子抜けしてしまったのであろう。真宵は間の抜けたような返事をすると小さく頷いた。千早は改めて頭を下げ、そして体育館を後にする。
体育館から戻り、そしてトイレに入ると「戻りました」と声をかける。するとトイレの個室が開き、愛が出てきた。
「どうだった?」
声を絞って聞いてくる愛。人に聞かれても困るような話ではないし、そもそも放課後のトイレで、他人の話に聞き耳を立てるような物好きはいない。しかしながら、声を絞って問われると、こちらまで声を絞って小さくして返してしまうから不思議なものだ。
「残念ながら本人は学校に来ていないようですね。ただ、周囲の方のお話から大体のことは把握できましたので、改めて本人からお話を伺うようなことはしなくてもいいと思います。ゆえに、他の方からお話を伺うことを最優先にしたほうが良いかと」
幸いないことに、まだやるべきことが多く残っている。愛美本人に話を聞くのは、現状やるべきことをやり、調べるべきことを調べて、それで手詰まりとなった時でいいだろう。
千早が先に名乗ったからか、律儀に名乗り返してくれる真宵。しかしながら、よほど風紀委員会にしつこくされたのか、千早に釘を刺すかのごとく続ける。
「でも、これだけは言っておきます。どうして愛美と会いたいのかは知らないけど、最近学校で騒がれている事件と愛美は関係ありませんからね。風紀委員会が勝手に騒いでくれて、こっちはいい迷惑なんです。誰よりも動物が好きなあの子が、動物を殺すなんて事件を起こすわけがありませんから」
愛から話を聞いた限りだと、学校のいたるところで魔女狩りが行われているのかと思っていたが、どうやら全てが全てというわけではないようだ。千早は真宵の言葉に対して頷く。本人がいないのならば、これ以上突っ込んで話を聞いても仕方がない。少なくとも、この真宵という人物は愛美の味方である――それが分かっただけでも充分に収穫があったといえよう。
「そうですか。本当ならばご本人にお会いして、その辺りのことをお聞きしたかったのですが、どうやらその必要もなさそうですね。それでは、練習中に失礼いたしました」
千早は風紀委員会ではないが、しかし愛美に話を聞きに来た立場だった。そう見えたからこそ真宵が先手を打ったのであろうが、この様子なら本人から話を聞くまでもないようだ。
「えっ、あ――はい」
あまりにも千早があっさりと引き下がったものだから拍子抜けしてしまったのであろう。真宵は間の抜けたような返事をすると小さく頷いた。千早は改めて頭を下げ、そして体育館を後にする。
体育館から戻り、そしてトイレに入ると「戻りました」と声をかける。するとトイレの個室が開き、愛が出てきた。
「どうだった?」
声を絞って聞いてくる愛。人に聞かれても困るような話ではないし、そもそも放課後のトイレで、他人の話に聞き耳を立てるような物好きはいない。しかしながら、声を絞って問われると、こちらまで声を絞って小さくして返してしまうから不思議なものだ。
「残念ながら本人は学校に来ていないようですね。ただ、周囲の方のお話から大体のことは把握できましたので、改めて本人からお話を伺うようなことはしなくてもいいと思います。ゆえに、他の方からお話を伺うことを最優先にしたほうが良いかと」
幸いないことに、まだやるべきことが多く残っている。愛美本人に話を聞くのは、現状やるべきことをやり、調べるべきことを調べて、それで手詰まりとなった時でいいだろう。
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