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査定2 惨殺アイちゃん参上【問題編】
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「あぁ、少なくとも引き継ぎの都合で学校の戸締りをするまではいるから、それまでに来てくれたいいよ。なにぶん、新人は女っ気のなさそうなやつだから、君達みたいな子が訪ねて来てくれたら大喜びだと思うなぁ。女子校で警備員やってるのに、女子高生と触れ合えないんです――って夜勤なら当たり前の泣き言をほざいていたくらいだから」
特に深くまで突っ込むつもりはないが、警備員をやる理由なんて人それぞれだ。特に女子校での警備など――不純な動機でやろうと思う人だっているはずだ。そのこと自体は何とも思わないし、案外仕事選びなど、そんなものだったりするのだろう。事実、千早が古物商をやったているのだって、ある意味で不純な動機があるからだったりするわけで。
「承知しました。では、おおよそで1時間後に伺わせていただきますので、その方にもよろしくお伝えください」
千早はそう言うと警備員に向かって小さく頭を下げる。続けて「体育館はどちらでしょう?」と、愛のほうへと視線を向けた。愛も警備員に向かって会釈をすると「こっち……」と、足早に歩き出した。
他校の生徒であるがゆえに勝手が全く分からない千早は、おそらく体育館に向かっているであろう愛について行くしかない。もちろん、歩き方や歩幅についても充分に注意しつつだ。ようやくコツが掴めてきたような気がしないでもないが、間違いなくコミカルな歩き方になっていることであろう。
体育館に向かうにあたり、愛を呼び止めて拝借したカッターナイフを「ありがとうございました」と返却する。もうじっくりと観察させてもらったし、さすがにカッターナイフ片手に体育館に話を聞きに行くというのは物騒だ。ならば、警備員の詰所を訪ねる時点で愛に返しておくべきだったのかもしれないが。
廊下を進み、教室棟らしきところへと入る。さすがに教室棟ともなれば、まだ残っている生徒の姿がちらほらと見られる。なんだか愛の歩く速度が速くなったように思えるのは気のせいなのだろうか。妙に声をかけにくくて、無言のまま教室棟らしき場所を抜けた。教室棟の先は渡り廊下になっており、渡り廊下の向こうからは部活動の掛け声らしきものが響いてくる。体育館に到着したようだ。
「あの、猫屋敷さん――お願いがあるんだけどいい?」
渡り廊下の手前で振り返った愛は、やや申しわけなさそうな、それでいて寂しそうな表情を浮かべる。彼女が何を言いたいのかくらいは、もう分かりきっていることだった。それでもあえて千早からは言い出さなかった。
「はい、私がお応えできることならば、なんなりと」
特に深くまで突っ込むつもりはないが、警備員をやる理由なんて人それぞれだ。特に女子校での警備など――不純な動機でやろうと思う人だっているはずだ。そのこと自体は何とも思わないし、案外仕事選びなど、そんなものだったりするのだろう。事実、千早が古物商をやったているのだって、ある意味で不純な動機があるからだったりするわけで。
「承知しました。では、おおよそで1時間後に伺わせていただきますので、その方にもよろしくお伝えください」
千早はそう言うと警備員に向かって小さく頭を下げる。続けて「体育館はどちらでしょう?」と、愛のほうへと視線を向けた。愛も警備員に向かって会釈をすると「こっち……」と、足早に歩き出した。
他校の生徒であるがゆえに勝手が全く分からない千早は、おそらく体育館に向かっているであろう愛について行くしかない。もちろん、歩き方や歩幅についても充分に注意しつつだ。ようやくコツが掴めてきたような気がしないでもないが、間違いなくコミカルな歩き方になっていることであろう。
体育館に向かうにあたり、愛を呼び止めて拝借したカッターナイフを「ありがとうございました」と返却する。もうじっくりと観察させてもらったし、さすがにカッターナイフ片手に体育館に話を聞きに行くというのは物騒だ。ならば、警備員の詰所を訪ねる時点で愛に返しておくべきだったのかもしれないが。
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「あの、猫屋敷さん――お願いがあるんだけどいい?」
渡り廊下の手前で振り返った愛は、やや申しわけなさそうな、それでいて寂しそうな表情を浮かべる。彼女が何を言いたいのかくらいは、もう分かりきっていることだった。それでもあえて千早からは言い出さなかった。
「はい、私がお応えできることならば、なんなりと」
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