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査定2 惨殺アイちゃん参上【問題編】
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間違いなく【惨殺アイちゃん】は自己顕示欲を満たすことを目的としている。ならば、当日の名簿の中から【アイ】という名前を含む人間を拾い上げれば【惨殺アイちゃん】もかなり絞り込むことができるだろう――千早はそう考えたのであるが、そもそも当日の名簿を把握できないのであれば意味がない。一里之への説明で寄り道してしまった千早は話を元に戻した。もちろん、別の切り口でだ。
「ご理解いただけたようでなにより。それでは赤祖父様、次はこのカッターナイフをお持ちいただいた経緯をご説明願えませんか? なぜ、赤祖父様がお持ちになっているのでしょう?」
持ち込まれた品は50周年記念のカッターナイフ。これが持ち込まれた経緯を千早は知る必要があった。愛の話の流れから察して、おそらくはウサギの殺害に使用されたカッターナイフなのであろうが。
「話すと長くなるんだけど、それ――私達が先生と警備員を呼びに行って戻って来た時に見つけたものなの」
カッターナイフはウサギ小屋で見つかったものである。しかしながら、どのタイミングで誰が見つけたのかも分かっていなければ、どうして愛が持っているのかさえ明確になっていない。とにかく、明確にできるところから明確にしていくのが、いわくの背景を紐解くコツになる。
「少し整理します。ウサギ小屋での異変を確認した後、赤祖父様は教員の方を呼びに職員室へと走りました。クラスメイトのお方は警備員の詰所へと向かったわけですよね? カッターナイフを見つけたのはその後でしょうから、まずはその辺りのことを詳しくお聞かせください」
もしも【惨殺アイちゃん】が千早の推測通りの目的で犯行に及んでいるのだとすれば、凶器となったであろうカッターナイフの存在は非常に重要なものになる。そもそもカッターナイフにまつわるいわくを査定するわけだから、なんにせよカッターナイフのことは深く掘り下げる必要があった。
「ウサギが殺されているのを発見して、私は職員室に、相崎さんは警備員の詰所に向かった。先に戻ってきたのは私達で、その時に先生がウサギ小屋の中にカッターが落ちているのを見つけたんだ。先生は自分が預かっておくから――という理由で、カッターを持ってどこかに行ってしまって……。それと入れ違いに相崎さんが警備員を連れて戻って来たの」
千早は頭の中に中庭とウサギ小屋を思い浮かべ、そこに慌ただしく出入りしたであろう愛達の姿を想像する。
「人が殺されたわけじゃないから警察も呼べないし、仮に呼ぶにしても学校に確認を取らないと――ってことで、私達は先生が戻ってくるのを待つことに。しばらくしたら先生が戻って来て、学校で対応するからって言われて帰されたから、その先のことはちょっと分かんないんだけど――こんなもんで大丈夫?」
「ご理解いただけたようでなにより。それでは赤祖父様、次はこのカッターナイフをお持ちいただいた経緯をご説明願えませんか? なぜ、赤祖父様がお持ちになっているのでしょう?」
持ち込まれた品は50周年記念のカッターナイフ。これが持ち込まれた経緯を千早は知る必要があった。愛の話の流れから察して、おそらくはウサギの殺害に使用されたカッターナイフなのであろうが。
「話すと長くなるんだけど、それ――私達が先生と警備員を呼びに行って戻って来た時に見つけたものなの」
カッターナイフはウサギ小屋で見つかったものである。しかしながら、どのタイミングで誰が見つけたのかも分かっていなければ、どうして愛が持っているのかさえ明確になっていない。とにかく、明確にできるところから明確にしていくのが、いわくの背景を紐解くコツになる。
「少し整理します。ウサギ小屋での異変を確認した後、赤祖父様は教員の方を呼びに職員室へと走りました。クラスメイトのお方は警備員の詰所へと向かったわけですよね? カッターナイフを見つけたのはその後でしょうから、まずはその辺りのことを詳しくお聞かせください」
もしも【惨殺アイちゃん】が千早の推測通りの目的で犯行に及んでいるのだとすれば、凶器となったであろうカッターナイフの存在は非常に重要なものになる。そもそもカッターナイフにまつわるいわくを査定するわけだから、なんにせよカッターナイフのことは深く掘り下げる必要があった。
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「人が殺されたわけじゃないから警察も呼べないし、仮に呼ぶにしても学校に確認を取らないと――ってことで、私達は先生が戻ってくるのを待つことに。しばらくしたら先生が戻って来て、学校で対応するからって言われて帰されたから、その先のことはちょっと分かんないんだけど――こんなもんで大丈夫?」
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