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査定2 惨殺アイちゃん参上【問題編】
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一里之と愛は顔を見合わせる。噂を聞いた時点では、雲を掴むような話だと思っていた一里之であったが、どうやら都市伝説は都市伝説では終わらなかったらしい。ネットが盛況な世の中だからこそ、実際に現地へと赴いてみなければ分からないこともある。なんだかんだで、最終的にはアナログな手段こそが最善だったりするのかもしれない。
「――そのようなお話をされるということは、今日はお持ちなのですか? お売りいただける品を」
まるで豆大福の失態を取り戻さんとばかりに、必要以上に無表情に、そして必要以上に業務的にしているように見えるのは気のせいなのだろうか。別に取り繕う必要はない。それに、隣に愛がいるのに申しわけないが、千早が慌てる様は随分と可愛らしかった。どうして他人に心を閉ざしているのかは知らないが、ありのままの彼女でいたほうが良いのではないかと思う。まぁ、余計なお世話なのかもしれないが。
「あの、これなんですけど――事件の現場になったウサギ小屋に落ちていたものです」
愛はそう言うと、背負っていた学校鞄をおろし、中からくしゃくしゃになった新聞紙を取り出した。正確には、あるものを新聞紙で包んだものだ。さすがにそのまま学校鞄の中に突っ込む気にはなれなかったのであろう。
「改めさせていただいても?」
新聞紙に何かが包まれていることに千早も気づいたのであろう。手を伸ばす前に愛へと断りを入れ、愛が小さく頷くと新聞紙を開いた。一里之はあらかじめ新聞紙の中身を見せてもらっていたが、改めてそれを目の当たりにしてゾッとする。新聞紙から出てきたのは大ぶりなカッターだった。しかも、ただのカッターではない。赤黒く変色したシミが全体的に広がっているカッターだった。
「これは――カッターナイフですか。随分と状態がよろしくないようですが」
そう言いながら、どこからか白い手袋を取り出して両手にはめる千早。続いてカッターに手を伸ばそうとした千早に対して「ちょっと待って」と愛が口を開く。
「あの、そのシミ――血が乾いたものなんだけど触っても大丈夫ですか?」
愛が持ち込んだカッターはただのカッターではない。すなわち、血にまみれたカッターナイフなのである。いくら手袋をはめていても、血のついたものを触るのは、同じ女子として抵抗があるかもしれないと考えたのであろう。しかし「心配いりません」と、千早は血まみれのカッターナイフを手に取った。それをあらゆる角度から眺めつつ、千早はどちらに問うでもなく続ける。
「これは――雛撫高校50周年の記念品みたいですね」
「――そのようなお話をされるということは、今日はお持ちなのですか? お売りいただける品を」
まるで豆大福の失態を取り戻さんとばかりに、必要以上に無表情に、そして必要以上に業務的にしているように見えるのは気のせいなのだろうか。別に取り繕う必要はない。それに、隣に愛がいるのに申しわけないが、千早が慌てる様は随分と可愛らしかった。どうして他人に心を閉ざしているのかは知らないが、ありのままの彼女でいたほうが良いのではないかと思う。まぁ、余計なお世話なのかもしれないが。
「あの、これなんですけど――事件の現場になったウサギ小屋に落ちていたものです」
愛はそう言うと、背負っていた学校鞄をおろし、中からくしゃくしゃになった新聞紙を取り出した。正確には、あるものを新聞紙で包んだものだ。さすがにそのまま学校鞄の中に突っ込む気にはなれなかったのであろう。
「改めさせていただいても?」
新聞紙に何かが包まれていることに千早も気づいたのであろう。手を伸ばす前に愛へと断りを入れ、愛が小さく頷くと新聞紙を開いた。一里之はあらかじめ新聞紙の中身を見せてもらっていたが、改めてそれを目の当たりにしてゾッとする。新聞紙から出てきたのは大ぶりなカッターだった。しかも、ただのカッターではない。赤黒く変色したシミが全体的に広がっているカッターだった。
「これは――カッターナイフですか。随分と状態がよろしくないようですが」
そう言いながら、どこからか白い手袋を取り出して両手にはめる千早。続いてカッターに手を伸ばそうとした千早に対して「ちょっと待って」と愛が口を開く。
「あの、そのシミ――血が乾いたものなんだけど触っても大丈夫ですか?」
愛が持ち込んだカッターはただのカッターではない。すなわち、血にまみれたカッターナイフなのである。いくら手袋をはめていても、血のついたものを触るのは、同じ女子として抵抗があるかもしれないと考えたのであろう。しかし「心配いりません」と、千早は血まみれのカッターナイフを手に取った。それをあらゆる角度から眺めつつ、千早はどちらに問うでもなく続ける。
「これは――雛撫高校50周年の記念品みたいですね」
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