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査定2 惨殺アイちゃん参上【問題編】
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どうやら、あの道の駅の豆大福ファンが、ここにいたようだ。おそらく、一里之達がやって来たから、慌ててカウンターの下にでも隠したのであろう。もっとも、口元に豆大福の余韻が大いに残ってしまったわけだが。
クラスでは大人しく、どこか一線を引いてクラスメイトを傍観している印象のある千早。そんな彼女が見せた人間らしい仕草に、一里之は親近感を抱いた。普段より人を寄せ付けまいとする雰囲気を漂わせていなければ、もう少しクラスに馴染めるだろうに。
「失礼しました。それでは、改めてご用件をお聞きします」
咳払いをひとつすると、それでスイッチを切り替えたのであろう。再び一里之達の前へと向き直った千早は、いつもの近寄りがたい雰囲気を醸し出していた。その表情は無に近く、何を考えているのか全く分からない。それが地顔ならば仕方がないのかもしれないが、なんだか色々ともったいないというか、残念というか。
「あのよ、猫屋敷。ここでいわくつきのものを買い取ってもらえるって聞いたんだけど、それって本当なのか?」
一里之と愛の目的は、いわくを売ることではない。あくまでもそれは建前であり、いわくを買い取る際に店側が行う査定が本命だ。都市伝説――いいや、噂通りであれば、いわくを買い取るために、その背景を調べてくれるはず。その過程で問題まで解決してしまうとか、しないとか。
「はい。しっかりと査定を行わせていただき、お客様が納得してくだされば買い取ります。査定の結果が気に入らないのであればキャンセルしていただいても結構。ただ、その場合は査定手数料をいただくことになりますのでご注意を」
果たして噂はどこまで本当なのか。買い取りの査定はしてもらえるようだが、問題なのは査定がてらに、愛の高校で起きている事件を紐解いてもらえるかだ。この際、査定手数料とか面倒な話は後回しだ。
「あの、実は私の通う高校で奇妙な事件が起きているんです。その事件にまつわるものを買い取って欲しいんですけど、その場合の査定ってどんなことをするんですか? 事件を解決してくれるんですか?」
一里之が言葉を選びながら慎重に千早との話を進めていたのに、あっさりと愛が横からカットインして、無神経に核心へと切り込む。
「いわくの査定を行うには、その背景をしっかりとさせる必要があります。お持ちいただいたものが事件にまつわるいわくであるのならば、その事件の内容などによって、いわくの価値も変わってくるでしょう。当店としては、背景を全て紐解いてこその査定だと考えています――。よって、副産物でしかありませんが、結果的にいわくにまつわる事件が解決した事例もございます」
クラスでは大人しく、どこか一線を引いてクラスメイトを傍観している印象のある千早。そんな彼女が見せた人間らしい仕草に、一里之は親近感を抱いた。普段より人を寄せ付けまいとする雰囲気を漂わせていなければ、もう少しクラスに馴染めるだろうに。
「失礼しました。それでは、改めてご用件をお聞きします」
咳払いをひとつすると、それでスイッチを切り替えたのであろう。再び一里之達の前へと向き直った千早は、いつもの近寄りがたい雰囲気を醸し出していた。その表情は無に近く、何を考えているのか全く分からない。それが地顔ならば仕方がないのかもしれないが、なんだか色々ともったいないというか、残念というか。
「あのよ、猫屋敷。ここでいわくつきのものを買い取ってもらえるって聞いたんだけど、それって本当なのか?」
一里之と愛の目的は、いわくを売ることではない。あくまでもそれは建前であり、いわくを買い取る際に店側が行う査定が本命だ。都市伝説――いいや、噂通りであれば、いわくを買い取るために、その背景を調べてくれるはず。その過程で問題まで解決してしまうとか、しないとか。
「はい。しっかりと査定を行わせていただき、お客様が納得してくだされば買い取ります。査定の結果が気に入らないのであればキャンセルしていただいても結構。ただ、その場合は査定手数料をいただくことになりますのでご注意を」
果たして噂はどこまで本当なのか。買い取りの査定はしてもらえるようだが、問題なのは査定がてらに、愛の高校で起きている事件を紐解いてもらえるかだ。この際、査定手数料とか面倒な話は後回しだ。
「あの、実は私の通う高校で奇妙な事件が起きているんです。その事件にまつわるものを買い取って欲しいんですけど、その場合の査定ってどんなことをするんですか? 事件を解決してくれるんですか?」
一里之が言葉を選びながら慎重に千早との話を進めていたのに、あっさりと愛が横からカットインして、無神経に核心へと切り込む。
「いわくの査定を行うには、その背景をしっかりとさせる必要があります。お持ちいただいたものが事件にまつわるいわくであるのならば、その事件の内容などによって、いわくの価値も変わってくるでしょう。当店としては、背景を全て紐解いてこその査定だと考えています――。よって、副産物でしかありませんが、結果的にいわくにまつわる事件が解決した事例もございます」
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