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査定1 家族記念日と歪んだ愛憎【問題編】
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【家族記念日 第5回】
私はどうやら越えてはいけない一線というものを越えてしまったらしい。ただただ男としての性欲を満たせた満足感と、抵抗すらできず、ただただ涙を流していた娘への罪悪感が入り混じっている。それが心地よいと思ってしまう私は、どこかおかしいのだろうか。
今日の家族記念日は私だけで祝った。最愛の娘も誘ってはみたが、しかし来てはくれなかった。次の家族記念日は、是非とも一緒に祝いたいものだ。
【家族記念日 第6回】
あれからも私はなにかと理由をつけて最愛の娘を呼び出し、そして関係を持ってきた。娘もようやく私の愛を受け入れてくれたのだろう。行為の最中も涙を流すことなく、また抵抗することもなく、ただ私を受け入れるようになった。
でも、家族記念日に最愛の娘は来てくれない。私と最愛の娘、そしてあの人との接点だというのに。どうしても家族記念日には会いに来てくれない。家族記念日こそ家族で一緒に過ごすべきだというのに。
【家族記念日 第7回】
今日は嬉しいことがあった。今日という記念日を最愛の娘が祝ってくれたのだ。しかも、あちらから会いに来てくれた。もっとも、他の邪魔な娘たちも一緒にだが。歳は取りたくないものだが、祝いだと娘達から赤いチャンチャンコをもらった。プレゼントそのものは年老いていく自分を馬鹿にされたような気がして気に入らなかったが、最愛の娘が会いに来てくれたことがなによりも嬉しかった。
久方ぶりに美味い飯を食ったような気がする。他の娘達は邪魔で仕方がなかったが、こんな家族記念日も悪くはないだろう。
【家族記念日 第8回】
そろそろ私も会社を退く時が来たようだ。まだ誰にも話してはいないが、今年一杯で社長の席を譲ろうと思う。まだ誰に社長の席を譲るかは決めていないが、今後は隠居をして、最初の家族記念日の時に植えたキンモクセイを愛でながら余生を過ごそうと思う。
一度は冷えかけた最愛の娘との関係も、すっかりと元に戻った。私が歳をとり不能になってしまったから――なんて、ネガティブな理由を作り上げてみるが、きっとそうではない。
私と娘は真の愛でようやく結ばれたのだ。
《日記帳はここで途絶えてしまっている》
私はどうやら越えてはいけない一線というものを越えてしまったらしい。ただただ男としての性欲を満たせた満足感と、抵抗すらできず、ただただ涙を流していた娘への罪悪感が入り混じっている。それが心地よいと思ってしまう私は、どこかおかしいのだろうか。
今日の家族記念日は私だけで祝った。最愛の娘も誘ってはみたが、しかし来てはくれなかった。次の家族記念日は、是非とも一緒に祝いたいものだ。
【家族記念日 第6回】
あれからも私はなにかと理由をつけて最愛の娘を呼び出し、そして関係を持ってきた。娘もようやく私の愛を受け入れてくれたのだろう。行為の最中も涙を流すことなく、また抵抗することもなく、ただ私を受け入れるようになった。
でも、家族記念日に最愛の娘は来てくれない。私と最愛の娘、そしてあの人との接点だというのに。どうしても家族記念日には会いに来てくれない。家族記念日こそ家族で一緒に過ごすべきだというのに。
【家族記念日 第7回】
今日は嬉しいことがあった。今日という記念日を最愛の娘が祝ってくれたのだ。しかも、あちらから会いに来てくれた。もっとも、他の邪魔な娘たちも一緒にだが。歳は取りたくないものだが、祝いだと娘達から赤いチャンチャンコをもらった。プレゼントそのものは年老いていく自分を馬鹿にされたような気がして気に入らなかったが、最愛の娘が会いに来てくれたことがなによりも嬉しかった。
久方ぶりに美味い飯を食ったような気がする。他の娘達は邪魔で仕方がなかったが、こんな家族記念日も悪くはないだろう。
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そろそろ私も会社を退く時が来たようだ。まだ誰にも話してはいないが、今年一杯で社長の席を譲ろうと思う。まだ誰に社長の席を譲るかは決めていないが、今後は隠居をして、最初の家族記念日の時に植えたキンモクセイを愛でながら余生を過ごそうと思う。
一度は冷えかけた最愛の娘との関係も、すっかりと元に戻った。私が歳をとり不能になってしまったから――なんて、ネガティブな理由を作り上げてみるが、きっとそうではない。
私と娘は真の愛でようやく結ばれたのだ。
《日記帳はここで途絶えてしまっている》
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