クイズ 誰がやったのでＳＨＯＷ

最終問題 クイズ 誰がやったのでＳＨＯＷ【エピローグ】

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「これまで連絡ひとつ寄こさなかった奴が、今さらなんの用だ――」

　溜め息混じりに呟く九十九。それよりも先に本文を開いたのであろう。長谷川が笑みを浮かべる。

「なかなか掴みどころがない子だとは思っていたが、どうやら――煮ても焼いても食えない子だったみたいだな」

　アカリもメールの本文を見たのであろう。長谷川の言葉に大きく頷いた。何事かとメールを開いてみた九十九は、やはり長谷川達と同じように笑みを浮かべずにはいられなかった。

　――みなさん、どうせ納得できていないでしょうし、そろそろ燃費投下します。これでやりやすくなるんじゃないですか？

　メール本文の下には、他のサイトへと飛ぶリンクが貼られている。そのリンクは、どうやら大型動画投稿サイト【ヴィーチューブ】のものらしい。ＵＲＬだけでサイトが認識されるほど有名なサイトだ。とりあえずリンクのひとつを踏んでみて、長谷川の言葉の意味を理解した。確かに、あいつは煮ても焼いても食えない奴らしい。どさくさに紛れて、カメラのメモリースティックかカードを抜き取ったのは、ほぼ彼女で確定である。

　リンクから飛んだ先にあったのはひとつの動画。タイトルは【クイズ　誰がやったのでＳＨＯＷ②】というもの。適当にリンクを踏んだりしなければ、ちゃんと最初から順番に観ることができるようになっているのだろう。

「これ、もしかして最初から最後まであるのかな？」

　どこか楽観視しているアカリをよそに、長谷川がぽつりと漏らす。

「これが世の中に出回るとなると、大変なことになるぞ。まず、ネットはお祭り状態になるだろうし――揉み消しが明らかになれば、さらに大騒ぎだ」

　もしかすると、眠夢は最初からこれを狙っていたのではないだろうか。あまりにも非現実的すぎる事件だから、それが揉み消されてしまう可能性も考えていたのかもしれない。むろん、そのまま警察が事件として動いてくれれば問題はない。仮に警察が揉み消しに走ったら、頃合いを見て動画を投下する。そして、その頃合いこそが、このタイミングだったのであろう。

「桃山のやつも完全に終わったな。せっかくセンターに返り咲いたってのに、またスキャンダルだ」

　ある意味、凛は宣伝塔としての役目をしてしまった。警察が揉み消し、そしてすり替えてしまった事件を、本当のことだと世間に広めてしまったのだから。もう、ネットではお祭りが始まっているかもしれない。