クイズ 誰がやったのでＳＨＯＷ

最終問題 クイズ 誰がやったのでＳＨＯＷ【エピローグ】

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　非日常から日常へ。あまりにも最後が呆気なさすぎて現実味がまるでなかった。それでも、数日程度はこの日常生活から姿を消していたのだから、他の人達は色々と大変だったであろう。九十九は無職ゆえに、数日いなくなった程度では何も変わらなかったが。

　最後が最後だったせいか、区切りがつかないというか、なんとも中途半端な形になってしまった。急に日常へと放り出されてしまった九十九は、とりあえず警察からの連絡を待った。

　――数日後、警察からの詳しい事情を訊きたいとの申し出があり、九十九は警察署へと出向くこととなった。このような場合、基本的に呼び出された側が自ら警察署へと向かい、交通費やらをいただく流れになるはずなのだが、しかしわざわざ迎えにまで来てもらい、まるでＶＩＰ待遇のようだった。それらが、少しでも九十九達に負い目を抱きたくないという警察側の都合だと知ったのは、詳しい話を聞かされた時のことだった。

　３人もの人間が死に――いいや、出雲と藤木を含めれば５人もの人間が死んだはずの事件は、しかし集団拉致監禁事件としてすり替えられていた。どれだけ説明しても、まるでこちらが作り話をしているかのように解釈されるばかり。九十九だけが言っているならまだしも、他にも同様の事件に巻き込まれた人間がいるのだ。決して作り話などで済ませていいはずがないのだが、しかし世の中、正しいことが常に正しいとされるわけではない。

　結局のところ、長谷川達も同じような対応をされたらしい。すなわち、自分達が巻き込まれたのは集団拉致監禁事件であり、それ以上でもなければ、それ以下でもないとの結論を出されたのである。

　もちろん、そんな事実はないと食い下りはしたが、しかし日本という国は身分の高さが発言力の強さと等しくなる。よって、働きもしていない無職の意見など、せいぜい一笑に付されるだけ。後になって分かったことだが、これらの対応は長谷川達に対しても一貫して同じだったらしい。何かしらの大きな力が動き、確かに起きたはずの事件を揉み消してしまったわけだ。

　それで納得できないのは九十九達だ。自分達にできることは限られているが、このままあの事件のことをなかったことにされるのは面白くない。その結果、大した意味がないと分かっていながら、こうして時たま定例会を開き、集まっている。もっとも、凛はセンターへの返り咲きのほうが魅力的だったのか、すっかり集団拉致監禁事件の被害者であるが。