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最終問題 クイズ 誰がやったのでSHOW【解答編】

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 良かれと思って、しかも娘を少し驚かせてやろうと施した小細工。あれこそが、娘の命を奪うトリガーになってしまった。だとしたら、とんでもないサプライズだ。

 父と娘。ずっと二人三脚で生きてきたわけだが、ようやく人生の伴侶へとバトンを渡すことができる。そんな門出に、父親としては多少なりとも祝儀を出してやりたかった。結婚式の時など、もっと気の利いたタイミングがあったのかもしれないが、出雲はそれを実行に移してしまったのだ。

 旅行雑誌をいそいそと買いに出かけ、ついでに手頃な大きさの封筒を買った。家に帰ると雑誌を茶封筒から出し、買ってきた封筒に金を入れる。それをページの最初のほうに挟むと、改めて茶封筒に雑誌を入れた。こうすれば、買ってきた雑誌をそのまま手渡したように見える。

 これから結婚し、色々と金が用入りになってくる。嫌でも、金がない時期を経験することになるだろう。それはきっと誰もが通る道であり、ある種の洗礼なのだ。だからこそ、金を出してやるならここだった。羽を広げてゆっくりとできる旅行の時くらい、贅沢をさせてあげたい。そんな親心だった。

「こっそりと小遣いを雑誌のページに忍ばせたほうからすれば、きっと娘が喜ぶ顔が見えたに違いない。だが、実際のところは違った。その時点で雑誌は売り払ってしまっている状態。父親からのメールを見た被害者は、きっと顔面蒼白だったに違いない。さすがに父から貰った小遣いまで無下にするわけにはいかない。かと言って、本当のことを婚約者に伝えるわけにもいかない。確かに邪魔だったんだろうが、それを売ることによって処分したことについては、きっと後ろめたいものがあったんだろう。その結果、一人でバスを降りて、一人で古本屋に向かわねばならなくなった」

 出雲の親心を砕くは九十九。もちろん、出雲に悪気などはなかった。良かれと思ってやったことだった。だが、雑誌を売ってしまったなんて、娘が婚約者に言えただろうか。そこに父親からの小遣いが挟まっていたみたいだから、買い戻しに行くなど言えただろうか。言えるはずもない。だから娘は忘れ物というワードを使ってバスを降りてしまった。きっと、婚約者である藤木が一緒にバスを降りることも拒んだであろう。一緒にバスを降りれば、藤木の同行を拒むことはできない。となると、なぜか古本屋で、父親から受け取ったはずの旅行雑誌を買い戻すという場面を見られてしまうことになる。そんな姿、絶対に見せなくなかったに違いない。
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