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最終問題 クイズ 誰がやったのでSHOW【解答編】

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「普通に考えると、婚約者と一緒に立ち寄った喫茶店だよね」

 凛の言葉に「その通りだな」と頷く九十九。しかし、同意してすぐに「だが――」と否定の言葉を吐く。

「そもそも、被害者の荷物はそんなに多くはない。喫茶店に立ち寄った時点で旅行用の鞄は婚約者が駅に預けていたわけだしな。ここで思い出して欲しいのは、婚約者が駅に荷物を預けてから、被害者と合流した時のことだ。あの時、俺は何かしらの違和感を抱いたんだ。その違和感の正体がなんなのかずっと考えていたんだが、ようやくそれが分かったんだよ」

 婚約者――つまり、藤木が駅に荷物を預け、娘と合流した場面。あの場面は確か、娘が美味しいコーヒーを淹れてくれる店を見つけたと言っていた。藤木と娘が別れてから合流するまで、正確にどれだけ時間があったのかは分からない。先に喫茶店入った娘が、コーヒーに口をつけてから藤木を迎えに行ったのであろう。そして、おもむろに藤木と腕を組む。再現映像であっても、なんだか嫉妬心のようなものが芽生えたくらいだから、あの場面は見直さずとも覚えている。そして、娘は腕を組んだままショルダーポーチから携帯を取り出した。あの時、電話をかけたのは何を隠そう出雲自身だ。実は、娘にひとつ伝え忘れたことがあって電話をかけたのだが。

 ――思わず声が出そうになった。あぁ、なぜ気づかなかったのか。いや、きっと誰よりも出雲自身が気づいていたのだ。気づいていたのに、きっと防衛反応が働いてしまったのである。

「被害者は藤木と腕を組みながら喫茶店に戻った。しかも、その途中で、藤木と腕を組んだまま携帯をポーチから取り出している。この光景から、ある物がなくなっていることに気づかないか? 被害者もどうしたもんかと困っていた様子のものだ」

 九十九の言葉を待っていたかのごとく、今度は眠夢が口を開く。その光景を、出雲は呆然と眺めるだけ。分かってしまったのだ。この事件に犯人がいるのだとすれば、それは間違いなく自分であるという事実に。

「父親から受け取った茶封筒――中に旅行雑誌が入っていたものですよね? その後の場面を見ても、彼女がそれを持っているシーンは一度も出てきません」

 眠夢は九十九と同じ答えを出しているし、きっと2人の解釈はおおむねで似通ったものになっているのだろう。

「なら、その雑誌はどこに行ったのか? それが分かれば、もう答えは分かったようなもんだ」
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