クイズ 誰がやったのでＳＨＯＷ

最終問題 クイズ 誰がやったのでＳＨＯＷ【出題編】

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　やはり、出雲としては真なる答えが欲しいわけではないのだ。すなわち、自分が納得できる答えが欲しいだけ。娘を失ってしまったという事実に対して、自分が納得したいだけなのだ。そうでなければ、事故の関係者全てを集めていたはずだ。予算的な都合――だとか、打算的な理由で集める人間を限定したりはしないだろう。

「万が一、ここにいない人間の中に犯人がいたらどうするつもり？」

　凛の口から、そのような疑問が出てくるのは当然だろう。特に凛は、同じグループのメンバーと一緒に事故に遭っている。しかしながら、ここにいるのは凛だけだ。彼女からすれば貧乏くじを引かされたような気になってしまうことだろう。

「いいや、俺の刑事としての勘が言ってる。この中に間違いなく美奈を殺した犯人が潜んでいる。そうに決まっているんだ！」

　崩壊。まともに見える風貌とは裏腹に、出雲の精神は崩壊してしまっている。いや、崩壊していたからこそ、こんなことを思いついたのであるし、それを実行に移せたのだろう。もはや、彼が知りたいのは真実ではない。娘を亡くした怒りのぶつけどころを探しているだけだ。もしかすると、出雲もどこかで気づいているのかもしれない。娘が事故で死んでしまったことを。そして、それが誰のせいでもないことを。

「ふざける――」

「気持ちは分からなくないが落ち着け」

　出雲の態度に声をあげようとした長谷川の言葉を遮ると、改めて出雲のことを睨み直す九十九。

「こいつはただ、自分の怒りのぶつけどころが分からなくなってるだけなんだよ。だからこそ、存在するかも分からない犯人をでっち上げ、そうすることで平静を保とうとする。だからよ、俺達は納得できる答えを出してやるんだよ。誰がどう見ても納得できるような答えをな――」

　実のところ、これまでの情報から、ある事実にたどり着いていた九十九。なぜ、美奈と藤木は別々のバスに乗ることになったのか。それを紐解くことで、出雲が――いや、ここにいる全員が納得する答えを導き出せるかもしれない。一同を代表するかのごとくアカリが口を開く。

「納得できる答えって……。ちょっと考えてみて。あんたがバスの運転手と揉めたのだって、時間のロスになったし、バスが事故に遭った要因だと言える。その喧嘩を長谷川さんが止めに入ったのだって、要因のひとつになる。そして、私が支払いの時に手間取ってしまったのだって、運悪くバスが土砂崩れに遭ってしまう原因になるよね？　色々な要因があるのに、納得できる答えなんて出せるの？」