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最終問題 クイズ 誰がやったのでSHOW【出題編】

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 外は一歩も出たくないような土砂降り。タイミングがあまりにも不自然なうえに、出雲の大根役者ぶりのおかげか、最初から美奈を送っていくつもりだったのが見え見えである。もちろん、父の申し出を断る理由は美奈になかろう。

『うん、お願いしてもいいかな?』

 そう言う美奈の顔には苦笑い。

『よし、それじゃ車を横付けするから、ここで待ってろよ』

 出雲は雨の中、傘もささずに玄関を飛び出す。その後ろ姿をしばらく映したのち、場面が切り替わる。玄関口に車が横付けされる景色が俯瞰的に映し出された。すぐ車内の映像へと切り替わる。

『彼は駅のほうで待ってるんだろ? だったら今から迎えに行くって連絡を入れてやれ』

 車が発車し、親子のたどたどしい――いや、どこかよそよそしい感じの会話が続く。これは、出雲があまりにも棒読みだからこそ生じたものであろう。そもそも、親子関係が悪いのであれば、偶然を装って駅まで送って行くなんてことはしないだろうし。

『うん、分かった』

 事実、父の言葉に甘えるかのごとく、婚約者とやらにメールを打つ美奈。ラジオからは全国的に雨が続くだろうとの警告が漏れ出していた。

『せっかくの旅行だってのに、この雨じゃな――。さっき渡した雑誌に色々と載ってるだろうから、参考にしてやってくれ』

 美奈の手元には茶封筒。中身は旅行雑誌らしい。事故は九十九が高校生の頃に起きたわけだから、この時はまだ紙媒体がシェアを広く占めていたのかもしれない。まぁ、すでにネットというものは確立されていたわけであり、携帯から簡単にアクセスできる体制も整えてられていた。ゆえに、若ければ若いほど、ネットで調べるという文化が根付いていたことであろう。そうでなければ、茶封筒をどうしたものかと言わんばかりに、美奈が困ったような表情を浮かべることもないだろう。

『うん、ありがとう。色々と散策してみるよ』

 車はようやく駅に到着したようであり、激しい雨の中、人影が車のほうへと駆け寄ってくる。少しばかり美奈の顔が明るくなったように見えたのは気のせいだろうか。後部座席の扉が開くと男が転がり込んできた。

『いやぁ、すごい雨だ。すいません、お義父さん。わざわざ送ってもらうことになっちゃって』

 顔を上げた男の顔に、九十九は――いや、きっと本人と出雲を除く全員が、言葉を失ったことだろう。なぜなら、転がり込んできた男……すなわち、美奈の婚約者は、よく見たことのある顔だったのだから。自然と藤木のほうに視線が集まるのは仕方がないだろう。
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