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最終問題 クイズ 誰がやったのでSHOW【プロローグ】
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本当に見ず知らずの男達だった。周囲の様子を伺うが、しかしみんな怪訝そうな表情を浮かべるばかり。だれも男2人組のことは知らないらしい。そんな九十九達のことを尻目に、藤木はマイクを手にする。そして、九十九達が初めてここを訪れた時と同様の動きを見せた。解答席に向かって歩き出した2人組の紹介を始めたのである。
藤木の紹介から察するに、片割れの若い方が9人目の解答者――小野寺という男らしい。その名前を聞いた瞬間、九十九は数藤の死に際を思い出した。あの時、数藤が死の間際に呟いた言葉――いいや、名前。それこそが、小野寺ではなかったか。
藤木の紹介にやると、小野寺は元刑事。事故に遭ってしまったことにより重度の記憶障害が残ってしまったらしい。足取りはしっかりとしているし、その様子からは健常者のようにしか見えない。これまで別室にて番組を観ていたらしいが、果たしてどこで――ぱっと思いつくのは、ずっと非公開となっていた【10番目の扉】の向こう辺りか。まぁ、この際どこに彼らがいたのかは問題ではない。問題なのは、疑うべき対象が明らかにされていなかった点だ。
スタジオの中央まで歩いてきた男2人。まるで藤木に合流するかのごとく、後ろを歩いていた男が立ち止まった。やはり間違いない。彼が手にしているのは拳銃である。無精髭にぼさぼさの髪の毛という風貌――歳は初老というには少し早いか。とにかく、小野寺と紹介された男より、遥かに歳が上のようだ。
小野寺は解答席のほうへと歩いてくると、戸惑った表情を浮かべたまま、かつて司馬が座っていた席へと着席した。彼に好奇の目が向けられるのは当然のこと。第5問目を迎えるという時になって、何の前触れもなく現れた謎の男の片割れ。しかも、数藤が言い残した名前と同じ名前を持つ。もしかすると、彼が――問題の中でも暗躍していた悪徳刑事なのであろうか。元刑事という経歴もまた、その可能性を色濃くしていた。
小野寺が着席した頃を見計らったようにBGMが止まる。藤木が無精髭の男へとマイクを差し出した。突如として現れた小野寺と無精髭の男。一同の注意が双方に散漫してしまうのは仕方がないことなのであろう。しかし、無精髭の男は、たった一言でスタジオの注目を自分に集めてしまう。なぜなら、その一言はあまりにも衝撃的な一言だったから。
「あー、どうも。黒幕の……出雲健永です」
これまで、散々模索してきた黒幕という人物。てっきり解答者の中にいるとばかり思っていたのに、実はまるで見ず知らずの男が黒幕でした――なんて、九十九達にとってはとんでもない話である。
藤木の紹介から察するに、片割れの若い方が9人目の解答者――小野寺という男らしい。その名前を聞いた瞬間、九十九は数藤の死に際を思い出した。あの時、数藤が死の間際に呟いた言葉――いいや、名前。それこそが、小野寺ではなかったか。
藤木の紹介にやると、小野寺は元刑事。事故に遭ってしまったことにより重度の記憶障害が残ってしまったらしい。足取りはしっかりとしているし、その様子からは健常者のようにしか見えない。これまで別室にて番組を観ていたらしいが、果たしてどこで――ぱっと思いつくのは、ずっと非公開となっていた【10番目の扉】の向こう辺りか。まぁ、この際どこに彼らがいたのかは問題ではない。問題なのは、疑うべき対象が明らかにされていなかった点だ。
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小野寺は解答席のほうへと歩いてくると、戸惑った表情を浮かべたまま、かつて司馬が座っていた席へと着席した。彼に好奇の目が向けられるのは当然のこと。第5問目を迎えるという時になって、何の前触れもなく現れた謎の男の片割れ。しかも、数藤が言い残した名前と同じ名前を持つ。もしかすると、彼が――問題の中でも暗躍していた悪徳刑事なのであろうか。元刑事という経歴もまた、その可能性を色濃くしていた。
小野寺が着席した頃を見計らったようにBGMが止まる。藤木が無精髭の男へとマイクを差し出した。突如として現れた小野寺と無精髭の男。一同の注意が双方に散漫してしまうのは仕方がないことなのであろう。しかし、無精髭の男は、たった一言でスタジオの注目を自分に集めてしまう。なぜなら、その一言はあまりにも衝撃的な一言だったから。
「あー、どうも。黒幕の……出雲健永です」
これまで、散々模索してきた黒幕という人物。てっきり解答者の中にいるとばかり思っていたのに、実はまるで見ず知らずの男が黒幕でした――なんて、九十九達にとってはとんでもない話である。
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