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最終問題 クイズ 誰がやったのでSHOW【プロローグ】

最終問題 クイズ 誰がやったのでSHOW【プロローグ】1

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 今日はいつもより、待機時間が短かったような気がした。

 前回、番組の最後になって、藤木は次回へ解答を後回しにするということをやらかした。これまで1回ごとに完結していた番組が、どういうことか今回ばかりは二部構成となってしまったわけだ。当たり前ながら、まだ答えが出ていないため、今回は誰も降板していない。また、支給品もなしだ。どうして、わざわざ二部構成にする必要があったのだろうか。

 いつものように番組開始前のアナウンスが流れ、そして楽屋を後にした九十九。スタジオに入ると、もう他のメンバーは解答席に座っていた。これまでと明らかに毛色の違う展開に警戒しているのであろう。

 しばらく遅れて藤木がやってくる。一応、どうして前回の番組が二部構成になったのかなどの疑問はぶつけてみたが、軽くあしらわれてしまうばかりで明確な答えを得ることはできなかった。ただ、降板するのが――死が恐ろしいから引き延ばしたのかとの長谷川の問いかけには、力強く「違います」と言いきった。

 解答者はすでに全員が集まっていた。司会者である藤木もいる。けれども、いつものようにすぐに番組が始まるわけではなかった。なんというか――何かを待っている。そんな雰囲気が藤木にはあった。

 しばらくすると、密閉されているはずのスタジオの外から、扉が開くような音がした。外部の音が入り込むなんて、スタジオとしては致命的な欠陥である。しかも、廊下を歩く足音が近づいてきた。それも、1人の足音ではなさそうだ。少なくとも2人はいる。

 九十九は辺りを見回した。解答者はここに全員揃っている。藤木だっている。ここに姿がないのは、すでに降板という形で殺害されてしまった司馬、数藤、柚木だけ。もちろん、この3人が扉を開けたり、廊下を歩き回ったりなんてことはしないだろう。だとすれば、扉を開けたのは誰なのか。そして、複数の足音は誰のものなのか。様々な疑問が頭の中を飛び交う九十九を尻目に、急に安っぽいBGMが鳴り響く。それは、初めてこの番組と関わった際に流れていたもの――入場する際に流れたBGMだった。

「さぁ、皆さんもご一緒に!」

 藤木が解答席に向かって呼びかけ、手拍子を始める。それにならって手拍子を始める者は――誰一人としていなかった。テレビ慣れしている凛でさえ、スタジオの観音開きの扉を凝視するばかり。

 スタジオの扉がゆっくりと開く。その先には――見慣れないスーツ姿の男が2人。しかも、どうやら穏やかではない。片割れが、もう片割れへと銃口を突きつけているらしい。
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