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第4問 死神と駅の中で【解答編】
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ここにきて――これまで、何度も同じ修羅場を潜り抜けてきたというのに、九十九は初めて恐怖を覚えた。もし過半数の正解をもぎ取ることができなければ誰かが死ぬ。誰も責任の所在を探すような真似はしないだろうが、しかし潜在的には九十九の責任になる。ここまで舵取りをしていたのだから当然だ。
この環境が続くことは、それすなわち精神的な疲弊が続くことを意味する。自分でも気づかないうちに、九十九もまた疲弊してしまっていたのかもしれない。だからこそ、こんな場面で恐怖を感じたり、妙な責任感を抱いたりするのだ。
――ここにいる奴らは赤の他人。こんなことがなければ出会うことさえなかった連中。自分にそう言い聞かせはするが、ならばこのモヤモヤしたものはなんだろうか。もし、正解することができなくとも、降板することになる解答者に選ばれなければ済む話だ。しかし、九十九はどうにも落ち着かない。
「はい、それではよろしいですか? これで【最後の審判】も結審とさせていただきます」
藤木の音頭で我へと返る。いつしか【最後の審判】は終わりを迎えたようだ。誰か答えを書き直したのか、それとも誰も答えを書き直しなんてしていないのか。周囲に気を配っていれば、誰かが答えを書き直していることくらいには気づけそうなものであるが、九十九は全く気づけなかった。いや、あえて周囲から自分という存在を切り離していたのかもしれない。これまで自由気ままに生きてきた九十九にとって――そして、常に根拠のない自信を持って生きてきた九十九にとって、初めての重圧……プレッシャーというものだった。
「さて、解答を変更されたのは長谷川さん、木戸さん、桃山さんの3名。九十九さんと西潟さんは変更なしです。さぁ、それでは答えを変更された方々は、改めてフリップをどうぞ!」
どうやら、九十九と眠夢以外は答えを変更したようだ。九十九と眠夢の答えは、藤木が犯人であるというもの。すなわち、答えを変更した3人のうち、誰か1人でも答えを藤木に変えてくれれば過半数突破。贅沢は言わない。1人でも構わないから、この宙ぶらりんの推測に乗って欲しい。そんな九十九の祈りは――杞憂に終わった。長谷川が口を開く。
「藤木、お前さんには計算違いがあった。きっと、この問題にたどり着いた時点で、俺達がもっと疑い合うような間柄になっていると踏んだんだろ? だとしたら、その時点でお前さんの負けだよ」
その言葉に振り返る。そして、そのまま流れるかのごとく、オープンされたフリップを確認。
長谷川――藤木。アカリ――藤木。凛――藤木。満場一致で答えが綺麗に揃った。
この環境が続くことは、それすなわち精神的な疲弊が続くことを意味する。自分でも気づかないうちに、九十九もまた疲弊してしまっていたのかもしれない。だからこそ、こんな場面で恐怖を感じたり、妙な責任感を抱いたりするのだ。
――ここにいる奴らは赤の他人。こんなことがなければ出会うことさえなかった連中。自分にそう言い聞かせはするが、ならばこのモヤモヤしたものはなんだろうか。もし、正解することができなくとも、降板することになる解答者に選ばれなければ済む話だ。しかし、九十九はどうにも落ち着かない。
「はい、それではよろしいですか? これで【最後の審判】も結審とさせていただきます」
藤木の音頭で我へと返る。いつしか【最後の審判】は終わりを迎えたようだ。誰か答えを書き直したのか、それとも誰も答えを書き直しなんてしていないのか。周囲に気を配っていれば、誰かが答えを書き直していることくらいには気づけそうなものであるが、九十九は全く気づけなかった。いや、あえて周囲から自分という存在を切り離していたのかもしれない。これまで自由気ままに生きてきた九十九にとって――そして、常に根拠のない自信を持って生きてきた九十九にとって、初めての重圧……プレッシャーというものだった。
「さて、解答を変更されたのは長谷川さん、木戸さん、桃山さんの3名。九十九さんと西潟さんは変更なしです。さぁ、それでは答えを変更された方々は、改めてフリップをどうぞ!」
どうやら、九十九と眠夢以外は答えを変更したようだ。九十九と眠夢の答えは、藤木が犯人であるというもの。すなわち、答えを変更した3人のうち、誰か1人でも答えを藤木に変えてくれれば過半数突破。贅沢は言わない。1人でも構わないから、この宙ぶらりんの推測に乗って欲しい。そんな九十九の祈りは――杞憂に終わった。長谷川が口を開く。
「藤木、お前さんには計算違いがあった。きっと、この問題にたどり着いた時点で、俺達がもっと疑い合うような間柄になっていると踏んだんだろ? だとしたら、その時点でお前さんの負けだよ」
その言葉に振り返る。そして、そのまま流れるかのごとく、オープンされたフリップを確認。
長谷川――藤木。アカリ――藤木。凛――藤木。満場一致で答えが綺麗に揃った。
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