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第4問 死神と駅の中で【解答編】
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監視カメラは30秒ごとに映す場所を変える。確かに、最初から駅舎の外にいた近藤は、まるでそこから動いていないように見えるかもしれない。でも、他のカメラの映像が映されている間に駅舎の中に入り、そして今井と春日のいずれかが駅舎の外に向かった――という可能性だってゼロではない。もちろん、後になって駅舎の外に向かったのが今井であるという確証もないし、ホームに向かったのが春日だという保証もない。ずっとホームで電車を待っていた吉永だって、どこかのタイミングで他の人間と入れ替わっていたのかもしれない。
「おや? 九十九さん。それでは私のことを犯人だなんて言えないのではないですか? 西潟さんも、その答えで間違いないですかぁ? 下手をすると、間違った答えかもしれませんよぉ」
まるで周囲の不安を煽るかのごとく――特に九十九と同じ答えを提示している眠夢の不安をかき立てるかのように振る舞う藤木。この状況で彼女が答えを引っ込めるのはよろしくない。
――誰が犯人なのか断定できない。それにくわえて、九十九と長谷川しかいないという状況で、容疑者は全員男性だと断言してしまったり、今回だけ急に言い回しを変えた藤木の様子から、もしかしたら犯人は藤木なのではないかと考えた九十九。これは言わば逆算のようなもの。再現映像の犯人が判明したからこそ、藤木が犯人だと断定できたわけではない。犯人は断定できないが、状況的な証拠から、そこをすっ飛ばして藤木が犯人なのではないかと疑ったのだ。
「九十九さん、落ち着いてください」
藤木に煽られはしたものの、まるで無関心とばかりにスタジオの一点を見つめる眠夢。まさか、彼女に諭されることになるとは思わなかったが、藤木のことをまるで無視する彼女の強さはありがたかった。
「3番カメラの映像が遅れていたという意見に関しては、私もそうだと思っています。でも、本当に0.8倍だったのでしょうか? 九十九さん、もしかして都合の良いように数字を出したんじゃありませんか?」
眠夢の言葉は、まさしく寝耳に水だった。どうして九十九は3番カメラが0.8倍の速さで再生されていたと考えたのか。それは――そう計算すると、9分から9分30秒までの3番カメラの映像に、被害者を突き落としに向かう犯人の姿が映ることになり、時間軸的にぴったりくるからである。
「犯人が3番カメラの映像を遅らせたのは、アリバイ作りのためだけじゃねぇ。その後を都合よく解釈させるためだった――ってことか」
「おや? 九十九さん。それでは私のことを犯人だなんて言えないのではないですか? 西潟さんも、その答えで間違いないですかぁ? 下手をすると、間違った答えかもしれませんよぉ」
まるで周囲の不安を煽るかのごとく――特に九十九と同じ答えを提示している眠夢の不安をかき立てるかのように振る舞う藤木。この状況で彼女が答えを引っ込めるのはよろしくない。
――誰が犯人なのか断定できない。それにくわえて、九十九と長谷川しかいないという状況で、容疑者は全員男性だと断言してしまったり、今回だけ急に言い回しを変えた藤木の様子から、もしかしたら犯人は藤木なのではないかと考えた九十九。これは言わば逆算のようなもの。再現映像の犯人が判明したからこそ、藤木が犯人だと断定できたわけではない。犯人は断定できないが、状況的な証拠から、そこをすっ飛ばして藤木が犯人なのではないかと疑ったのだ。
「九十九さん、落ち着いてください」
藤木に煽られはしたものの、まるで無関心とばかりにスタジオの一点を見つめる眠夢。まさか、彼女に諭されることになるとは思わなかったが、藤木のことをまるで無視する彼女の強さはありがたかった。
「3番カメラの映像が遅れていたという意見に関しては、私もそうだと思っています。でも、本当に0.8倍だったのでしょうか? 九十九さん、もしかして都合の良いように数字を出したんじゃありませんか?」
眠夢の言葉は、まさしく寝耳に水だった。どうして九十九は3番カメラが0.8倍の速さで再生されていたと考えたのか。それは――そう計算すると、9分から9分30秒までの3番カメラの映像に、被害者を突き落としに向かう犯人の姿が映ることになり、時間軸的にぴったりくるからである。
「犯人が3番カメラの映像を遅らせたのは、アリバイ作りのためだけじゃねぇ。その後を都合よく解釈させるためだった――ってことか」
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