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第4問 死神と駅の中で【解答編】

第4問 死神と駅の中で【解答編】1

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【1】

 シンキングタイムが終わり、そして藤木が一旦番組を切って休憩へと入る。正直なところ、心穏やかに休憩できた人間などいないことだろう。むしろ、休憩時間はお通夜のようになってしまっていた。おそらく、九十九の出した答えは、それだけみんなの不安を煽るものだったのであろう。

 気が気ではない休憩時間が終わり、番組もいよいよ仕切り直し。第3問目までは快進撃を続けてきた九十九であったが、この4問目においては、これまでほどの自信はなかった。もちろん、それなりの確信はあるのだが――しかしどのように転ぶのかは、やってみなければ分からない。下手をすると、初めての誤答となってしまうかもしれない。

「フリップには解答をお書きいただけましたでしょうか? いよいよ第4問目。番組も佳境へと入ってまいります」

 このまま、あとどれくらい続くのであろうか。きっと犯人の人数に限りがあるだろうから、確かに藤木の言う通り佳境へと差し掛かってはいると思われる。しかしながら、このおかしな空間にずっと囚われ続けているのいうのは、精神衛生上よろしくない。事実、自分では気づいていないだけで、かなり疲弊しているのかもしれなかった。

 ――食糧に関しては、正解した際に要求としてあげれば、おそらく半永久的に困らないだろう。他のやつらだって、そこまで馬鹿ではないだろうし、同じような要望を出して食いつないでいるに違いない。最悪、スタジオにはお菓子程度のものはあるわけだから、食糧難で死んでしまうことなどはないだろう。

 ただ、精神的な面に関しては、いずれ必ず限界を迎える。九十九だけがそれに抗えばいいわけではなく、ここにいる全員が、いつまで続くかも分からぬクイズ番組に付き合い、そして死と隣り合わせで生きている。生活する分には問題がなくとも、それだけで生きていけるほど人間は簡単ではない。精神の平穏というのも必要だろう。

 ――そろそろ決着をつけねばならない。九十九は答えが書かれたフリップに視線を落とすと、藤木のことを睨みつけた。

 この番組がどんな目的で構築され、なぜゆえに自分達が巻き込まれてしまったのか。少しずつ答えらしきものが見えてはきているが、それを構成するパズルのピースには何も書かれておらず、無理矢理完成させたところで全貌がまるで見えてこない。ここから全員が解答を出して、さらに【最後の審判】という名の議論の場が設けられている。そこでいかにみんなが納得できるように立ち回れるかが鍵となる。
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